【ケイティのふしぎ美術館】美術館に行こうよ。楽しくてためになる、かわいいアートファンタジー絵本。第9巻【ケイティとイギリスの画家たち】【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年4月6日

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ケイティとイギリスの画家たち ケイティのふしぎ美術館 9  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

学校がおやすみのケイティはおばあちゃんと美術館に行きます。大人はみんな働きに行くことを知ったケイティ。わたしは将来どんな仕事をするのかな?

この本のイメージ イギリスの画家☆☆☆☆☆ 美術館の魅力☆☆☆☆☆ ファンタジー☆☆☆☆☆

ケイティとイギリスの画家たち ケイティのふしぎ美術館 9  ジェイムズ・メイヒュー/作 西村秀一/訳 結城昌子/監修 サイエンティスト社

<ジェイムズ・メイヒュー>
1964年イギリス生まれの絵本作家。メイドストン美術大学。絵画、オペラ、バレエに造詣が深く、その魅力を伝える絵本を制作している。

<西村秀一>
1984年山形大学医学部卒業後、CDC(米国疾病対策センター)インフルエンザ部門留学、国立感染症研究所主任研究官などを経て、現在は仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンター長。研究の傍ら、医学関係の翻訳のほか、絵本翻訳も手がける

<結城昌子>
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、アートエッセイスト。1993年「ゴッホの絵本うずまきぐるぐる」(小学館)を刊行して以来、子どもとアートをつなぐ様々な活動を開始。ワークショップや講演、小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている

 本日は面白くてためになる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ第9巻、「ケイティとイギリスの画家たち」をご紹介。原題は、KATIE and the British Artist. 初版は2008年。日本語版の初版は2013年です。

 今回のお話は……

 おばあちゃんとロンドンの美術館に来たケイティ。街はこれからお仕事に行く大人たちでいっぱいです。大人になったらどんな仕事をしようか?

 そんなことを考えながら美術館に来たケイティですが、例によっておばあちゃんはうとうと。

 ジョン・コンスタブルの「麦畑」を眺めていると、そこに描かれた羊飼いの少年から誘われて、ケイティは絵のなかへ。一緒に羊を追います。

 絵の少年、ベンと牧羊犬レックスは羊飼いの仕事に飽きてきていました。ケイティはベンとレックスを絵の外へ連れ出します。

 「雨、蒸気、スピード━グレート・ウェスタン鉄道」と言う絵を見て機関士になりたくなったふたりは、絵に飛び込みます。

 機関車にどんどん石炭をくべるケイティとベンですが、石炭をくべすぎて故障させてしまいます。慌てて絵から逃げ出すふたり。

 次はジョージ・スタップスの馬の絵「ホイッスルジャケット」に入り、ホイッスルジャケットに飛び乗ります。馬を走らせるベンと、馬が走る野原をクレヨンで描くケイティ。でも、馬はかなりの暴れ馬。

 その次はトマス・ゲインズバラの「チョウを追う画家の娘たち」に入り、絵を描いてみますがベンは絵はあまり上手ではありませんでした。

 最後はターナーの「戦艦テレメール号」に乗り探険家になろうとします。けれど、羊たちの鳴き声が聞こえて……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回登場した絵画は「麦畑」(ジョン・コンタブル)、「雨、蒸気、スピード━グレート・ウェスタン鉄道」(ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー)、「ホイッスルジャケット」(ジョージ・スタップス)、「チョウを追う画家の娘たち」(トマス・ゲインズバラ)、「戦艦テレメール号」(ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー)。すべてロンドンのナショナル・ギャラリー所有です。

 今回はイギリスの画家たちを紹介する絵本。
 この本をきっかけにして調べていて知ったのですが、ターナーとコンスタブルは当時ライバル関係だったのですね。

 様々な絵画にケイティが飛び込んでいって大冒険するお話「ケイティのふしぎ美術館」シリーズは、小さなお子さまにもっとアートを身近なものに感じてほしいという願いでつくられたもの。
 ジェイムズ・メイヒューはほかにもバレリーナの絵本などを出版しており、絵画、オペラ、バレエなどの魅力を子どもたちにわかりやすく伝えています。

 そんなわけで、ケイティはかしこまって絵画をながめるようなことはしません。
 毎回、好奇心の赴くままに絵のなかへ飛び込んでしまいます。ケイティ自身もクレヨンや絵筆をもって絵を描いたりしてやりたいほうだい。

 でも、この楽しさがアートと子どもをぐんと身近なものにしてくれます。

 わたし自身もそんなにアートに詳しいわけではありません。むしろ、ケイティをきっかけに有名な絵画や画家のことを知ることができたようなもの。
 でも、それによってほんの少しだけど世界が広がった気がして、それがありがたいのです。

 知らないことを知るのは楽しいし、美しいものに出会えると心が豊かになります。

 物怖じしない、なんにでも飛び込んでゆくケイティは可愛らしく、読んでいると元気をたくさんもらえます。

 文章は読みやすく、漢字は使われていますがすべての漢字には振り仮名がふってあります。巻末には結城昌子先生の解説が詳しく書かれており、それぞれの絵画の背景を知ることが出来ます。

 無邪気なケイティがアートとの関係を身近にしてくれる、「ケイティのふしぎ美術館」シリーズ。絵画を楽しむことに、堅苦しいことなんてなにもいらないことを教えてくれます。

 読み終わったら、親子でロンドンのナショナルギャラリーのバーチャルツアーをするのもいいですね。ケイティになった気持ちが味わえるかも。

 小さなお子さまへのプレゼントに、読み聞かせに、そして大人の和み時間に。

 絵が大好きな方はぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素は一切ありません。安心してお楽しみいただけます。
 小難しい説明はなく、純粋な子どもの心になって絵画を楽しむアートファンタジーです。絵の大好きなお子さまにおすすめの絵本です。

 読後は、濃い紅茶とミルク、そしてスコーンでひと休み。

 

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