【魔法の庭ものがたり】夏至の前夜、妖精たちにキャンドルを。ファンタジック・ハーバルストーリー第9巻【フェアリーたちの魔法の夜】【小学校低学年以上】

2024年4月10日

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フェアリーたちの魔法の夜 魔法の庭ものがたり 9  あんびるやすこ/作 ポプラ社

六月の魔法の庭に、妖精たちが集まってきました。ジャレットがみみをすますと、妖精たちの話し声が聞こえてきます。トパーズが妖精たちから請け負ってきた仕事があるようなのですが……

この本のイメージ 夏至の魔法☆☆☆☆☆ 妖精との交流☆☆☆☆☆ 自分を信じて☆☆☆☆☆

フェアリーたちの魔法の夜 魔法の庭ものがたり 9  あんびるやすこ/作 ポプラ社

<あんびるやすこ> 
群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。

 あんびるやすこ先生のハーブとアロマのハートフルストーリー「魔法の庭ものがたり」の第9巻です。初版は2011年。
 このお話は、魔女トパーズの家を「相続魔法」によって相続した少女ジャレットの成長物語。
一話完結で読みやすいのですが、どうしてそうなったのか、最初の設定をお知りになりたい方は、1巻から順番にお読みになったほうがいいでしょう。 

  第1巻のレビューはこちら

 今回のお話は……

 もうすぐ夏至。夏至ではさまざまな催しがあるので、ジャレット、スー、エイプリルはうきうきしています。

 そんなとき、ジャレットのもとにリジーというお客さんがきて「友だちのメアリーを忘れてしまう薬を作ってほしい」と注文します。

 難しい注文に頭を抱えるジャレット。魔法のレシピ本も反応してくれません。

 一方、ジャレットの庭に「妖精の輪」(フェアリーリング)が出現、これは妖精たちが集会をしているはずとジャレットと猫たちは、夜にこっそり「妖精の輪」を見張ります。

 妖精たちの集会は妖精たちがトパーズが昔作ってくれていたキャンドルをどうするかという相談をだったのでした。

 ところが、羽のある小さな生き物たちを見たニップの本能が刺激され、ニップは妖精たちに飛び掛ってしまい……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回は、はじめて「妖精」という超自然的な存在が登場します。
 いままでは、周囲の人々の日常的な困りごとを解決していたジャレットが本格的に魔法の世界へと足を踏み入れるのです。

 傷ついた妖精の羽の修復には、第7巻で登場した「パープル・ローズ・オットー」が活躍します。あれ、伏線だったのですね。

 今回のテーマは「自分らしく。自分を信じて」

 魔女トパーズのあとを継いだとはいえ、ジャレットはふつうの人間。トパーズのようにできるのか、トパーズのように仕事をこなせるのか……いつもジャレットは不安でした。

 でも、今回のできごとでジャレットは「トパーズのようにできなくてもいい」「自分らしくできれば」という境地に達することができます。
 ジャレットもついに一人前のハーブ魔女となったのでした。

 文章は平易で読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってあります。小学校低学年から。
 また、毎回表紙のジャレットのファッションがおしゃれで、ついつい真似したくなるのも魅力。

 今回は、矢車草の花をあしらった帽子に同じブルーのストライプとフリルのワンピース。赤いリボンがアクセントです。

 面白くて、ハーブの知識が得られ、心も成長する━━魅力いっぱいの児童向けファンタジーです。
 もうすぐ夏至。ハーブの魔法を感じながらハーブティーパーティーもいいですね。

※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。悪者が出てこないやさしいお話なので、HSPやHSCにおすすめです。
 「一生懸命、コツコツ努力していれば、いつか自分に自信がもてるようになる」というお話なので、なかなか自分に自信が持てないお子さまにおすすめです。

 読後は青い矢車草の花びらの入ったお茶でティータイムを。

 

商品紹介ページはこちら

 

 

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