【なんでも魔女商会】「雪の女王」の女王はだれ?いちばん星のドレスをつくろう【小学校低学年以上】

2021年4月6日

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なんでも魔女商会3 いちばん星のドレス あんびるやすこ/作 岩崎書店

シルクは、「なんでも魔女商会 リフォーム支店」の店長の「おさいほう魔女」。今回のお客様は、雪の女王のクリスタ。年に一度開催される、「雪の女王の女王コンテスト」で、どうしても優勝したいと言うのです。でも、ライバルは「なんでも魔女商会 お仕立て支店」にドレスを注文したそうなのです。これは負けられない……!

この本のイメージ おしゃれ☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆ 魔法☆☆☆☆☆

なんでも魔女商会3 いちばん星のドレス あんびるやすこ/作 岩崎書店

<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。

 最近は、「お裁縫」って「料理」と並んで特殊技能らしいですね。もう、出来上がった服がお店で買える時代になってから長いですし、主婦の必須技能として必要ではなくなりました。でも、一部の若い人はそんじょそこらの年寄りより上手という……。夏と冬の祭典で衣装を作る方々とか。

 ちなみに、わたしは簡単な繕いくらいしかできません。「大きな森の小さな家」などの古典児童文学で、母さんが子どもの服を全部作っているシーンを見ると、尊敬でひれ伏してしまいます。

なんでも魔女商会3 いちばん星のドレス あんびるやすこ/作 岩崎書店

 そんな現代に、「お裁縫」や「リフォーム」の魅力を伝えてくれる、素敵なファンタジーがこれ。

 女児向けファンタジーの女王(と、わたしが勝手に心の中で呼んでいる)あんびるやすこ先生の「なんでも魔女商会」シリーズ、三作目です。今回のお客様は、「雪の女王」クリスタ。

 この世界の雪の女王は、それぞれの山にひとりいて、現在は365人いるそうです。その中の1人、クリスタは、年に一度開催される、「雪の女王の女王コンテスト」に優勝したくて、主人公シルクの店「なんでも魔女商会 リフォーム支店」にリフォームを頼みに来たのでした。

 このところ5年連続で優勝しているのは、スノーラ。しかも、彼女は今年は「なんでも魔女商会 お仕立て支店」に発注するというのです。「お仕立て支店」は、新品をお仕立てするお店で、シルクの「リフォーム支店」のライバル。
これは、負けられない戦いです……!

 さて、シルクは、クリスタの魅力をいっぱいに引き出せる、素敵なドレスを作れるでしょうか。

 と、言うのが今回のあらすじ。

 あんびる作品の魅力は、おしゃれでかわいいデザイン、魅力的なキャラクター、ほのぼのとしてあたたかみのある挿絵、登場人物の心の成長、誰も悪者のいない世界観、そしてハッピーエンド。

 この「なんでも魔女商会」は、「おさいほう魔女」シルクと、彼女の親友の人間ナナが、様々なお客様の要望を叶えながら、お客様の心の問題も同時に解決するという構成のほのぼのシリーズです。

 今回の雪の女王クリスタは、自分が周囲を凍らせてしまうので人を遠ざけ、1人で暮らしていました。世間の人々も「雪の女王は冷たいやつだ」と嫌っていましたが、実際にお店に来てみると、案外いい人だったのです。

 けれど、クリスタが店の中に入ると、たちまち店内は凍ってしまいます。ふつうの人と雪の女王が共存するのはなかなか難しいようです。

 シルクは、クリスタの魅力を引き出しつつ雪の女王らしいドレスを完成させ、彼女を「雪の女王の女王コンテスト」に優勝させるべく、腕を振るうことを決意。そして、「雪の女王」の固定観念を破り、「純白」以外の色のドレスを作ることにするのです。

 そして、「雪の女王の女王コンテスト」の結果は思わぬ展開に……

 鍵となったのは北極からやってきた、「生きてる毛皮協会」の狐、ブルーアイ。「生きてる毛皮協会」の動物たちは、決められた時間マフラーや襟巻きのかわりをしてくれる、生きている動物たち。
 どうしても毛皮をつけたくないナナの気持ちを尊重し、シルクが発注してくれたのです。

 これが功を奏し、ブルーアイはクリスタと仲良くなりました。ホッキョクギツネには寒さなんてへいちゃら、と言うか、寒いほうが居心地がいいのです。どんな人にも、その人に合った人がいるものですね。

 クリスタをきっかけにして、孤独だった雪の女王たちの心もつながってゆきます。

 「雪とはこういうもの」「雪の女王とはこういうもの」と言う思い込みをドレスという形で壊してくれたシルクのおかげで、雪の女王たちも、「こう生きなければならない」と言う縛りから解放されました。

 そうしたら案外楽しい日々が待っていた、と言うお話。

 ここで、クリスタが「雪の女王」をやめたり、身体をあたたかくしようとしないところがやさしいストーリーですね。
 人は、ありのままでいいのです。
 それが、一見、大多数の人には好かれないイメージだったとしても、そのままでも受け入れてくれる人がいるのだから。

 字は大きく、文章は平易で読みやすく、漢字にはふりがながふってあります。挿絵は、ところどころがフルカラーで、白黒のかわいらしいイラストがふんだんに使われています。そして、なんといっても、シルクたちのお洋服がどれもおしゃれ。

 女の子なら、ぜったいあこがれる要素が、全部盛りで入っています。
 いつもやさしく気遣ってくれて、おいしい紅茶をいれてくれる、「めしつかいねこ」コットンのティータイムは、茶器もかわいいし、お菓子もおいしそう。

 これから寒くなる季節におすすめの本です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。かわいくておしゃれなファッションファンタジーです。シルクのお洋服や、登場するドレスがどれもかわいいので、小さな女の子なら真似して着たくなるかもしれません。猫や狐など、動物たちも表情豊かです。
 小さな女の子へのプレゼントに。読み終わったら、一緒にお裁縫するのもいいかもしれません。

 コットンのいれるお茶があまりにもおいしそうなので、読後はぜひ、はちみつ入りのミルクティーか、シナモンミルクティーでのティータイムを。

 寒い日の午後の読書にぜひどうぞ。

アンデルセンの「雪の女王」はこちら

「なんでも魔女商会」シリーズのレビューはこちら

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