【はるですはるのおおそうじ】三匹のねずみたちの大そうじ。心ほっこりの動物ファンタジー【4歳 5歳 6歳】

2024年4月14日

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はるですはるのおおそうじ こいでたん/文 こいでやすこ/絵 福音館書店

赤い屋根の小さな家に3匹のねずみが住んでいました。春です。今日は春の大そうじ。3匹のねずみは家の中のものをせっせと庭へ運び出していました。(はるですはるのおおそうじ こいでたん/文 こいでやすこ/絵 福音館書店)

この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ ねずみ☆☆☆☆☆ 与えあう心☆☆☆☆☆

はるですはるのおおそうじ こいでたん/文 こいでやすこ/絵 福音館書店

<こいでたん>
小出淡。日本の絵本作家。こいでやすことは夫婦。

<こいでやすこ>
小出保子。1938年、福島県生まれ。桑沢デザイン研究所卒業。 主な絵本に、「きつねのきっこ」シリーズ、「もりのひなまつり」、「ゆきのひのゆうびんやさん」「かさかしてあげる」(以上、福音館書店)などがある。 1986年、「とんとんとめてくださいな」(福音館書店)で、オランダ銀の石筆賞受賞。 2010年死去。

 三月に入りましたので、今日は春らしい絵本のご紹介です。初版は1993年。

 お話は……

 赤い屋根の小さな家に3匹のねずみたちが住んでいました。
 春になったので、家の中のものをすべて外に出して大掃除をはじめたねずみたち。

 そこへ、りすの親子がやってきて「まあ、きれいなカーテン!わたし子供部屋にこんなカーテンをかけたいと思っていましたの」とうらやましがります。

 そこでねずみたちは、りすにカーテンをあげてしまいました。

 次にうさぎたちがやってきて、外に出された鳩時計を見てうらやましがります。
 ねずみたちは、うさぎに鳩時計をあげてしまいました。

 次にきつねのおばあさんがやってきて、外に出されたゆり椅子を見てうらやましがります。ねずみたちは、ゆり椅子をきつねのおばあさんにあげてしまいました。

 次にはたぬきの一家がやってきて……

 ……と、いうのがあらすじ。

 ねずみたちがなんとも人が良く、気前がいいものだから、家の中のものがどんどんなくなっていってしまいます。

 最後は家まで失ってしまうのか……と、心配していたら、あっと驚くハッピーエンド。

 ねずみたちの与える心は巡り巡って、素敵なプレゼントとなって帰ってきました。
 本当の「豊かさ」とはこういうものなのかもしれません。

 文章は平易でわかりやすく、ほぼほぼひらがなとカタカナで書かれています。
 五十音が読めるお子さまならば、ひとり読みでコツコツ最後まで読み切ることができるでしょう。もちろん、読み聞かせにも。

 難しさはまったくない、ほのぼのとした、あたたかいテーマの絵本です。
 この季節にぴったり。

 今は、ここまでのお人よしはいないと思いますが、誰かに親切にしてあげることは最終的に自分の暮らしをとても楽しく豊かなものにしてくれることを教えてくれます。

 3月になったとはいえ、まだまだ寒い日が続きますが、一日も早く暖かでのどかな春が訪れますように。

 こころもあったかくなる、ほのぼの絵本をぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。心温まる、ほのぼのとした動物ファンタジーです。
 ねずみたちがあまりにも気前が良くてお人好しなので前半はハラハラしますが、ラストは素敵なハッピーエンドです。
 与える心が巡り巡って自分の人生を豊かにしてくれることを描いています。

 

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