【私立探検家学園】探検家育成学園の謎とは?! 新たな展開を見せる第3巻。【天頂図書館の亡霊】【小学校中学年以上】
行方不明のおじいちゃんのはからいで奇妙な学校「私立探検家学園」に通うコロンももう二回生。学園や「実習」の謎も気になってきた。さて、今回の実習は……?( 私立探検家学園 3 天頂図書館の亡霊 斉藤倫/作 桑原太矩/画 福音館書店 )
この本のイメージ パラレルワールド☆☆☆☆☆ 奇想天外☆☆☆☆☆ 学園ストーリー☆☆☆☆☆
私立探検家学園 3 天頂図書館の亡霊 斉藤倫/作 桑原太矩/画 福音館書店
<斉藤倫>
詩人。「どろぼうのどろぼん」(福音館書店)で、第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。おもな作品に「せなか町から、ずっと」「クリスマスがちかづくと」「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」「さいごのゆうれい」(以上福音館書店)、「レディオワン」(光村図書)、「あしたもオカピ」(偕成社)、「新月の子どもたち」(ブロンズ新社)」絵本「とうだい」(絵 小池アミイゴ/福音館書店)、うきまるとの共作で「はるとあき」(絵 吉田尚令/小学館)、「のせのせ せーの!」(絵 くのまり/ブロンズ新社)などがある。
<桑原太矩>
1985年生まれ。漫画家。北海道札幌市出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。2010年「鷹の台フリークス」でアフタヌーン四季賞佳作、2011年「ミミクリ」で同賞準入選。おもな作品に「とっかぶ」(講談社/全4巻)。現在「good!アフタヌーン」で「空挺ドラゴンズ」を連載中。
本日ご紹介するのは「私立探検家学園 3 天頂図書館の亡霊」。初版は2023年10月です。
「私立探検家学園」は主人公の松田コロンちゃんが、奇妙な学校「私立探検家学園」に通うことになり、学校の「実習」で謎の多い冒険をする物語です。
一応、一話完結の形はとっていますが、大きな流れはあり伏線もありそうなので、1巻から順番にお読みになったほうがわかりやすいでしょう。
第1巻「はじまりの島で」のレビューはこちら↓
今回のストーリーは……
私立探検家学園(Private Explorer School・通称PES)の二回生になったコロンたち。少しは学園に慣れてきたものの、まだまだ学園には謎がいっぱい。
学校のカリキュラムをこなすだけでせいいっぱいだったコロンたちも、部活動を始めたりとそれぞれ交流するようになります。
しかし、謎多いPES.
いったい「実習」で送り込まれている場所はどこなのか、学園はなんのために作られたのか…… コロンたちはその謎に引き寄せられてゆきます。
そんななか、コロンは些細なことで流ちゃんとけんかをしてしまい、気持ちがすれ違ったまま、「実習」に突入してしまうのでした……
……と、いうのがあらすじ。
今回のお話では、PESの謎、「実習」の謎が少しだけ明かされようとします。明かされるというより、コロンたちがその謎の入り口にすこしだけ触れる、と言う感じ。
また、コロン以外のPESの生徒たちの生い立ちやバックグラウンドも少しだけ語られます。
一見、華やかに見えて過酷な事情を抱え乗り越えてきたクラスメイトたちの過去を知り、コロンは愕然。
しかし、このお話は表面的な印象をあとで裏切る展開で何度も驚かせてくれるため、今、平凡で幸せな家庭に育ってきたように見えるコロンにも、あとで何か出てきそう。
ひとつのものやことは、見る角度や方向が違うとまったく違う解釈が生まれてしまうこと、その人にとって完全な善意でも相手にとっては害になりえること、正しいと思っていたことももしかしたら危険をはらんでしまっているかもしれないこと……
今回のお話では繰り返し繰り返し、ひとつのものの見方は一通りではないことが語られます。
それと同時に、個性豊かなPESの仲間たちの魅力が次々と開花。
アリカのような目立つ存在ではなくても、さすがはPESの生徒たち。それぞれの特技を生かして困難を乗り越えます。
すべての漢字に振り仮名があるわけではありませんが、難しい漢字はなく、なるべくひらいて書かれています。
文章もコロンちゃんの一人称で読みやすいので小学校中学年から。コロンちゃんが5年生なので、だいたいそこらへんを想定していると思うのですが、4年生あたりから読めるのではないかと思います。もちろん、お話は大人でも楽しめます。
寒い季節のおうち時間に、じっくり読んで楽しめるSFファンタジー。
「正解の無い世界」を冒険して切り拓くフロンティア少年少女たちの冒険物語をぜひどうぞ!
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ネガティブな要素はありません。アクションなどのシーンはありますが、残酷なシーンにならないよう工夫されています。
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読後はおせんべいとお茶でひとやすみ。
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