【なんでも魔女商会】ハロウィンシーズンに! おさいほう魔女が大活躍のファッションファンタジー第7巻。【おきゃくさまはオバケ!】【小学校低学年以上】

2024年3月30日

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なんでも魔女商会 7 おきゃくさまはオバケ! あんびるやすこ/作 岩崎書店

ナナは怖がりでおばけが大嫌い。学校で怪談が流行っているせいで、薄暗い森を抜けて「リフォーム支店」に行くのが怖くてたまりません。そんなとき、「リフォーム支店」に意外なお客様が……

この本のイメージ ソーイング☆☆☆☆☆ 魔法☆☆☆☆☆ ハロウィン☆☆☆☆☆

なんでも魔女商会 7 おきゃくさまはオバケ! あんびるやすこ/作 岩崎書店

<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。 

 もうすぐハロウィン。ハロウィンシーズンは魔女もの、魔法使いものを重点的にご紹介しています。

 さて、本日ご紹介するのは、小学校低学年女子に大人気、ドレスをリフォームしてくれる「おさいほう魔女」のシルクとおしゃれ大好きな人間の女の子ナナのコンビの活躍を描く、あんびるやすこ先生の「なんでも魔女商会」シリーズ第7巻。初版は2007年です。

 「なんでも魔女商会」は、基本的に一話完結で、どの巻を読んでもお話は通じるのですが、シルクとナナの出会いが描かれている第1巻を最初に読むほうがわかりやすいでしょう。

  第1巻のレビューはこちら

 今回のお話は……

 学校で怪談が流行っているせいで、怖がりになってしまったナナ。「リフォーム支店」へ向かう森の道が怖くてたまりません。

 そんなとき、「リフォーム支店」にお客様がやってきます。
 シーツオバケのポーとフーという姉弟でした。

 いちばん上の姉、ヒューが結婚することになり、結婚式のフラワーガールに選ばれたのです。フラワーガールとしての素敵なドレスの発注を請けたシルクでしたが、このシーツオバケたちの「シーツ」は難敵でした。

 ふつうの針と糸はすり抜けてしまうし、ふつうの染料では染まらないのです……。

 さて、シルクはこの難題をのりこえ、ドレスを作れるのでしょうか?

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回のテーマはかなりわかりやすく、「怖いものを好きなものに」

 ナナは先入観でオバケを嫌いになっていましたが、相手をよく知れば、恐れる必要もない、かわいい存在だとわかりました。また、オバケにとって礼儀正しい挨拶が人間にとってはそうは見えないという誤解も。

 これって、多様性の物語でもあります。

 生物には未知のものを恐れる本能があります。それは、原始の時代から生き延びるために備わっているもので、未知のものを警戒するからこそ人間は生存競争に勝ち残ってきたわけですから、一概に悪いこととは言い切れません。

 けれども、そうした「怖いこと」を「知ること」で「怖くないこと」に変えてゆくことはできるし、「楽しいこと」や「面白いこと」「好きなこと」にしてゆくこともできます。

 わたしがこのブログで、楽しくゆかいなオカルトファンタジーをおすすめするのもそのため。
 小さな子供のころ、世界は怖いものでいっぱいですが、「物語の力」でそれをひとつずつ、楽しいものに変えてゆくことができます。

 繊細で怖がりのお子さまには、今回のお話はぴったり。

 あんびる作品の魅力は、わかりやすく読みやすい文章、短いお話のなかにしっかりとしたテーマがあるストーリー、登場人物の成長、悪人のいない優しい世界、そして、おしゃれでかわいいイラストです。

 今回のナナは、パンプキン色のパーカー(フーディ?)とチェックのスカート、緑色のハイソックスにパンプキン色のショートブーツ。
 シルクはいつもの黒のドレスと白いメイドエプロンですが、エプロンのすそにパンプキン色のチェックとフリルにパンプキン色のラインが入っているハロウィン仕様です。

 今回のハンドメイドコーナーは既製品の造花を使って作る、コサージュの作り方。お花の形にするところから作るわけではないので、簡単です。

 読むとハンドメイドがしたくなる「なんでも魔女商会」。秋は芸術の秋、創作の秋でもあります。おうち時間に親子でハンドメイドするのも楽しいですね。

 おしゃれ大好き、ハンドメイド大好きなお子さまに、おすすめのファンタジーです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 怖いことや嫌いなものはよく知らなかっただけ、知ってみると好きになるという、大切なテーマが語られています。今、話題の「多様性」のお話でもあります。

 繊細で怖がりなHSCのお子さまにおすすめです。

 お洋服やお裁縫が好きなら、女の子にも、男の子にも。読後は、コットンが淹れたような熱々の紅茶とクッキーでティータイムを。

 

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