【私立探検家学園】探検家になるための学園で大冒険!謎が謎を呼ぶ第2巻【あなたが魔女になるまえに】

わたし、松田コロン。小学五年生。行方不明のおじいちゃんのはからいで「私立探検家学園」と言う風変わりな学校に通ってる。この学校には「実習」と言うのがあって、それが本物の探検なんだ。さて二度目の「実習」は……
この本のイメージ 魔女狩り☆☆☆☆☆ 奇想天外☆☆☆☆☆ 学園ストーリー☆☆☆☆☆
私立探検家学園 2 あなたが魔女になるまえに 斉藤倫/作 桑原太矩/画 福音館書店
<斉藤倫>
詩人。「どろぼうのどろぼん」(福音館書店)で、第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に「せなか町から、ずっと」「クリスマスがちかづくと」「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」「さいごのゆうれい」(以上福音館書店)、「レディオワン」(光村図書)、「あしたもオカピ」(偕成社)、「新月の子どもたち」(ブロンズ新社)」絵本「とうだい」(絵 小池アミイゴ/福音館書店)、うきまるとの共作で「はるとあき」(絵 吉田尚令/小学館)、「のせのせ せーの!」(絵 くのまり/ブロンズ新社)などがある。
<桑原太矩>
1985年生まれ。漫画家。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。2010年「鷹の台フリークス」でアフタヌーン四季賞佳作、2011年「ミミクリ」で同賞準入選。おもな作品に「とっかぶ」(講談社/全4巻)。現在「good!アフタヌーン」で「空挺ドラゴンズ」を連載中。
初版は2022年12月。
「私立探検家学園」は主人公の松田コロンちゃんが、奇妙な学校「私立探検家学園」に通うことになり、学校の「実習」で謎の多い冒険をする物語です。
一応、一話完結の形はとっていますが、大きな流れはあり伏線もありそうなので、1巻から順番にお読みになったほうがわかりやすいでしょう。
第1巻「はじまりの島で」のレビューはこちら↓
今回のお話は……
「私立探検家学園」で学ぶコロンたちに二度目の「実習」の時が訪れました。
課題は「マンドラゴラを持ち帰ること」。
今回、送りだされたのは、中世ヨーロッパらしき場所です。
現地で出会った人々に助けられながらマンドラゴラを探すコロンたち。
ところが森で出会った薬師のミーナが思わぬトラブルに巻き込まれて……
はたして、コロンたちはミーナを助けられるのだろうか?
……というのがあらすじ。
今回のテーマは「魔女」。
コロンたちは、魔女狩りという文化が生まれそうなときに立ち会います。
はたして、「実習」で送り込まれている場所は、どこなのか?
リアルなのか、バーチャルなのか。タイムスリップしているのか?
それもまだまだ謎です。
今回の物語では、第1巻でとてつもないカリスマを持つ存在として登場したアリカ・リヴィングストンの魅力が炸裂します。
最大のみどころはアリカが要所要所で下す決断ですが、彼女の決断の根拠は常に「困っている人は助ける。見過ごさない」という信念に基づいたもので、これが何があってもゆるがないのです。
いいですねえ。女の子の判断基準が「恋」でも「情」でも「損得」でもなく「信念」。
これからも、こんなふうにそれぞれのキャラクターにフォーカスしたお話があるのかもしれません。フローラもコーラも掘り下げるとどんなドラマが出てくるのか、楽しみなキャラクターです。
他にも女の子たちは大活躍。新キャラのコーラ・バレはかっこいいし、常人には見えないものが見えるフローラ・カンナギと言う不思議ちゃんも登場。コロンの親友、流ちゃんも相変わらずいい味出しています。
また、第1巻で少しだけ登場した謎の男ジョン・ソードは今回も登場。一体、彼は何者なんでしょうか。その謎解きも楽しみです。
すべての漢字に振り仮名があるわけではありませんが、難しい漢字はなく、なるべくひらいて書かれており、文章もコロンちゃんの一人称で読みやすいので、小学校中学年から。コロンちゃんが五年生なので、だいたいそこらへんを想定していると思うのですが、4年生あたりから読めるのではないかと思います。
しかし、お話は大人でも楽しめる面白さ。
ゴールデンウィーク、雨が降っておでかけできないときは、おうちで探検家気分を満喫してみませんか。読書は家にいながらにして心を遠くに運んでくれる、現代の魔法です。
「こうじゃなきゃいけない」というルールなんてない、「正解の無い世界」で冒険する少年少女の物語をぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。アクションなどのシーンはありますが、残酷なシーンにならないよう工夫されています。
少女の自己実現や冒険について、真っ向勝負で描いているので、冒険する女の子の話が好きな方にはおすすめです。
ただし、男の子、女の子関係なく楽しめるように書かれています。
読後はおせんべいとお茶でひとやすみ。
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