【ながいながいねこのおかあさん】不条理なのにかわいい!猫好きさんにささげる長い長いねこのおかあさんの絵本【3歳 4歳 5歳】
こねこのおかあさんは、とってもながいねこです。おしりもみえないくらい。ある かぜのつよいひ こねこはふきとばされてしまいました……
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ シュール☆☆☆☆☆ 猫かわいい☆☆☆☆☆
ながいながいねこのおかあさん キューライス/文 ヒグチユウコ/絵 白泉社
<キューライス>
キューライス(Q rais、1985年3月7日 ~ )は、栃木県宇都宮市出身の日本の漫画家、イラストレーター、アニメーター。本名は坂元 友介(さかもと ゆうすけ)。
東京造形大学デザイン学科アニメーション専攻領域卒業。東京造形大学大学院造形研究科デザイン研究領域修了。 キューライスという名前は落語「死神」の呪文、「アジャラカモクレン、キューライス、テケレッツのパー」が由来となっている。
<ヒグチユウコ>
画家。多摩美術大学卒(福沢一郎賞受賞)。オリジナルブランドGustave(ギュスターヴ)を展開。
初版は2020年。
かわいいのだけど、とてもシュール。
不思議な感覚の絵本です。
お話は……
子猫のおかあさんは、とても長い猫。
頭からはお尻が見えません。
ところがある日、子猫はおかあさんの尻尾のほうへ風に飛ばされてしまいました!
さあたいへん。
子猫はおかあさんの顔のほうまでひた走ります。
走っても走っても、おかあさんの胴体が続きます。
途中で疲れておっぱいを飲んだりしながら、子猫は走ります。
もうすぐ日が暮れそうです。
あまりにもおかあさんが長いので、子猫は疲れて泣き出してしまいました。
やがて……
……というのがあらすじ。
幼い子がおかあさんと一緒にスーパーマーケットに買い物に行って、思いがけずはぐれてしまうと、焦りますよね。
そこらじゅうを走り回って必死でおかあさんを探します。
子猫も、そんな気持ちだったのかもしれません。必死でおかあさんの顔のほうへと走り続けます。
おかあさんは、そんな子猫の気持ちをちゃんとわかっていて、さいごはしっぽで子猫をつかまえてくれるのです……。
どこまでもどこまでも走る子猫。
そして、どこまでもどこまでも続くおかあさんの胴体。
おなかがすいたらおっぱいを飲んで、そして疲れ果ててしまったらしっぽが子猫を運んでくれる。
おかあさんのどこまでも続く深い愛情です。
おかあさん猫があまりにも長いので、かなりシュールな絵になってしまっているのですが、読み終わってみるとこの長~いおかあさんのすがたが深い愛情をしみじみと感じさせてくれるのです。
子どもにとって大人の世界とは、こんな感じなのかもしれません。
近所までの道が遠い遠い大冒険に感じられたり、小さな部屋を片付けるだけが大事業に感じられたり。(それは、わたしは今もだ)
おかあさんの長さが愛情の深さ。
文章はすべてひらがな。見開きに一行~二行なので、ひらがなさえ読めればひとり読みで読めます。ただし、これはぜひ読み聞かせで。
子猫とおかあさんの気持ちが両方書かれているので、読み聞かせにぴったり。
また、ヒグチユウコ先生の描く子猫がとびきり愛らしいので、猫好きさんにもおすすめです。
ちょっと不思議でラストは心があたたまる、ほっこり絵本です。
ひとり読みように、読み聞かせに、猫好きさんへのプレゼントに、ぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。子猫がひたすら可愛らしく、母猫の深い愛情が感じられるので、HSCのお子さまにおすすめです。
また、猫好きさんにもおすすめの絵本です。
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