【パセリ伝説】信頼と裏切りと……試練を越える乙女チック貴種流離譚第5巻。【水の国の少女】【小学校中学年以上】
ミラクル・オーのなかで隼人と再会したパセリ。しかし、「秀人が撃たれた」と聞き衝撃をうける。その頃、謎の「赤い鳥軍団」の魔の手はステファンたちにもせまっていた……乙女チック貴種流離譚第5巻。()
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ 貴種流離譚☆☆☆☆☆ 姫たちと王子たち☆☆☆☆☆
パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory5 倉橋燿子/作 久織ちまき/絵 講談社青い鳥文庫
<倉橋燿子>
広島県に生まれる。上智大学文学部卒業後、出版社に勤める。その後、フリーの編集者、コピーライターを経て、執筆活動をはじめる
<久織ちまき>
新潟県生まれ。横浜国立大学工学部で建築学を学ぶが、進路再考のため休学。その間に執筆活動やカットイラストの仕事をはじめ、2000年に『野望円舞曲』(徳間書店デュアル文庫)の挿絵でメジャーデビュー。以後、ライトノベルの挿絵などを中心に活躍。
多くの少女たちに愛された、乙女チック貴種流離譚「パセリ伝説」。第5巻の初版は2007年です。
このシリーズは一話完結ではなく、お話が1巻から完全に続いていますので、まずは「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」をお読みください。
「パセリ伝説 ~水の国の少女~ memory1」のレビューはこちら↓
今回のお話は……
ミラクル・オーのなかで隼人と再会したパセリ。
しかし、「秀人が撃たれた」と聞き衝撃をうける。
はたして秀人は無事なのか?
一方、ステファンの別荘は敵によって炎に包まれ、彼らも北海道に身を寄せることに。
一体何がおきているのか?
戸惑うパセリのもとに、マリモたちがテレビで意外なものを見たと知らせてくるのだった……
……と、いうのがあらすじ。
三巻のラストからアイスランドに移動し、新しいキャラクター、ノイ国のステファン王子とミント姫が登場しました。今回は、ラストに驚くべき新キャラが登場します。
北海道からアイスランド、そしてまた北海道へとダイナミックに移動するこの物語、パセリの不思議な力が次々と開花しています。
第五の力は時空を超える力……。時と場所を超え、ものを見たり声をかけたり出来る力です。
ただ、その不思議な力で何もかもが解決できるわけでもなく、敵国の人々の陰謀や策略に追い詰められてばかり。
パセリの苦難はつづきます。
ただ、そんななかでも、レンゲちゃんやマリモちゃん、清太郎など友人たちとの絆は日々強くなっています。
レンゲちゃんやマリモちゃんはアクア国とは何の関係も無いふつうの日本の女の子たちなのに友情に篤く、次々と起こるとんでもない事件にも対応してくれて心強い友人たちです。
それにしてもマリモちゃんがこんなに頼れる親友になるとは!
今回印象に残ったパセリちゃんの金言はこちら
「あのね、隼人君。古文書のことは、すごくうれしい。でも、わたし、隼人君は、そんなことしなくても、なにもしてくれなくても、生きててくれるだけでいいの」(引用 p116)
そうなんですよねえ。大切な人に求めることって、生きててくれるだけでいいんですよね。
パセリは守られるプリンセスではなく、守るプリンセス。
仲間たちと力強く歩み続けます。
文章は読みやすく、すべての漢字に振り仮名が振ってある総ルビです。
SFやファンタジー、乙女ゲームが好きな子にはおすすめのドラマチック少女小説です。
乙女心がいっぱいの貴種流離譚、強い女の子の冒険ファンタジーが読みたい方は、ぜひどうぞ。
※この本には電子書籍もあります。 全12巻まとめ買いはこちら。
※紙の本は現在、Amazonでは新品は入手困難です。紙の本をお求めの場合は、古書でお求めになるか、図書館、書店にある場合があるので、お近くの書店の書店員さんにお尋ねください。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
冒険物語ではありますが残酷シーンや流血シーンなどはなく、危機的な場面も気をつけて書かれています。
ただし、後半の展開はかなりヘビーなようです。
もしも繊細なHSCのお子さまであっても「そういう厳しい展開になるのだな」と事前に身構えていればOKなお子さまならば、おすすめです。
女の子の冒険物語がお好きなならば、ぜひどうぞ。
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