【こねこのウィンクルとクリスマスツリー 】クリスマスシーズンに! かわいい子猫の夜の大冒険。【4歳 5歳 6歳 7歳】

2024年4月1日

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こねこのウィンクルとクリスマスツリー ルース・エインズワース/作 上條由美子/訳 さとうゆうすけ/絵 福音館書店 

ぶちのかあさんねこと三匹のこねこたちは、台所の箱の中で眠っていました。ある日、広間に背の高いクリスマスツリーが飾られて、こねこたちはびっくりします。かあさんねこは近づかないようにいいつけますが、こねこのウィンクルはツリーにのぼりたくなって……

この本のイメージ クリスマス☆☆☆☆☆ 猫かわいい☆☆☆☆☆ 魔法☆☆☆☆☆

こねこのウィンクルとクリスマスツリー ルース・エインズワース/作 上條由美子/訳 さとうゆうすけ/絵 福音館書店 

<ルース・エインズワース>
イギリス、マンチェスターに生まれた。子どものために二冊の詩集を出版。後に、BBCラジオ番組“Listen With Mother"のために、いくつかの物語を書いた。主な作品に「こすずめのぼうけん」「ちいさな ろば」「黒ねこのおきゃくさま」「ふしぎなロシア人形バーバ」(以上、福音館書店)、作品集に「ねこのお客―かめのシェルオーバーのお話1」「魔女のおくりもの―かめのシェルオーバーのお話2」(河本祥子訳・絵/ともに岩波書店)などがある。

<上條由美子>
1932年、山梨県に生まれる。1955年、東京女子大学文学部心理学科卒業後、1959年、渡米。ニュージャージー州ラトガース大学大学院図書館学修士課程修了。在学中より同州トレントン市立公共図書館児童室に勤務する。現在、大阪YWCA千里子ども図書室代表。翻訳に、「ちいさなもみのき」「ミリー・モリー・マンデーのおはなし」「クリスマスのちいさなおくりもの」「クリスマスのりんご」「はりねずみともぐらのふうせんりょこう」「クリスマスの小屋」(以上福音館書店)、「農場にくらして」(岩波書店)、「絵本を語る」(ブック・グローブ社)などがある。

<さとうゆうすけ>
2008年に初の個展を開催して以後、美しく細やかな画風で注目される。絵本に「ノロウェイの黒牛」(BL出版)、挿絵に「夜の妖精 フローリー」(学研プラス)がある。昔話や童話をモチーフにしたり、木彫、針金、陶器などの立体作品も手掛けている。

 クリスマスシーズンにかわいい絵本をご紹介。
 原題はWinkle and the Christmas tree.

 物語が最初に書かれたのは1961年。それをもとにして、日本で2021年に出版されました。

 おはなしは……

 とあるイギリスのお屋敷で。
 ぶちのかあさんねこは、三匹の子猫と一緒に台所のテーブルの下の箱の中で暮らしていましたが、この子たちが少し大きくなると、お屋敷のなかを散歩するようになりました。

 ある日、玄関の広間に立派なクリスマスツリーが飾られているのを発見します。
 キラキラして美しいツリーに近づいてみたい子猫たちですが、かあさん猫に止められます。

 けれど、子猫のウィンクルはそんなことでは諦めません。
 夜中にこっそり寝床を抜け出して、クリスマスツリーによじのぼりました。

 ツリーのてっぺんには、かわいい妖精のお人形がいて、ウィンクルは妖精と仲良くなります。
 ところが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 やんちゃな子猫が真夜中に妖精のお人形さんと体験する小さな奇跡のおはなしです。

 もう何年も前のことですが、イギリスの妖精画や造形物を展示した「妖精展」におでかけしたときのことです。
 「バッキンガム宮殿のクリスマスパーティーで、クリスマスツリーのトップに飾られていた」という妖精のお人形を見ることができました。
 日本で妖精のことを研究されている井村君江先生がチャリティオークションで入手されたとのことでした。

 詳しい方から「服はザンドラ・ローズで、髪はヴィダル・サスーンなんだって」と耳打ちされたのをおぼえています。
 そのときは「ふうーん」と思っていたけれど、今、よくよく考えると、ザンドラ・ローズって、かなりとんがってますよね。女王さま、お茶目だわ。(でもドレスの形はオーソドックスな妖精らしい、かわいいドレスでした。たぶん生地をデザインされたのだと思う)

 イギリスのクリスマスツリーは、トップに星を飾るだけでなく、杖を持った妖精の女の子を飾る場合もあるのだとその時知りました。

 その時見ることができた妖精のお人形は、この絵本の妖精人形と少し似ていた気がします。ショートカットの髪がおしゃれな妖精さんでした。

 この物語は、やんちゃな子猫のウィンクルが真夜中にクリスマスツリーをよじ登り、てっぺんに飾られている妖精の女の子と仲良くなって大冒険するファンタジー。

 ウィンクルは、無茶をしてとある大失敗をしてしまいますが、妖精さんが助けてくれるのです。

 母猫、子猫たち、ウィンクルのしぐさがとにかくかわいい。
 どのポーズも猫らしく、愛らしく、見ているだけで顔がほころんでしまいます。

 とくに冒頭の、スリッパをゆりかご代わりにしている子猫たちの愛らしさ。
 ストーリーが始まる前から、読んでいる人の心を鷲掴みです。
 また、クリスマスツリーをえっちらおっちらよじ登ってゆくウィンクルのすがたも、たまらなくキュート。

 綺麗に飾ったクリスマスツリーに、猫がよじ登っちゃったりしたら、本当なら大惨事。でも、あまりのかわいらしさに、可愛い無罪となってしまいそうな。そんな絵本なのです。

 猫好きの気持ちをよくわかっています。さとうゆうすけ先生の描くウィンクルのすべてのポーズと表情が、あざとさ寸前のぎりぎりの愛らしさで、これが絶妙。

 文章はひらがなが多くて読みやすいですが、漢字も使われています。ただし、すべての漢字には振り仮名がふってある総ルビなのがありがたい。50音さえ読めれば、ひとりでもコツコツ読めます。

 ひとり読みに、読み聞かせに、大人の和み本に。

 猫好きのお子さま、猫好きのご家庭、猫好きの大切な方に。
 ウィンクルと妖精人形の友情に心温まり、猫たちのリアルでかわいい絵にほっこりする、猫好きさんへのクリスマスプレゼントにぴったりの絵本です。

 この季節にぜひどうぞ!

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はまったくありません。
 母猫も子猫たちも可愛らしく、猫への愛が溢れる絵本です。こねこのウィンクルとクリスマスツリーの飾りの妖精人形との友情に心が温まり、挿絵のかわいらしさに思わず笑顔になってしまいます。

 読後は、熱い紅茶でひとやすみ。

 

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