【はるのおくりもの】冬を知らない友だちと春には再会できる!心がほっこりする動物ファンタジー。【4歳 5歳 6歳】
カエルが水遊びをしていると、キツネとウサギの話し声がしてきました。二匹は冬にふる雪の話をしています。雪をしらないカエルは……(はるのおくりもの せいののりこ/作 日本標準)
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 雪を見たいカエル☆☆☆☆☆ 春の喜び☆☆☆☆☆
はるのおくりもの せいののりこ/作 日本標準
<せいののりこ>
広島県生まれ、東京都在住。イラストレーター。植物のイラストを多く描き、企業カレンダーや園芸関連の雑誌・書籍などにイラストを寄稿している。
あとさき塾で絵本について学び、本書がはじめての絵本作品となる。
この季節にぴったりの可愛らしい絵本をご紹介。初版は2024年です。
お話は……
水遊びをしていたカエルは、キツネとウサギが雪について話をしているのを耳にします。雪を見たことがないカエル。
三匹は仲良くなって、冬になるまで一緒に遊ぶことにしました。
ところが、だんだん寒くなり、冬になるとカエルは動かなくなってしまいました。
カエルが死んでしまったと悲しんだキツネとウサギはカエルのお墓を作りますが……
……と、いうのがあらすじ。
冬を知らないカエル。
そして、カエルが冬眠することを知らないキツネとウサギ。
眠ってしまったカエルのために、キツネとウサギはせいいっぱいのお墓を作ります。
知らない者同士だったはずなのに、ここまで思いやれる関係になっていたんですね。
そうして、春になったら目を覚ますカエル。
死んだはずの友だちが生き返って、キツネとウサギは大喜びです。
動物ファンタジーは生態系を無視しているところがあるので、捕食関係にある動物同志が友だちになるなど、ありえない設定があります。
これは、多様な人間の比喩だったりする絵本ならではの手法なので、「こんなのおかしい」と言うお子さまがいたら(その視点はすばらしい)ご説明いただけたらと思います。
生まれも育ちもちがいすぎる三匹がカエルの「雪を見てみたい」「カエルに雪を見せたい」という気持ちで熱い絆で結ばれます。
ラストは雪そっくりの花吹雪……
カエルは雪をみることはできないけれど、親友たちと一緒に春の訪れを喜ぶことができました。
出会いって不思議です。
「雪ってなあに」とカエルが話しかけなければ、こんなに素敵な友情は生まれなかったかもしれません。
でも、ほんのささいなことから生まれる何かがあるのが人生なのかも。
字はすべてひらがなとカタカナ。ボリュームとしては見開きに最大で12行前後。読みやすいので、五十音が読めればひとり読みで読み切ることができます。
もちろん、読み聞かせにも。
抜群の画力も魅力で、ラストシーンの美しさは必見。
心がほっこりとする、春にぴったりの絵本です。
この季節の読み聞かせにぜひどうぞ!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
おすすめです。ネガティブな要素は全くありません。
美しい絵とほのぼのとした心温まるストーリーで構成された愛らしい絵本です。
動物が大好きなお子さまに。愛らしいもの、かわいいものがお好きなお子さまに。
春の読み聞かせにぴったりです。
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