【氷の上のプリンセス】ついに海外へ。フィギュアスケートを愛する女の子のステップアップストーリー第6巻。【はじめての国際大会】【小学校中学年以上】
全日本ジュニアを終えたかすみのもとに、一通の招待状が届いた。2月にヨーロッパの小国で開催される「プロムダール・カップ」に出場できると言う。はじめての国際大会に心躍るかすみの前に現れたのは、正真正銘のプリンセスで……
この本のイメージ フィギュアスケート☆☆☆☆☆ シンデレラ☆☆☆☆☆ 自己肯定感☆☆☆☆☆
氷の上のプリンセス 6 はじめての国際大会 風野潮/作 Nardak/絵 講談社青い鳥文庫
<風野潮>
大阪府生まれ。大学時代は吹奏楽部に所属。第38回講談社児童文学新人賞を受賞した「ビートキッズ」で1998年にデビュー。同作で、第36回野間児童文芸新人賞・第9回椋鳩十児童文学賞受賞。その他の作品に「クリスタル エッジ」シリーズ、「竜巻少女」シリーズ、「レントゲン」(いずれも講談社)などがある。
<Nardak>
韓国在住のイラストレーター。おもな挿絵に、「失恋探偵ももせ」(電撃文庫)、「睦笠神社と神さまじゃない人たち」(宝島社)などがある
<この季節おなじみのスケートトーク。不要な方はスクロールしてね>
先週末はフィギュアスケート国別対抗戦でした。
先週末から今週頭にかけては、体調が思わしくなく、大好きなフィギュアも飛び飛びで見るような状態でしたが、美しい演技には癒されます。
いつもより薄めのトークですが、すばらしかったので感想を。
まずは日本チーム、地元での世界選手権という巨大プレッシャーのあと、お疲れ様でした。みなさん本当に力を使い果たしての後の国別ということで、本調子ではないながら、渾身の演技を見せてくれました。ありがとうございます。
坂本花織選手、キャプテンとしても盛り上げてくれてありがとうございます。国別は応援合戦も見所の一つで、各チームの選手たちが思い思いのコスチュームやアイテムで華やかに応援するのですが、坂本選手の元気な笑顔がチームを引っ張りました。演技は悔しいところもあるとは思いますが、決まったジャンプはすべてびっくりするほど高くて飛距離が遠い。ゆっくり休んだら、来季もぶちかましてほしいです。
三原舞依選手、今季はハードスケジュールお疲れ様でした。足を痛めているらしくパーフェクトではありませんでしたが、ふわっとした体重がないかのようなジャンプや美しいスパイラルを見れて満足。「戦場のメリークリスマス」は感情がこもっていて、点数を超えた美しさでした。これからも応援しています。
友野一希選手、リンクの上で踊り出すと見ているほうも思わず笑顔になっちゃう選手です。今季は幸せ気分をたくさんありがとうございます。ジャンプでミスがあっても、ステップですべてを忘れてしまうくらいの素晴らしさ。これからも応援しています。
佐藤駿選手、急遽の代打出場でプレッシャーもあったと思いますが四回転ルッツに挑戦してくれてありがとう。クワドルッツは男のロマンです。フリーでリカバリーでクワドルッツ、クワドトゥーループを跳んでくる「なにがなんでも」精神が熱い。ショートでリンクから上がるとき、キーガン選手とグータッチしたのもぐっときました。応援しています。
ペアの「りくりゅう」こと三浦璃来/木原龍一組。すばらしいショートプログラムでした。これを見られて満足。ちょっぴり悔しいところもあったかと思いますが、息がぴったりで安定していてすばらしい。来季は新技にも挑戦するらしいし、ほんとうに楽しみです!
