【わたしはあかねこ】自分を肯定して自分らしく生きる。赤いねこの物語。【絵本】【3歳 4歳 5歳】

2024年4月10日

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わたしはあかねこ  サトシン/作  西村敏雄/絵  文渓堂

わたしはあかねこ。しろねこかあさんと くろねことうさんから うまれたの……家族とはぜんぜん似ていない、赤いねこ。でも、あかねこは自分の赤い毛並みがとっても気に入っていて……

この本のイメージ 自己肯定感☆☆☆☆☆  自分らしく☆☆☆☆☆ 価値観を押し付けない☆☆☆☆☆

わたしはあかねこ  サトシン/作  西村敏雄/絵  文渓堂

<サトシン>
1962年、新潟県生まれ。広告制作プロダクション勤務。専業主夫、フリーのコピーライターを経て、絵本作家に、作家活動の傍ら、新しいコミュニーション遊び「おてて絵本」を発案、普及活動に力を入れている。現在、大垣女子短期大学客員教授を務める。「うんこ!」(文渓堂)は、第1回リブロ絵本大賞、第20回けんぶち絵本の里びばからす賞、第3回MOE絵本屋さん大賞、第4回子どもの絵本大賞in九州、第5回書店員が選ぶ絵本大賞受賞。

<西村敏雄>
1964年愛知県生まれ。東京造形大学デザイン科卒業。インテリアとテキスタイルのデザイナーとして活動後、絵本の創作を始める。「うんこ!」(文渓堂)は、第1回リブロ絵本大賞、第20回けんぶち絵本の里びばからす賞、第3回MOE絵本屋さん大賞、第4回子どもの絵本大賞in九州、第5回書店員が選ぶ絵本大賞受賞。

 2011年初版の絵本です。

 このサイトでは自己肯定感を高める絵本を定期的にご紹介しています。
 自己肯定感とは、自分自身を欠点や他人とちがうところ、変わっているところもふくめてまるっと受け入れること。

 それは、幼児期に全面的に肯定された経験で育まれます。

 どんな自分であれ「それでいい」とまずは肯定する心です。
 もちろん、人は悪いところをなおさなくてもいいと言っているわけではありません。

 自分が愛されているのは「かわいいから」「役に立つから」「おうちのお手伝いをよくするから」「自慢できるから」「おりこうだから」……などではなく「わたしだから」だと確信できるのが自己肯定感です。

 この自己肯定感が低いと「かわいくないと愛されないのではないか」「役に立たないと愛されないのではないか」「成績がよくないと愛されないのではないか」と様々な不安が心をよぎり、大人になっても苦しむことになってしまいます。

 不幸にして、自己肯定感を高めてくれる環境で育つことができなかった大人も、大人になってからでも自己肯定感を高める絵本を読めば、心の中のイマジナリーな幼年時代の自分が少しずつ癒され、心が楽になる場合があります。

 自己肯定感を高める絵本は大人にもおすすめなのです。

 この絵本のお話は……

 主人公は「あかねこ」。
 しろねこかあさんとくろねことうさんから生まれました。

 きょうだいはくろねこ、しろねこ、ぶちねこ、とらねこです。あかいねこはあかねこだけです。

 あかねこは、自分の赤い毛並みが大好きでしたが、おかあさんもおとうさんも、きょうだいたちも、あかねこを心配してなんとかしようとします。

 白いミルクをたくさん飲んだら白くなるのではないか、黒いさかなをいっぱい食べれば黒くなるのではないか、白い粉をかけたら、黒い泥の中であそんだら、ペンキをかけたら……

 あかねこは自分の毛並みが大好きなので、ありのままの自分を受け入れてくれないことが哀しく、家を出てしまいます。

 そして、一人で遠い遠いところまで旅をして……

 ……と、いうのがあらすじ。

 「赤毛のアン」では、主人公のアンが赤毛を染めようとして緑色の髪になってしまうシーンがあります。コンプレックスなんてないように見える明るくてほがらかなアンでも、赤い髪だけは長らくコンプレックスでした。

 でも、このあかねこちゃんは自分の赤い毛並みが大好き。
 誰になんと言われても、この赤い色がいいのです。強いですね。

 家から遠く離れ、一時はひとりぼっちで寂しい思いをしたあかねこは、最終的には認め合えるパートナを得て、とても幸せになります。

 実家や近所の人々の価値観とはあわず、地元から遠く離れることで自分を認めてくれる人と出会うなんてことは現実にもよくあります。狭いコミュニティのなかでは「変な人」扱いでも、広い世界に出るとユニークで個性的だと認められることもあります。

 「みんなとおんなじじゃない」ことで、ちょっと窮屈な気持ちになっているお子さまや、昔そんな気持ちで苦しんだ大人におすすめの絵本です。

 あかねこの、穏やかでやさしい、微笑をたたえているような独特な表情が魅力的です。

 文字はすべてひらがなとカタカナ。見開きに五行くらいで、50音が読めればひとりで読めますが、ぜひ読み聞かせで。大人の和み本としてもおすすめです。

 おだやかでやさしい、あかねこの表情を見ていると、ふっと心が楽になってきます。セラピー要素も多い絵本です。

 個性的なお子さまへのプレゼントに、読み聞かせに、そして、自分への癒しに、大切なパートナーへのプレゼントに、あかいねこの絵本をぜひどうぞ。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 HSPHSCの方のほうが多くのメッセージを受け取れるでしょう。
 自分を肯定する、力強くてやさしい絵本です。

 

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