【女の子の昔話】日本に昔から伝わる、強くてかっこいい女の子の昔話【日本につたわるとっておきのおはなし】【小学校中学年以上】

広告

女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし  中脇初枝/再話 唐木みゆ/絵  偕成社

日本の昔話の女の子って、少しかわいそうで哀しくて……いえいえ、そんな話ばかりではありません。これは古くから伝わる昔話の中で、女の子が強くてかっこよくて幸せになるお話を集めたものです。

この本のイメージ 日本の昔話☆☆☆☆☆ 女の子が主人公☆☆☆☆☆ ハッピーエンド☆☆☆☆☆

女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし  中脇初枝/再話 唐木みゆ/絵  偕成社

<中脇初枝>
徳島県に生まれ高知県で育つ。
高校在学中に坊っちゃん文学賞を受賞。筑波大学で民俗学を学ぶ。創作、昔話を再話し語る。昔話集に「女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし」「ちゃあちゃんのむかしばなし」(産経児童出版文化賞JR賞)、絵本に「女の子の昔話えほん」シリーズ、「つるかめつるかめ」など。小説に「きみはいい子」(坪田譲治文学賞)「わたしをみつけて」「世界の果てのこどもたち」「神の島のこどもたち」などがある。

<唐木みゆ>
奈良県に生まれ神奈川県で育つ。東京藝術大学デザイン科修士修了、フリーランスのイラストレーターとして活躍。神話や古典に題材をとって制作活動をしている。

女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし  中脇初枝/再話 唐木みゆ/絵  偕成社

 本日ご紹介するのは、あまり知られていない、「女の子が活躍する」日本の昔話をまとめた短編集です。初版は2012年。

 あとがきで中脇先生も書かれていますが、有名な日本の昔話に登場する女の子は不幸になることが多く、わたし自身も幼いころから大いに不満でした。

 とくに「竹取物語」については、「絶世の美女であっても幸せにはなれない」という強烈な結末に衝撃を受けました。あれが平安時代に書かれた物語なんですからねえ。

 西洋の御伽噺だったら、美しかったらたいてい幸せになるじゃないですか。しかも、かぐや姫は性格も悪くない。(求婚してきた公達に無理難題を言うのは「かぐや姫のほうが身分が低いので遠まわしに断っている」のであって「わがままを言ってる」のではないのです。だいたい、男女でこのあたりの解釈が割れる)

 男の子の「桃太郎」は冒険の旅に出て金銀財宝を手に入れるけど、女の子の「瓜子姫」はだまされて死んでしまう。

 昔話の女の子はあまりにも悲惨だなあ……と、子供のころから思っていましたが、ところがギッチョン、日本には有名はない昔話なら女の子が活躍する話がかなりあるようです。

 これは、そんな、女の子が縦横無尽に大活躍する昔話を集めた短編集なのです。

 「わらしべ長者」は、男性が主人公のお話が有名ですが、女の子バージョンもあるようです。
 よく知られている男性主人公のものは「わらしべ」→「わらしべについたあぶ」→「みかん」→「反物」→「馬」→「屋敷」となるお話ですが、こちらのバージョンは「わら」→「せんべい」→「傘」と続きます。
どうなるのかは、読んでみてのお楽しみ。

 また、「さるかに合戦」みたいな話や、こぶとり爺さんの女の子バージョンみたいな話もありました。

 私が好きなのは、「おかねのはなし」。おかねさんという、無敵の女の人のお話です。かっこいい。こういうお話も日本にあったのですね。

 文章は平易で読みやすく、難しい漢字には振り仮名がふってあるので、小学校中学年から。

 女の子が不幸になる昔話に嫌気がさしてきていたお子さま、賢くてかっこいい女の子が幸せになる昔話が読みたいお子さまにおすすめ。

 お殿様と結ばれてめでたしめでたし、だけではない昔話集です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 日本の昔話特有の、ちょっと怖い描写はありますが、うまくぼかして書かれているので残酷ではありません。 「そういう展開もあるのだな」と前もって身構えていれば平気な子なら大丈夫です。
 元気が出る物語集です。

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告