【テディ・ロビンソンのたんじょう日】とぼけたクマのぬいぐるみの大活躍!「思い出のマーニー」の作者の描くメルヘンファンタジー。読み聞かせにも【テディ・ロビンソンシリーズ】【小学校低学年以上】

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テディ・ロビンソンのたんじょう日 ジョーン・G・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

テディ・ロビンソンはデボラのたいせつなぬいぐるみ。ちょっとまぬけで、ちょっとナルシストで、でもデボラが大好き。そんなテディ・ロビンソンとデボラのしあわせな毎日です。

この本のイメージ ぬいぐるみファンタジー☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ 小さな女の子あるある☆☆☆☆☆

テディ・ロビンソンのたんじょう日 ジョーン・G・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

<ジョーン・ロビンソン>
Joan Gale Robinson、(1910年2月10日 – 1988年8月20日)はイギリスの児童文学作家。バッキンガムシャー州生まれ。イラストレーターとしての教育を受け、小説とイラストの両方を手がけた。代表作は「思い出のマーニー」「くまのテディ・ロビンソン」など。

テディ・ロビンソンのたんじょう日 ジョーン・G・ロビンソン/作 絵 小宮由/訳 岩波書店

 「思い出のマーニー」で知られる、ジョーン・ロビンソンの子供向けメルヘンファンタジーです。
主人公は、くまのぬいぐるみのテディ・ロビンソン。「クマのプーさん」のようなぬいぐるみメルヘンファンタジーですが、テディ・ロビンソンの持ち主は、女の子のデボラです。

 男の子のクリストファー・ロビンとちがい、デボラはぬいぐるみと一緒に冒険はしないので、もっぱらバレエのおけいこに連れて行ったり、一緒にお茶を飲んだりと、女の子らしい遊びに付き合います。

 デボラはテディ・ロビンソンが大好きですが、テディ・ロビンソンのデボラ愛はそれ以上で、何をみても「デボラがいちばん」に見えてしまうところが、ほほえましい。まあ、テディ・ロビンソンはちょっとナルシストなところがあるので、デボラのつぎにかっこいいと思っているのは自分なんですけどもね。

 人間の子どもはつるっぱげで生まれてきてだだん毛が生えてくるけれど、ぬいぐるみは長年愛されると毛が抜けてくる、と言うくだりが好きです。
古ぼけてくることに誇りがあるんですね、テディ・ロビンソン。

 この本には6つの短編が収録されていて、どれも小さな女の子の日常が生き生きと描かれており、楽しいエピソードばかりです。ひとつひとつ、読み聞かせしてあげるのもいいですし、長いお話を読みはじめのお子様が、すこしずつ読み進めるのにもおすすめです。

 わたしが好きなお話は、テディ・ロビンソンが本になるお話。
最初は家の本棚の本にまぎれて自分が本になったつもりになってていたテディ・ロビンソンが、あれよあれよという間に、ほんとうに本になってしまうお話なのですが、登場する人たちがみんないい人たちで、いい話なんです。

 まず、本になりたいテディ・ロビンソンが自分で本を執筆したいと考え、文章を考えたり詩を作ったりしますがうまくできません。
 デボラがテディ・ロビンソンのために本を作ってあげようとして、家にあるロール紙を同じ大きさに切ろうと頑張りますが、うまくできません。
 困ったデボラがお母さんに聞くと、近所のバンダイク・ブラウンさんならたくさん本をつくっていらっしゃるからきいてごらんなさいよ、とアドバイス。
 お母さん、ちょっとすごいですよね。いきなりここで本職に頼れと言います。もしかしたら、バンダイクさんが短時間、デボラと遊んでくれたらいいなと思っていただけかもしれません。

 でも、このバンダイクさん、どうやら子供のための絵本を作っている方だったらしく、子どもにもぬいぐるみにも親切な人でした。バンダイクさんは、快くテディ・ロビンソンのために絵を描いてくれ、物語も(どうやらデボラのお話をヒントにして)原稿用紙に何枚も書いてくれました。

 それが最終的に、本物の本になってしまいました、と言うお話です。

 このお話の魅力って、登場人物が誰一人として「なにばかなこと言ってるの」って言わないところなんですよ。それを言わないで、みんなが本気で頼まれたことをがんばるだけで、あれよあれよと、とてつもないことになってしまう。
 世の中、こういうふうだったら、もっともっと、楽しくて素敵なものがたくさん生まれてくるんだろうなと、気づかされます。

 テディ・ロビンソンは大好きなデボラの次には自分が大好きという、ちょっとナルシストなぬいぐるみなので、物語の中でドジな失敗をしても、まったくめげません。
 そして、愛嬌もあるので、ほかのぬいぐるみたちや動物たちにも愛されていて、いつも幸せです。

 字は程よい大きさで文章は平易で読みやすく、各章の最後に「このおはなしはここでおしまいです」と書かれており、小さなお子様が混乱しないようなつくりになってます。
 少しボリュームがありますが、内容的にはお人形遊びをする年齢の女の子が主人公なので、小学校低学年の女の子が少しずつ読むのにおすすめの本です。もちろん、読み聞かせなら幼稚園から。

 小さな女の子のお誕生日プレゼントに。男の子なら、テディ・ロビンソンが小さな男の子そのまんまなので、テディ・ロビンソンの気持ちになって読むと楽しいでしょう。

 面白くて、楽しくて、ちょっとクスっとする、メルヘンファンタジーです。
 テディのやんちゃ具合が、プーさんよりはやんちゃで、パディントンよりはお行儀がよいと言う感じ。
 プーさんでは物足りず、パディントンではやんちゃすぎるとお感じの方には、テディ・ロビンソンがおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。明るくて楽しいメルヘンファンタジーです。テディ・ロビンソンのポジティブぶりがすがすがしいほど突き抜けているので、内向的な方は読むとスカッとすると思います。
 イギリス児童文学の恒例で、お茶のシーンがとてもおいしそうなので、読後はおいしい紅茶とお気に入りのお菓子をご用意ください。子供心を思い出させてくれる、かわいい短編集です。

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