【理花のおかしな実験室】お料理+科学?! ときめきのパティシエ・バディストーリー第2巻【難問、友情ゼリーにいどめ!】【小学校中学年以上】

わたし理花! 理科が大好きな小学五年生。クラスメイトのそらくんとお菓子作りの実験中。そんなとき、クラスに転校生がやってきた。勉強が大好きな石橋修くん。ところが彼の出現でややこしいことに……?
この本のイメージ お菓子作り☆☆☆☆☆ 理科実験☆☆☆☆☆ 多様性☆☆☆☆☆
理花のおかしな実験室 2 難問、友情ゼリーにいどめ! やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫
<やまもとふみ>
福岡県出身で千葉県在住。やぎ座のA型。2019年に第8回角川つばさ文庫小説賞金賞を受賞。趣味は街の散策と野球の観戦。好きなスイーツはホットケーキ。作るより食べるほうが好き。
<nanao>
イラストレーター。6人組エンタメユニット「すとろべりーぷりんす」の公式イラストを中心に活動中。
きっと理科とお料理が好きになる? ときめきのサイエンスクッキングストーリー、「理花のおかしな実験室」第2巻、初版は2021年2月です。
お話は第1巻から完全に続いているため、まずは第1巻「理花のおかしな実験室 1 お菓子づくりはナゾだらけ!?」からお読みください。
第1巻のレビューはこちら↓
今回のストーリーは……
夏。
佐々木理花は図書館で理科が好きな男の子と出会います。
彼は、転校生の石橋修(しゅう)くん。趣味は「勉強」と言う、男の子。
修くんは強引に理花に急接近。
そのため、理花とそらくんの関係はぎくしゃくしてしまいます。
そんなとき、学校の調理実習で失敗してしまったゆりちゃんを助けるために一歩踏み出した理花。気まずかったゆりちゃんとの関係はどうなるのでしょうか……
……と、いうのがあらすじ。
今回のテーマは「ゼリー」。
ゼリーって、夏にぴったりのつるんとしておいしいお菓子ですが、フルーツを使ったゼリーを作る場合入れると固まらなくなってしまうフルーツがあります。
それはどんなフルーツで、どうすればゼリーを固められるのか?
その先は、読んでみてのお楽しみです。
この物語では、誰かが好きと思うもの、楽しいと思うことを他人が「おかしい、おかしくない」とジャッジするべきではない、と言うのが基本テーマとなっています。
新キャラの石橋くんの趣味は「勉強」。
勉強する子どもは「良い子」と歓迎されますが、趣味が勉強と言う子どもは「へんなやつ」と言われてしまいそう。でも石橋君は堂々としています。
理花ちゃんは、石橋くんと大好きな理科の話ができると楽しくて話が止まりません。
けれど、そらくんとのお菓子実験こそが理花ちゃんの本当にしたいこと。理花ちゃんはそれを上手に修くんやそらくんに伝えられるでしょうか?
ただ理科が大好きだっただけの理花ちゃんが、今回は複雑な人間関係の悩みに直面します。救いは、今回、気まずかったゆりちゃんとの距離が縮まったこと。
第1巻ではいじわるそうな雰囲気のゆりちゃんでしたが、彼女も彼女なりに悩みを抱えていたみたい。彼女の悩みも解消するといいですね。
ストーリーを楽しみながら、理科とお料理の知識を深めるこの作品、ラブコメ要素もあり、毎回おいしそうなお菓子が登場したりと女の子が楽しい要素がたくさん。
読んでいるだけでお料理や理科の勉強が楽しくなりそうです。
文章は理花ちゃんとそらくんの一人称が交互に入っていて、女の子が読んでも男の子が読んでも楽しめます。文章は読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビ。だいたい、小学校中学年からがおすすめ。
巻末にはちょっと不思議な「ゼリーアイス」のレシピつき。美味しいものと楽しい物語が大好きな子にぴったりの小説です。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
「らしさ」に囚われず好きなことをしようよ、と言うテーマの明るいストーリーです。ラブコメ要素もあり、女の子の友情ストーリーもありと盛りだくさん。
読後はきっとゼリーが食べたくなります。
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