【さむがりやのサンタ】クリスマスシーズンに!さむがりやでへそまがりのサンタさんのクリスマスを描いた絵本【4歳 5歳 6歳】

2024年4月1日

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さむがりやのサンタ レイモンド・ブリックス/作 すがはらひろくに/訳 福音館書店

クリスマスの前日の朝、さむがりやのサンタクロースは朝ごはんを食べ、お弁当を作り、身だしなみをして出かけます。世界中の子どもたちにプレゼントをくばるために……でも、サンタクロースだってたいへんなのです。

この本のイメージ 漫画形式☆☆☆☆☆ サンタクロース☆☆☆☆☆ 働くって大変☆☆☆☆☆

さむがりやのサンタ レイモンド・ブリックス/作 すがはらひろくに/訳 福音館書店

<レイモンド・ブリックス>
レイモンド・ブリッグズ(Raymond Briggs, CBE, 1934年1月18日 ~ 2022年8月9日)は、イギリスのイラストレーター、漫画家、作家。大人向け作品と子供向け作品の、双方で大きな成功を収めた。

<すがはらひろくに>
菅原啓州。翻訳家。1943年東京葛飾生まれ。1966年東京大学法学部卒。中央公論社・福音館書店で雑誌・書籍の編集に従事。

 ちょっととぼけた、楽しくてかわいい絵本のご紹介です。原題はFATHER CHRISTMAS.イギリスでの初版は1973年。人での初版は1974年のロングセラーです。

 クリスマスイブの夜、子どもたちのためにプレゼントを配ってくれるサンタクロース。彼はどんなふうにその仕事をしてくれているのでしょうか。

 そんな子どもたちの疑問に答えてくれる絵本です。

 サンタクロースってどんな人なんだろう?

 いつもニコニコしていて子どもたちのことが大好きで、子どもを見つけたら優しくハグしてくれる気がする。
そして、世界中の子どもたちのことを、ひとりひとりちゃんとわかってくれていて、どんな子にもぴったりのプレゼントを選んでくれる……子どもたちが抱いているのは、そんなイメージ。

 けれど、この絵本のサンタクロースは、ちょっと違う。

 とっても気難しいのです。
 そしてどうやら、もう、寒いのもしんどいのも嫌みたいなのです。お部屋にはカプリやマルタのポスターが貼ってあるし、早く夏になってほしいみたい。

 けれど、決して意地悪じいさんでもなく、飼い犬や猫、トナカイには優しくしていて、動物たちも彼に懐いています。
 仕事だって、どんなに寒くても、雨でもふぶきでも、ちゃんとやる。ぶつくさ言ってもちゃんとやる。

 彼はプロなのです。

 ちょっぴり「ぼやき」が多いサンタさんですが、日本の疲れたサラリーマンにも通ずるところもあり親近感を感じてしまいます。仕事はしんどい、でもやりがいはある。だからやる。みたいな。

 もしかしたら、小さなお子さまがこれを読んでサンタさんの苦労に思いをはせるとしたら、それは、いいことなのかもしれません。

 いつもニコニコ笑って苦労なんてないように見えるサンタさんだって、本当はいろいろあるのです。

 消防士さんや、夜間の警備員さんや、ビルの清掃員さん、夜勤のお医者さんなど、誰かが休んでいるとき、誰も知らないあいだに働いている人たちが実はたくさんいて、その人たちのおかげで世の中は回っています。

 子どもたちがぐっすり眠っている夜のあいだ、サンタクロースとトナカイたちは、寒風の中そりを走らせて子どもたちのために世界中を駆け巡ってくれているのです。

 プレゼントを配り終わったクリスマスの朝の、一仕事終えたサンタさんの晴れ晴れとした顔といったら!

 家族である動物たちにごはんをあげて、自分はあったかいお風呂にゆっくりとつかり、豪勢なご馳走を作ってゆったりと堪能します。たくさん働いたあとの自分へのご褒美です。

 「クリスマスイブの夜、サンタさんはどうしているのかな」と言う子どもの疑問にこたえるだけでなく、働く大人たちの気持ちを存分に表現してくれています。そうそう、働くってこういう感じ。たいへんだし、ぶつくさ言いたくなるけれど、やり遂げたときは気分爽快。

 漫画形式になっているので読みやすく、字は少なくてほぼひらがななので、50音が読めれば誰でも読むことができます。

 クリスマスを待つ小さなお子さまへのプレゼントにもいいですし、大人の和み本としてもおすすめです。
 一生懸命働いてくたくたになったあとの、疲れた心にクスっとした笑いと癒しをくれる絵本なのです。

 働くことのしんどさと喜びを伝えてくれる「さむがりやのサンタ」。
 プレゼントに、自分用に。クリスマスを待つこの季節にぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。ぼやいてばかりのサンタさんですが、動物たちのことは大切にしているし、きちんと仕事はするし、よく読むと素敵な人なのです。

 とぼけた雰囲気でユーモアたっぷりの内容ながら「働くこと」についてもきちんと描かれていて、深いテーマもあります。

 読後は濃い紅茶にミルクをいれてティータイムを。

 

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