【まほうのレシピ】アマプラビデオの名作ドラマシリーズの原作第二巻。魔法のレシピの謎にせまる。【過去から来た魔女】【小学校高学年以上】
魔法のレシピ本で不思議な料理をつくる「料理クラブ」を作ったケリー、ダービー、ハンナ。でも、ある日レシピ本の秘密を意地悪なシャーロットに知られて…… (まほうのレシピ 過去から来た魔女 シンディ・キャラハン/作 林啓恵/訳 イラスト/またよし 竹書房)
この本のイメージ 魔法☆☆☆☆☆ 料理☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆
まほうのレシピ 過去から来た魔女 シンディ・キャラハン/作 林啓恵/訳 またよし/イラスト 竹書房
<シンディ・キャラハン>
20年間製薬業界で働いたのち小説を書く夢を果たし、「まほうのレシピ」でデビュー。同書を原作に制作されたAmazon Prime Videoはシリーズを重ね、大人気を博している。アガサ賞最優秀児童書・ヤングアダルト賞を2回受賞。デラウェア州ウィルミントンに夫と3人の子どもたち、ペットとともに暮らしている
<林啓恵>
薬局の娘として育ち、本に関わる仕事がしたいという夢を叶えて翻訳家に。魔法も料理も謎も大好き。
<またよし>
日本のイラストレーター。1982年生まれ。サークル「システムキッチンぱんつ」を主宰。埼玉県在住。
先日友人から「アマプラでおすすめのドラマある?」と聞かれて、迷わず「まほうのレシピ!」と答えたわたし。
そういえば、あのドラマの原作がもう一冊あったんだったと思い出しました。
本日のご紹介はアマゾンプライムビデオで大人気のキッズ向けドラマシリーズ「まほうのレシピ」の原作第二巻「まほうのレシピ 過去から来た魔女」です。原題はJust Add Magic2 Posion problems. 原書初版は2018年。日本語版の初版は2021年です。
お話は第一巻から完全に続いているので、ご興味のある方はまずは「まほうのレシピ」からお読みになったほうがわかりやすいでしょう。
「まほうのレシピ」のレビューはこちら↓
わたしはこのドラマが大好きでずっと見ていたのですが原作があったと知って大喜びで読みました。原作は第二巻までで、残念ながら続きは出ていないようです。
お話は、12歳のケリー、ダービー、ハンナの仲良し三人組が偶然屋根裏部屋で不思議なレシピ本を見つけ、そこに書いてあるレシピで料理を作ると魔法としかいいようがない現象がおきる、というもの。
魔法には法則があって、特定の産地のスパイスを使わないと魔法が発動しないこと、発動するとスパイスを入れた人間に相応のむくいが起きることなどがあります。
第二巻では、ケリーたちがこのレシピ本がどうしてできたのか、そもそもは誰のものだったかを探索しつつ、身の回りの事件を解決するストーリー。
原作とドラマでは多少の設定の変更はあるものの、それぞれのキャラクターの性格や全体的な雰囲気はそのまま。
翻訳の方がセリフ回しなどをドラマに寄せて翻訳してくださっているせいか、ケリーたちの声が聞こえてきそうです。ダービーなんて最高。
魔法の不思議さを体験しつつも、ちゃんと「魔法で何かを行うと反動がある」という法則があり、その報いを打ち消すには「善行」をしなければならないという児童文学にとっては大切な道徳的側面も描かれていて、素敵なファンタジーになっています。
また、パソコンやスマートフォン、メールなどをデジタルツールを使いこなす今時の子どもたちの生活もリアルに描かれています。これもドラマでも再現されています。アメリカではこんなふうな生活がもう日常なのかしら。
好奇心旺盛な彼女たちは、デジタルツールでまず大まかに調べたことを地元の図書館でさらに深堀する、という調査の手順を心得ており、そんな彼女たちの行動力もわたしのような旧世代の人間から見たら魔法みたい。
昔なら調べるのに何日もかかったものが今だと一週間かそこらで核心に迫れてゆくんだなあ……
もともとお料理は魔法みたいな側面があるので、お料理と魔法の相性は抜群。
次々と登場するお料理やお菓子の描写をわくわくして読みながら、ケリーたちの冒険を追いかけているうちにあっと言う間に読み終わってしまいます。
字はほどよい大きさで、難しい漢字には振り仮名が振ってあります。だいたい、小学校高学年から。
巻末には「ケリーのスペシャル・レシピ」としてこの本に登場するお料理やお菓子のレシピが掲載されており、魔法はかかりませんが本当に作れるようになっているのもうれしい。
野菜のエンチラーダ「ベジ・エンチラディダス」は「パーシー・ジャクソン」でも登場していたからアメリカではポピュラーな料理なのでしょうか。
原作を楽しんだらドラマも見てくださいね。
さわやかで、楽しくて、ほのぼのとた、最高の日常ファンタジーです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。
明るくて楽しい学園クッキング・ファンタジーです。
アメリカの子どもたちのスクールライフを垣間見ることもでき、とても新鮮です。
読後は、ダービー大好物のアイスクリームが食べたくなるかも。
商品ページはこちら←
最近のコメント