【カッパーノ】イカした河童の大冒険!思わずクスっとしちゃう、楽しい絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年4月6日

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カッパーノ 森くま堂/文 いわさきさとこ/絵 BL出版

カッパーノはにんきもの。かがやくおさらは あこがれのまと。ところがある日、だいじなさらをカラスにうばわれて…… はたして、さらは取り戻せるのか? 失われたさらを求めて、旅に出たカッパーノの抱腹絶倒の大冒険! 

この本のイメージ 抱腹絶倒☆☆☆☆☆ 奇想天外☆☆☆☆☆ この発想はなかった☆☆☆☆☆

カッパーノ 森くま堂/文 いわさきさとこ/絵 BL出版

<森くま堂>
鳥取県生まれ。同志社女子大学英文学科卒業。「おやすみくまちゃん」で神戸新聞文芸児童文学部門年間賞、「古い地図の向こうから」で創作コンクールつばさ賞読み物部門優秀賞を受賞。おもな作品に「おむすびころりん はっけよい」(偕成社)、絵本テキスト大賞を受賞した「ちこくのりゆう」(童心社)など。日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会会員。季節風同人。

<いわさきさとこ>
長崎県生まれ。東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。同大学院美術研究家油画専攻修了。第2回ビルボ絵本大賞優秀賞、第11回日本童画大賞絵本部門で大賞を受賞。おもな作品に「くつやさんとおばけ」(第36回日産童話と絵本のグランプリ絵本大賞受賞 BL出版)がある。

 うわあ、楽しい!
 誰もが笑顔になってしまう、ゆかいな絵本のご紹介です。初版は2022年11月。

 ストーリーは……

 カッパーノは人気ものの河童です。
 輝くおさらが女子たちのあこがれのまと。

 だけど、ある日、カラスに自慢のおさらを奪われてしまいます。
 ショックをうけたカッパーノは、おさらを取り返しに旅に出ます。

 ようやく見つけたかと思ったおさらは、不運にも粉々に……
 がっくりと肩を落とすカッパーノに、偶然知り合ったおじさんは、素敵なプレゼントをしてくれるのです。

 それは……

 ……と、いうのがあらすじ。

 「なんなの、なんなの、なんで河童なの!」と表紙をみただけで暫く大爆笑。表紙のカッパーノ、ちょっと気取ってるしね。

 お話は、単純で、そして楽しくて最後までおなかをかかえて笑ってしまいます。

 けれど、裏に潜んでいる(かもしれない)深いテーマもあって、カッパーノは、ただ生まれ持った立派なおさらを自慢している気障野郎ではなくて、自慢のおさらを失ってから勇気を出しておさらを探す旅に出るのです。

 カラスにおさらを奪われたことで、自信の源を一度は失ってしまうけれど、それを取り戻すために勇気を出して外の世界へと飛び出して苦難の道を歩む。

 わりと、伝統的な勇者ものファンタジーの基本を行ってるんですよね。

 様々な冒険のすえ、最初に求めていた秘宝(つまりおさら)は失うけれど、もっといいものを持ってカッパーノはふるさとに帰ります。

 それを、旅に出ないでずっと河童の村にいたほかの河童たちは「あんな素敵なおさらが手に入るのなら、自分も旅に出ればよかった」とうらやましがるのでした。
 そうですよね、カッパーノをうらやましがるくらいなら、自分が旅に出ればよかった。

 そんな、考えさせられる(かもしれない)テーマも潜んでいたり。

 文章はすべてひらがなとカタカナ。50音が読めれば、ひとりでコツコツ読むことが出来ます。
 もちろん、読み聞かせにも。

 おしゃれなカッパーノの表情が変顔選手権並みにくるくる変わるのが最高。

 読むと絶対笑顔になることまちがいなし!
 小さなことでくよくよしているのがばからしくなってきます。

 落ち込んでいるときや、元気のないとき、くじけないカッパーノに元気と笑いをもらいましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。お腹の底から声を上げて笑える、楽しくてゆかいな絵本です。シンプルに楽しいので、お疲れ気味のHSPHSCにもおすすめです。 

 でも、自分の自信の源がある日失われたらどうするのか、そんな深いテーマも潜んでおり、くじけないカッパーノが最後にかっこよく帰還するのは素敵なハッピーエンドです。

 読後はもちろん、ちょっと気取ってカプチーノを。

 

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