【おおにしせんせい】芸術とは、アートとは?心を動かして絵を描こう。【絵本】【4歳 5歳 6歳 7歳】

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おおにしせんせい 長谷川義史/作 講談社

あたらしい たんにんの おおにしせんせいが いった。「こくごのきょうかしょ、しまいなさい。きょうは いちじかんめから ろくじかんめまで ずがこうさく」。心の声に耳を澄ませて絵を描くことを教えてくれる先生の物語。

この本のイメージ 芸術とは☆☆☆☆☆ 絵を描くとは☆☆☆☆☆ 心が動く☆☆☆☆☆

おおにしせんせい 長谷川義史/作 講談社

<長谷川義史>
1961年、大阪府生まれ。イラストレーター、絵本作家。趣味、自転車、ウクレレ、渓流釣り。「おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん」(BL出版)で絵本作家デビュー、「おたまさんのおかいさん」(解放出版社)で講談社出版文化賞絵本賞、「かあちゃんかいじゅう」(ひかりのくに)「いいからいいから3」(絵本館)でけんぶち絵本の里大賞、「ぼくがラーメンたべてるとき」(教育画劇)で日本絵本賞、小学館児童出版文化賞。主な作品に「いいからいいから」シリーズ(絵本館)、「おこる」(文・中川ひろたか/金の星社)、「スモウマン」(文・中川ひろたか)「いろはのかるた奉行」「てんごくのおとうちゃん」(いずれも講談社)など。

おおにしせんせい 長谷川義史/作 講談社

 初版は2019年。
 真正面から「芸術」の本質について表現している絵本です。

 お話は……

 大西先生は新しい担任の先生。
 ある日、一時間目から六時間目までをぜんぶ、図画工作の時間にします。

 生徒に使用を許すのは16号の筆一本。
 パレットは下敷き。水入れはバケツです。

 校舎の好きなところを描いていいといわれた生徒たちでしたが、「ぼく」は茶色でぬったら簡単に終わりそうな廊下を選びます。

 しかし、大西先生に教えられながら一度描いた廊下をもう一度触ったり耳を近づけたりしてみると、たくさんの色が入り混じっていたことに気づくのでした……

 ……と、いうのがあらすじ。

 大西先生は、空は青、りんごは赤、廊下は茶色、というような固定観念で絵を描いていた子どもたちの心を太い筆と下敷きのパレットで解放します。

 最初は大西先生の言うことが理解できなかった生徒たちですが、だんだん感受性を解放して世界からさまざまなことを感じ取り、「心が動く」瞬間を体験するのでした。

 小さなお子さまには、科学が好きな子、物語が好きな子、自然が好きな子、動物が好きな子など、様々な個性があると思いますが、音楽や絵のような芸術に幼いころから惹かれる子も一定数います。

 この絵本は、「絵を描く」ことの本質について伝えてくれる絵本です。

 よく、「四歳くらいまでは天才」なんて言葉を聞きます。
 小学校に上がるまでは太い筆やクレヨンでのびのびと絵を描いていた子どもが、小学校に通うようになって、きっちりとした線で丁寧だけれど縮こまった絵を描くようになってしまう、なんて話はよく聞く話です。
 大勢の子どもたちと一緒に採点されながら描くので「上手に描こう」と気負いすぎてしまうのです。

 大西先生は「絵を描くことは心を動かすこと」と、芸術の原点を子どもたちに教えます。

 すると、ただの茶色だと思っていた廊下が、たくさんの色が入り混じった自分だけの空間であることに「ぼく」は気づくのでした……

 小さな子どもはほめられることが大好きです。

 しかし、「ほめられよう、ほめられよう」とがんばってしまうと、本来自分が描きたかったものとは違うものになってしまうかもしれません。

 下書きをきっちりかいて、はみ出さずに丁寧に塗ろうとか。

 そんなふうに、知らず知らずのうちに固まってしまっていた子どもたちの心が、大西先生の授業で解きほぐされてゆくのでした。

 文章はすべてひらがなですので、50音が読めれば一人で読めます。読み聞かせにもおすすめです。
 かなりボリュームがある絵本なので、ひとり読みするなら小学校低学年くらいから。

 絵が大好きなお子さまに、内向的でいつも絵を描いているようなお子さまにおすすめの絵本です。

 ※この本には電子書籍があります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。
 お絵かきが大好きなお子さまにおすすめの絵本です。

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