【きみのことがだいすき】かわいくてやさしくって……思わず心がほわっほわになる、メッセージ絵本【3歳 4歳 5歳】
この森にはちいさくてふわふわのどうぶつたちがたくさん暮らしています……。つぶらな瞳で彼らは何を話しているのかな？ 耳をすませていると、彼らの声がきこえてくるかも？
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ やさしい言葉☆☆☆☆☆ 心の回復剤☆☆☆☆☆
きみのことがだいすき いぬいさえこ/作 絵 パイインターナショナル
＜いぬいさえこ＞
フリーのイラストレーターとして10年以上活動。現在は「絵でこころに寄り添うこと」を大切に、オリジナルの小さな生き物たちの絵を発表中。
かわいい絵本のご紹介です。初版は2022年。
Twitterでも心温まる絵とことばを発信し続けている、いぬいさえこ先生の絵本です。
物語のようなものはなく、アカネズミ、ホンドタヌキ、エゾナキウサギ、ニホンリス、エゾシマリスなど、ほわほわの動物たちが心温まる会話をしている一場面を集めたメッセージ絵本です。
絵は、ほんのすこしディフォメされたリアル寄り。目がつぶらで愛らしく、表情が豊かです。動物の特徴をとらえ、人間らしい表情を絶妙の配分で混ぜて、あたたかみのある筆致で詳細に描かれています。
小さなお子さまが幼児期に保護者の方からかけられれば自己肯定感がはぐくまれるような言葉も多く、胎教や読み聞かせにぴったり。
親子で読めばお子さまの心が和み、読んでいる保護者の方の心も癒されます。
しかし、ここはあえて、大人の和み本としておすすめしたい。
どの絵も思いやりに満ちて、心が疲れたとき、しんどいときにじわじわとしみこんでくる言葉ばかり。
「子どもの頃にこの言葉ほしかったな」と言うものもあれば、今こそ誰かにかけてもらいたい言葉も。
大人になった自分の心の中にいる小さな子どもが、やさしい言葉の数々で癒されてくれます。
わたしは、このサイトで「大人のための児童書読書」「大人の癒しとしての絵本」をおすすめしています。
誰の心の中にも子ども時代の自分が潜んでおり、楽しかったこと、哀しかったことをおぼえています。
その、一つ一つの記憶が大人になった自分に影響を与えていることがよくあります。
心が疲れたとき、傷ついたときこそ、その「小さなもうひとりの自分」をねぎらい、癒してあげることが大切です。
この絵本にはその効果があります。
頑張っても頑張っても成果が出ないとき、自分ではどうにもならない困難に見舞われたとき、どうにも理不尽な目に遭ったとき……大人の世界には努力と根性だけでは解決できない問題が山積みです。
そんなとき、絵本を読んでひと休みしてみましょう。
お気に入りのマグカップに温かい飲み物をいれて。両手で包むように飲みながら、やさしい言葉がいっぱい詰まった絵本を、一ページ一ページ、読んでいるうちに、じんわりじんわり心がほぐれてきます。
「まあ、人生、いろいろあるよね」と、いい意味で開き直って、すこしずつ元気になってくることも。
「きみのことがだいすき」は、そんなパワーを持った絵本です。
あなたの心の中の小さなあなたを、「きみのことがだいすき」と言ってぎゅっと抱きしめてあげましょう。
明日はきっと、いいことありますよ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
おすすめです。ネガティブな要素はまったくありません。
HSPやHSCのほうがより多くのメッセージを受け取ることができ、癒されるでしょう。
お子様だけでなく、自分への癒しとして、そして、大切な人へのプレゼントにもおすすめの絵本です。
