【パセリ伝説】双子のプリンセスたちの運命が動き出す。乙女チック貴種流離譚第7巻。【水の国の少女】【小学校中学年以上】

2024年4月14日

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パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory7  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫

人質をとったミモザは次々と過激な手段に出るようになる。一方、ノイ国にたどり着いたパセリは厳しい現実に直面し、ミモザの提案に苦悩する…… (パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory7  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫)

この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 貴種流離譚☆☆☆☆☆ 陰謀☆☆☆☆☆

パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory7  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫

<倉橋燿子>
広島県に生まれる。上智大学文学部卒業後、出版社に勤める。その後、フリーの編集者、コピーライターを経て、執筆活動をはじめる

<久織ちまき>
新潟県生まれ。横浜国立大学工学部で建築学を学ぶが、進路再考のため休学。その間に執筆活動やカットイラストの仕事をはじめ、2000年に『野望円舞曲』(徳間書店デュアル文庫)の挿絵でメジャーデビュー。以後、ライトノベルの挿絵などを中心に活躍。

 今なお多くの少女たちに愛される、乙女チック貴種流離譚「パセリ伝説」。第7巻「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory7  倉橋燿子/作 久織ちまき/絵  講談社青い鳥文庫」の初版は2008年です。

 このシリーズは一話完結ではなく、お話が1巻から完全に続いていますので、まずは「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」をお読みください。 

 「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」のレビューはこちら

 今回のお話は……

 パセリをうらむミモザは、次々と卑怯な手段でパセリを追い詰めようとしていました。

 一方、ノイ国に到着したパセリでしたが、ノイ国はアクア国との同盟を破棄しフラム国と手を結ぶ方向に舵を切ろうとしていました。

 愕然とするパセリ。

ミモザからは、お母さまやじい、ばあやたちの人質と引き換えにある提案がとどきます。
 苦悩するパセリでしたが……

 ……と、いうのがあらすじ。

 今回は、マリモちゃんが一人で奮闘します。
 登場したときはただのいじめっ子みたいに見えたマリモちゃん。この物語の中で一番成長した子かもしれません。

 マリモちゃんは宇宙人や超能力者とかではない、本当にふつうの女の子なのでこんなに頼もしくなってくれると、読んでいる私は年寄なので孫の成長を見るような気持ちになってじーんとしてしまいます。

 マリモちゃんが自分の不思議な体験を信じてもらおうとし、大人は誰も信じてくれないでやきもきするところなどは、同世代のお子さまなら共感するところではないでしょうか。
 そりゃ、現実にはパセリちゃんやマリモちゃんの体験したことみたいな事件は起きませんが、「大人には理解しずらい子ども世代特有の事情」と言うのはいつの時代でもあります。特に今はテクノロジーが日進月歩なので、大人世代が怪奇現象に感じるようなことも現実には起きますし。

 その無理解の壁を正面突破でぶち破ろうとするマリモちゃん。
 こんなに純粋で強い子だったなんて。
 初登場時は「ちょっとウザいモブキャラ」みたいな立ち位置だったのに、かっこいい女の子になりました。

 パセリも、困難を越えて大きく成長します。
 彼女が今回開花させた第7の能力は「自分の身体の中からエネルギーを取り出すこと」。
 悲しみを乗り越えながら前進するパセリは、誰もが幸せになれる未来を切り開けるのでしょうか。続きが楽しみです。

 文章は読みやすく、すべての漢字に振り仮名がふってあります。ボリュームはありますが、小学校中学年から。
 懐かしの「NHK少年ドラマシリーズ」のような雰囲気があり、大人が読んでも楽しめます。

 乙女心がいっぱいの冒険ファンタジー少女小説、強い女の子の冒険ファンタジーが読みたい方は、ぜひどうぞ。

 ※この本には電子書籍もあります。  全12巻まとめ買いはこちら。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 冒険物語ですが、少女小説なので残酷なシーンや流血描写はありません。

 ただし、後半はかなりシビアな展開になるらしく、もしも繊細なHSCであっても「そういう厳しい展開になるのだな」と事前に身構えていればOKなお子さまならば、おすすめです。

 

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