【おべんとうをたべたのはだあれ】女の子のおべんとうを食べたのは?春にぴったりのほのぼのファンタジー絵本【4歳 5歳 6歳】
小さな女の子が森へ出かけました。かごを下げておべんとうを持って、のいちごをつみに行くのです。夢中でつんでお昼になって女の子がおべんとうを食べようとしたら…… (おべんとうをたべたのはだあれ 神沢利子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド)
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆ 春☆☆☆☆☆
おべんとうをたべたのはだあれ 神沢利子/作 柿本幸造/絵 ひさかたチャイルド
<神沢利子>
1924年、福岡県に生まれ、北海道、樺太(サハリン)で幼少期をすごす。文化学院文学部卒業。詩、童謡、絵本、童話、長編と、児童文学の第一線で幅広く活躍。日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞、日本童謡賞、路傍の石文学賞、巌谷小波文芸賞、モービル児童文化大賞など数多く受賞
<柿本幸造>
1915年広島県生まれ。「どんくまさんシリーズ」(至光社刊)、「おかえりくまくん」(佼成出版社刊)、「ごろりんごろんごろろろろ」(ひさかたチャイルド刊)などの作品がある。小学館絵画賞受賞。
「くまの子ウーフ」の神沢利子先生と「どんくまさん」の柿本幸造先生のペアでお送りする絵本です。初版は1983年。
お話は……
小さな女の子が森へ出かけました。かごを下げておべんとうを持って、のいちごを摘みに行くのです。
森にはのいちごがいっぱい。
女の子が夢中でつんでいるうちに、おべんとうのサンドイッチが誰かに少し食べられていました。
「きっとみちに迷った人がおなかがすいてたべたのね」
女の子は気にせず残ったお弁当を食べました。
翌日も女の子はのいちごを摘みに森へ出かけました。昨日よりたくさんのいちごを摘んでおべんとうのところへ戻ってくると、おべんとうは誰かにはんぶん食べられていました。
「きっときのうとおんなじように、みちに迷った人が食べたのね」
女の子は気にせず残ったおべんとうを食べました。
その翌日も女の子はのいちごを摘みに森へ行きました。
ところが、その日、おべんとうは全部食べつくされていて……
とうとう、女の子は泣き出してしまいました。
すると……
……というのがあらすじ。
女の子がとにかく、可愛くておおらかで優しい。
自分のお弁当が誰かにつまみ食いされたと知って、こんな風に解釈できるなんて、本当にいい子ですね。
そして、女の子のおべんとうを全部食べちゃった犯人はと言うと……
もちろん、「犯人」は無断でおべんとうを食べちゃっただけで逃げたわけではなく、ちゃんと女の子に償いをしてくれます。心優しい「犯人」だったのです。
自分のおべんとうを食べられてしまっても、相手の立場を思いやって許せてしまえる女の子のやさしさとおおらかさ。
そして、食べてしまったおべんとうのお詫びに素敵なプレゼントをもってきてくれた「犯人」。
こころがほっこりとする、やさしいメルヘンです。
字はすべてひらがな。
文章のボリュームは見開きに最大で10行前後なので、ひらがなが読めるお子さまなら、ひとり読みで最後まで読み切ることができます。もちろん、読み聞かせにも。
「だれだろうね?」「どうしてたべちゃったんだろうね?」と謎解きしながら親子で読むのも楽しいでしょう。
春にぴったりの、あたたかな、ほのぼのとしたファンタジー。
この季節の読み聞かせにぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。
神沢先生のやさしい文章と柿本先生のやわらかな筆致で表現された、やさしい世界です。
女の子の他人を思いやる気持ちや、おべんとうを食べてしまった「犯人」の心づくしの「お詫び」に心がほっこりします。
読後はいちごジャムをたっぷりはさんだサンドイッチが食べたくなるかも。お弁当気分でね。
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