【ウィロビー・チェースのオオカミ】架空の世界のイギリスで、少女たちの大冒険! 色あせない名作【小学校中学年以上】

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ウィロビー・チェースのオオカミ ジェーン・エイキン/作 こだまともこ/訳 冨山房

舞台は架空の時代のイギリス。ウィロビー高原に立つお屋敷、ウィロビー・チェースには、小さな令嬢ボニーが優しい父親サー・ウィロビーと大好きな母レディ・グリーンと幸せに暮らしていました。けれどある日、悪魔がやってきたのです……

この本のイメージ 波乱万丈☆☆☆☆☆ 女の子の友情☆☆☆☆☆ ハッピーエンド☆☆☆☆☆

ウィロビー・チェースのオオカミ ジェーン・エイキン/作 こだまともこ/訳 冨山房

<ジェーン・エイキン>
1924‐2004。アメリカの詩人コンラッド・エイキンの娘として、イギリス、サセックスのライで生まれる。5歳のころから物語や詩をノートに書きつけ、十代の後半から作品を雑誌などに発表しはじめる。若くして夫を亡くしたのちに、本格的な作家活動に入る。作品は児童文学だけではなく、大人向きのミステリー、詩、戯曲など多岐にわたり、生涯で約100点の本を出版した。1969年「ささやき山の秘密」でガーディアン賞を受賞

<こだまともこ>
東京生まれ。本名・小玉知子、旧姓・相磯。1964年早稲田大学文学部英文科卒業後、文化出版局に勤務。1967年退社し、翻訳家となる。2008年日本国際児童図書評議会賞受賞。英米児童文学の翻訳のほか、自身で創作もおこなう。

ウィロビー・チェースのオオカミ ジェーン・エイキン/作 こだまともこ/訳 冨山房

 初読です。
 かなり有名な本なのですが、恥ずかしながら未読でした。

 ここ最近に読んだ本のなかで、だんとつで面白かったのでご紹介。最近の本ではありませんので、もしかしたら入手し難いかも。現在、Amazonでは、マーケットプレイスでは手に入ります。もしかしたら、地元の本屋さんにはあるかもしれません。

 原題はThe Wolves of Willoughby Chase. イギリスでの初版は1962年です。日本では最初の翻訳が1975年。新訳が2008年です。Wolves Chronicles(オオカミ年代記)シリーズの第一作目になります。

 「ウィロビー・チェースのオオカミ」はイギリスの架空の時代、ウィロビー・チェースの小さな令嬢ボニー・グリーンと従姉妹のシルヴィア・グリーンが突然の陰謀に子どもたちふたりで立ち向かう冒険小説です。

 わたしたちの幼い頃は、少女漫画で西洋を舞台にしたミステリアスな物語やファンタジーが大流行しました。まだまだ日本は貧しい国だったので、大きなお屋敷やフリルやレースいっぱいのお洋服など外国の豊かな暮らしに憧れがあったのです。

 なので、「イギリスのお屋敷での陰謀、それに立ち向かう無垢な子どもたち」みたいな話は、無条件でわくわくしてしまいます。

 美内すずえ先生の西洋歴史物ミステリーや、萩尾望都先生のファンタジーなどがお好きな方には全力でおすすめの児童文学です。というか、たいへん有名な小説なので、まだ読んでいなかったわたしが恥ずかしいかも。

 しかし、さすがに時を越えて愛される物語だけあって、最高に面白い。

 ストーリーは……

 イギリスの架空の時代。できたばかりの英仏海峡トンネルを使って、オオカミの大群がぞくぞくとイギリスにわたってきていました。

 ウィロビー領にある広大なお屋敷、ウィロビー・チェースで、サー・ウィロビーとレディー・グリーンに愛されて幸せに暮らす小さな令嬢ボニー。

 ロンドンで貧しく暮らしていた従姉妹のシルヴィアがお屋敷にやってくると知り、一緒に暮らすことを楽しみにしています。

 それと入れ替わりに、病弱な母レディ・グリーンの転地療養のためにウィロビー夫妻は屋敷を暫く留守にし、遠縁の家庭教師スライカープ先生に屋敷のことはまかされることになっていました。

 しかし、このスライカープ先生は、とんでもない人だったのです……

 ……と、いうのがあらすじ。

 頼りになる父親と優しい母親がいない、地獄と化したお屋敷で、ふたりの幼いレディたちは必死に理不尽と戦います。

 愛されて、甘やかされて育てられたはずのボニーの、快活で優しく勇気があること! 
 やはり、愛されて育った自己肯定感のなせるわざなのでしょうか。おてんばで、少し考えなしのところはあるけれども、正義感が強くて恐れを知らない。それが逆に頼りになります。

 幼いのにボニーは銃も使えるし、オオカミを撃ち殺すことだってできるのです。内気で怖がりのシルヴィアも、そんなボニーに励まされてみるみる強く成長します。

 対して、お屋敷に乗り込んできた「敵」は、子どもの力では対抗できない巧妙な陰謀で彼女たちを追い詰めてきます。

 このお話の見事なところって、最終的にハッピーエンドになるとわかっていても「どうなるんだろう、どうなるんだろう」と思いながらページをめくる手が止まらないこと。それなのに、ラストが近づいてくると読み終わるのがもったいなく感じてしまうのです。

 かなりボリュームがあるのですが、文章は平易で読みやすくそれほど難しい漢字は使用していません。振り仮名もそれなりにあるので、小説を読みなれたお子さまなら小学校中学年から。
 長い小説を読み始めたのが遅いお子さまの場合は高学年から。
 しかし、面白くて読み応えがあるので、大人にもおすすめです。

 昔のヨーロッパもの少女漫画がお好きな方ならぜひ。

 まだ市場には中古がありますし、小さな本屋さんには置いてある場合もあるので、近くの書店でお問い合わせしてみてください。(お問い合わせが増えると重版される可能性が上がります)

 大人が読んでも面白く、読み応えがあります。

 ジョーン・エイキンを読んだことがなかったのは、やはり不覚でしたね。昔の名作は、長く愛されてきただけあって、とてつもないパワーがあります。

 この小説は「オオカミ年代記」として続編がかなりあり、どれも面白そうなので今後も読み続けるつもりです。(こうして、生きているうちに読まねばならない本が増えるのだ……。ありがたいことに。)

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ボニーとシルヴィアがいじめられるシーンがありますが、気をつけて書かれているので、流血シーンなどはありません。
 理不尽なシーンは続きますが、最後に大逆転するのでスカっとします。

 ドラマチックでわくわくする女の子の冒険小説です。小さな女の子が大冒険するお話が好きならおすすめです。

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