【理花のおかしな実験室5】お料理と科学は最高のバディ! ときめきのパティシエ・バディストーリー第5巻【消えたレシピとつながる夢】【小学校中学年以上】
わたし理花! 理科が大好きな小学五年生。クラスメイトのそらくんは秘密の実験の相棒。でもそらくんはフランスに留学して、留守を守るはずの叶さんはいきなりやめて行方不明。いったい、どうしたらいいの……
この本のイメージ お菓子作り☆☆☆☆☆ 理科実験☆☆☆☆☆ 幻のお菓子とは☆☆☆☆☆
理花のおかしな実験室 5 消えたレシピとつながる夢 やまもとふみ/作 nanao/絵 角川つばさ文庫
<やまもとふみ>
福岡県出身で千葉県在住。やぎ座のA型。2019年に第8回角川つばさ文庫小説賞金賞を受賞。趣味は街の散策と野球の観戦。好きなスイーツはホットケーキ。作るより食べるほうが好き。
<nanao>
イラストレーター。6人組エンタメユニット「すとろべりーぷりんす」の公式イラストを中心に活動中。
理科のお料理のときめきフュージョン! サイエンスクッキングストーリー、「理花のおかしな実験室」第5巻、初版は2022年2月です。
お話は第1巻から完全に続いているため、まずは第1巻「理花のおかしな実験室 1 お菓子づくりはナゾだらけ!?」からお読みください。
第1巻のレビューはこちら↓
今回のお話「理花のおかしな実験室 5 消えたレシピとつながる夢」は前回の完全な続きとなります。さて……
そらくんとおじいちゃんはフランスに旅立ち、留守は叶さんが守ることになった洋菓子店フルール。
ところが、叶さんは「幻の菓子」のレシピが書いてあるおじいちゃんの日記を持って行方不明に。
理花は去ってゆく叶さんを見失ってしまう。
駅前にライバル店ができ、フルールは崖っぷち状態。
理花たちは、自分たちだけでせめてアップルパイだけでも売ろうと作り始めますが、試食版を作ったときのようにふんわり仕上がらず……
夏休みも終わろうとする頃、理花のもとに仲間たちが集まり、アップルパイの謎に挑みます。
……と、いうのがあらすじ。
今回は謎めいていた叶さんがついに行動を起こします。はたして、「幻の菓子」のレシピは守れるのでしょうか。そして、フルールの運命は?
今回は、理花ちゃんが理科の知識を駆使して大活躍。
本当に好きなもの、好きなことにまっすぐ突き進んでゆくことができるようになりました。
そして、それを後押ししてくれる仲間たち。
この物語では、「こうじゃなきゃいけない」と言う固定観念や思い込みに対して「そんなことどうでもいい」と繰り返し教えてくれます。
そして、誰かのために何かを作るとき、するときに一番大切なのは、相手を思う気持ちだと。
互いが互いのことを大切に思い、相手のためなら多少の大変さも関係なくがんばれる……そらくんと理花ちゃんは最強のバディです。
何かを目指して前に進むとき、最初は奇異な目で見られがちですがそこを乗り越えると一緒に歩んでくれる仲間が見つかります。何かを目指して歩きたい人は案外多いのです。でも、ひとりではちょっとさみしい。
そんな人たちが力を貸してくれて、前に向かう力が少しずつ大きくなってゆくのです。
お菓子作りが好き、理科が好き、と言うそらくんと理花ちゃんの情熱は仲間たちの結束を強くし、困難を乗り越えるパワーになりました。
学校の勉強やテストに直接関係なくても、みんなで何かをするのは楽しいし、もしかしたら学校の課題より力が出るかもしれません。理花たちの活動はいつも文化祭の前日のような、あの不思議な雰囲気を感じさせます。それはわたしが大人だからかもしれませんが。
文章はそらくんと理花ちゃんの一人称。会話口調で書かれているので読みやすく、すべての漢字には振り仮名が振ってあります。小学校中学年から。
今回は「理花の算数講座」として「平均」の計算方法が書かれていて、知育要素もアリ。
理科の考え方とお菓子作りが素敵に合体した学園ラブコメ。
将来にむけての課題も迫る次巻が楽しみです。
食欲の秋、ときめきのクッキングサイエンスストーリーをぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はひとつもありません。ラブコメ要素あり、知育要素あり、熱い友情もありの盛りだくさんの少女小説です。
読後はリンゴのお菓子でティータイムを。
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