【パセリ伝説】すれ違うふたりの想いと哀しい別れ。乙女チック貴種流離譚第8巻。【水の国の少女】【小学校中学年以上】

2024年4月16日

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パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory8  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫

ようやく再会した母を失ったパセリは、母を埋葬するために母国に向かうがその惨状に衝撃を受ける。怒りに燃えるパセリとパセリからすべてを奪おうとするミモザ。二人の運命は…… (パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory8  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫)

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 貴種流離譚☆☆☆☆☆ 陰謀☆☆☆☆☆

パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory8  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫

<倉橋燿子>
広島県に生まれる。上智大学文学部卒業後、出版社に勤める。その後、フリーの編集者、コピーライターを経て、執筆活動をはじめる

<久織ちまき>
新潟県生まれ。横浜国立大学工学部で建築学を学ぶが、進路再考のため休学。その間に執筆活動やカットイラストの仕事をはじめ、2000年に『野望円舞曲』(徳間書店デュアル文庫)の挿絵でメジャーデビュー。以後、ライトノベルの挿絵などを中心に活躍。

 今なお多くの少女たちに愛される、乙女チック貴種流離譚「パセリ伝説」。第8巻「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory8」の初版は2008年です。

 このシリーズは一話完結ではなく、お話が1巻から完全に続いていますので、まずは「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」をお読みください。 

 「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 ミモザの行為で最愛の母を失ってしまったパセリ。
 パセリは母を埋葬するためアクア国へと向かうが、そこで目にしたのは荒廃した母国でした。

 憎しみにとらわれたパセリはミモザと対決するべく、ひとりでミモザのもとに向かおうとし、思わぬ事態を招いてしまいます。

 一方、北海道に帰っていたマリモはパセリの家で見つけた不思議なレリーフからパセリの危機を感じ取りパセリを助けようと行動を開始しました……

 ……と、いうのがあらすじ。

 パセリに開花した8番目の能力は遠く離れた人の様子をビジョンとして見ること。しかし、それは彼女には皮肉な結果としてあらわれてしまいます。

 ミラクル・オーの使い手として特別な能力を持つパセリに嫉妬し、あらゆる攻撃をしてきたミモザ。

 しかし、双子のパセリにもミモザと同じように心に燃え盛る怒りを止められないという欠点があることがわかります。やはり、二人は似ているのです。

 そんなパセリを守りたいと願う隼人。しかし、パセリと隼人の気持ちはすれ違ってしまいます。

 ふたりは、そしてアクア国はどうなってしまうのか……

 今回、やはりかっこよかったのはマリモちゃん。
 マリモちゃんはいったんは北海道に戻ったものの、パセリの危機を察知してふたたび彼女と合流すべく行動を開始します。

 物語の開始時に彼女がここまで頼りになるとは想像できたでしょうか。
 「自分の人生でいちばん大切なものは何か」を知ったマリモちゃんは、もう何があっても決してぶれることがありません。

 また、秀人も成長をし始めます。それぞれがそれぞれなりに、こじれた問題を解きほぐそうと奔走するなか、ミモザはパセリに復讐するための計画を着々と進めていました。

 はたして、パセリとミモザはどうなるのでしょうか。そして、パセリと隼人はわかりあうことができるのでしょうか。

 文章は読みやすく、すべての漢字に振り仮名がふってあります。小学校中学年から。
 懐かしの「NHK少年ドラマシリーズ」のような雰囲気があり、大人が読んでも楽しめるファンタジーです。

 乙女心がいっぱいの冒険ファンタジー少女小説「パセリ伝説」。強い女の子の冒険ファンタジーが読みたい方は、ぜひどうぞ。(現在、紙の本は入手が難しいので、電子書籍での購入がおすすめです)

 ※この本には電子書籍もあります  12巻まとめ買いはこちら。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 冒険物語ですが、少女小説なので残酷なシーンやひどい流血描写はありません。

 ただし、ラスト近くの展開はかなりシビアになるらしく、もしも繊細なHSCであっても「そういう厳しい展開になるのだな」と事前に身構えていればOKなお子さまならば、おすすめです。

 

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