アイスダンスの「かなだい」こと村元哉中/高橋大輔組。本当にすばらしかった!今回の主役と言ってもいいくらいの盛り上がり。世界選手権を超える完璧かつドラマチックな演技でした。
とくに高橋選手の「魅せる」力が素晴らしく、「女性は花、男性は額縁」と言われてきたアイスダンスの世界に「魅せる額縁」……もとい、男性選手も女性選手と同じくらい前へ出て主張するドラマチックな演技を持ち込みました。なんかやりきった感もある高橋選手ではありますが、結果や点数は関係なく、ずっとずっと見ていたい。そんなカップルなのです。これからも応援しています。
海外選手についても少し。
キーガン・メッシング選手。最後の最後に日本に来てくれてありがとう! 会場を埋め尽くすカナダ国旗。割れんばかりの拍手。愛される選手です。佐藤駿選手とのさりげない交流もじーんとします。美しいスケーティングとあったかい演技、拍手のなかステップを踏むキーガン選手の笑顔は忘れません。引退後は消防士さんになるそう。どうか、いつまでもお元気でお幸せに。
イリヤ・マリニン選手。世界選手権の後、そんなに時間は経っていないのに表現力が増していてびっくり。ショートプログラム、かっこよかったです。フリーはやはり疲労がたまっていたのかもしれません。高難度ジャンプは疲労が蓄積しますね。身体に気をつけて。来季も楽しみです。
イ・ヘイン選手。四大陸以降いきなり覚醒した感じです。ジャンプがばんばん決まるようになると華があります。来季はどんな演技を見せてくれるのでしょう。楽しみになってきました。
チャ・ジュンファン選手。あどけない少年だと思っていたジュンファン選手はかっこいい青年になりました。昔から表現力の高さで有名でしたが、四回転ジャンプも安定してきました。来季も楽しみですね。
国別が終わると、ほんとうに今季は終わったなあと言う気持ちになります。あたたかくなるとアイスショーの季節。そして、新しいシーズンがやってきます。
今年の夏は「ワンピース・オン・アイス」が開催されるらしく、今からキャストが楽しみです。(見に行けるかどうかは別として……(汗))
<ここからが本題。本日の本紹介>
本日、ご紹介するのは講談社青い鳥文庫の人気シリーズ「氷の上のプリンセス」第6巻「はじめての国際大会」です。初版は2015年。たいへん人気のシリーズで、ノービス編から始まり、現在はシニア編に物語がすすんでいるようです。
このシリーズは、第1巻から完全にお話が続いていますので、レビューを読んで興味を持たれた方は、まずは第1巻「ジゼルがくれた魔法の力」からお読みください。
第1巻のレビューはこちら↓
今回のお話は……
来季にむけて新プログラムをつくりはじめたかすみのもとに、一通の招待状が。
ヨーロッパの小国エルフグレーン王国で開催される「プロムダール・カップ」に怪我で欠場した選手のかわりに参加できると言うのだ。
驚くかすみ。資金の面を心配する春野母娘だが、それは夏野さんがなんとかしてくれると言う。
夢と期待に胸をふくらませて参加したかすみ。
そこで出会ったライバルは、なんとなんと、正真正銘のプリンセスで……
……と、いうのがあらすじ。
今回のテーマは「シンデレラ」。
かすみちゃんの新しいプログラムはシンデレラに決まりました。
貧しい環境で苦労しているシンデレラには共感するけれど、王子さまに会いに舞踏会に行きたいと言う気持ちがよくわからないかすみちゃん。
シンデレラの気持ちがつかめなくて、戸惑っているところに、まるでシンデレラのように招待状が届きます。
ヨーロッパの宮殿が宿舎で、お部屋もお食事も超・豪華。そのうえ、ライバルはエルフグレーン王国の正真正銘のお姫様です。
ところがこのお姫様にも、いろいろと苦しい事情があるようで……
今回、かすみちゃんが冬樹君のお姉さん花音ちゃんの姿を見ることが出来た謎がはっきりしてきます。この美しい宮殿にも、かすみちゃんにしか見ることが出来ない女性がいたのでした。
つまり、かすみちゃんには、現世に未練を残して愛する人を見守っている人の魂が見えるらしいのです。
かすみちゃんはこの能力で、ある人の魂とある人の心を橋渡しするのでした。
文章はかすみちゃんの一人称で書かれており、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。読みやすいので小学校中学年から。賢い子なら低学年でも大丈夫。
前回から登場の中嶋亜子ちゃんや新キャラのフローラ姫などキャラクターも増えて、今後の展開が楽しみになってきました。冬樹くんのライバルらしき小池和真くんなども気になります。
フィギュアスケートのシステムやルールも詳しく解説していてわかりやすく、これを読んでおくと試合を見るときにさらに楽しめそう。
フィギュアスケート大好きな女の子におすすめの少女小説です!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
登場するキャラクターも増えて、群像劇としての面白さもあります。かすみちゃんのプログラムのテーマとその時の物語のテーマがシンクロしており、古典文学への興味もかきたてます。今回はシンデレラ。
頑張っている何かがあるお子さま、フィギュアスケートが大好きなお子さまにおすすめの少女小説です。
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