【コリンのお店びらき】売るって?買うって?物の価値ってどういうふうに決まるのかな。はじめてのフリーマーケットの絵本【小学校低学年以上】

2024年4月10日

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コリンは小学生になりました。もう幼稚園児ではないし、いらないものがたくさんあります。そうだ、フリーマーケットで売ろう!お客さんは来るかな? はじめてのお店で体験することいっぱい。

コリンのお店びらき  ひこ・田中/文 山西ゲンイチ/絵 BL出版

この本のイメージ はじめてのフリーマーケット☆☆☆☆☆ 物の価値とは☆☆☆☆☆ 成長☆☆☆☆☆

コリンのお店びらき  ひこ・田中/文 山西ゲンイチ/絵 BL出版

<ひこ・田中>
1953年、大阪府生まれ。児童文学作家。「お引越し」(ベネッセ/講談社文庫)で椋鳩十児童文学賞、「ごめん」(偕成社)で産経児童出版文化賞JR賞受賞。そのほかの作品に「ぼくは本を読んでいる。」(講談社)や、絵本「レッツとネコさん」などの「レッツシリーズ」(講談社)、評論「ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?」(光文社新書)、翻訳書「さらわれたオレオマーガリン王子」(福音館書店)など多数。児童書書評のサイト「児童文学書評」を主宰。

<山西ゲンイチ>
1971年、長崎県生まれ。絵本作家、イラストレーター。第2回ピンポイント絵本コンペ入選。絵本作品に「ブタコさんのかばん」(ビリケン出版)、「ブルオはいぬごやのした」(岩崎書店)、「こんもりくん」(偕成社)、「カンガルーがいっぱい」(教育画劇)、「みにくいフジツボのフジコ」(アリス館)、「おじいさんのしごと」(講談社)など多数。さし絵の作品に「だれも知らない犬たちのおはなし」(作/エミリー・ロッダ あすなろ書房)などがある。

 かわいい絵本のご紹介です。初版は2019年。

 このサイトでは、定期的に小さな子どもがお金や商売、経済のことを知ることができる本をご紹介しています。というのも、日本の学校ではそのようなことを教わる機会がなく、子どもたちは学校を出るとすぐ経済的な社会にほうり出されてしまうからです。

 経済が人生に与える影響は大きく、何も考えずに生きてゆくことはできませんが、お金や商売が不得手なのが日本人です。小さな頃から「お金とは何か」「ものの価値とはなにか」「手放すとはどういうことか」「得ることはどういうことか」などを知ることができたら、大人になってからの悩みがもしかしたら少しは小さくなるかもしません。

 本日ご紹介する「コリンのお店びらき」は、小さな男の子が小学生になることをきっかけに、幼稚園時代に使っていたものをフリーマーケットに出すことで、「物の価値」について考える物語です。

 幼稚園時代に好きだったもの、思い出のあるもの・・・でももうコリンにはいらないものをとうさんかあさんの隣にシートを広げてコリンは売ります。

 コリンのいらないものを自分のいらないものと交換したいという子がいます。お金にはならないけれど、これは物々交換といって通貨が生まれる前の立派な経済システムです。

 互いにいらないものを交換しているだけなのに、互いが得をしていると言うのがポイント。

 コリンが10円で売ると言うものを20円で買うと言う子もいます。彼にとっては20円の価値があると思ったのです。

 そんなふうにして、コリンは生まれてはじめてたくさんの「トレード」をします。それによって「物の価値」は人それぞれにとって違うことや、自分がいらないものを自分が考えもしないことに使う人がいることも知ります。

 最終的にコリンは自分のいらないものを「目に見えないもの」と交換します。これももちろん、トレードとして成立するものです。

 字は最低限の漢字は使われていますが、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。50音が読めればどなたでもコツコツひとりで読むことが出来ますが、読み聞かせも楽しそうです。

 ふつうに生活していると「物の価値」を深く考えたりはしませんが、このように物語になっていると、人間の価値観は人それぞれなこと、「買い物」とはお金を使うことだけではないこと、「目に見えないもの」も「目にみえるもの」と同じくらい価値があることなどがわかってきます。

 一冊のなかで多くのことを考えられる絵本です。
 今年の春小学校に上がられたばかりのお子さまに。またはお部屋の断捨離をはじめようとしたときに。ひとり読みに、読み聞かせに、プレゼントに。おすすめの一冊です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 物の価値とは、トレードとは、売るとは、買うとは、など多くのことを感じ取れる絵本です。人の価値観はそれぞれであることだけでなく、「目に見えないもの」の価値についても描いている誠実な絵本です。

 

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