【ラビーニアとおかしな魔法のお話】抱腹絶倒のバカ童話。子供のストレス解消に!くだらなくて最高に面白い、ファンタジック児童文学です。【入手困難】【重版希望】【小学校中学年以上】
孤児のラビーニアは、クリスマスなのに、今日食べるものも寝るところもありません。ところが、突然、妖精がやってきて、あるプレゼントをくれるのです。
この本のイメージ バカバカしい☆☆☆☆☆ 爆笑☆☆☆ そうきたか☆☆☆☆
ラビーニアとおかしな魔法のお話 ビアンカ・ピッツォルノ/作 エマヌエーラ・ブッソラーティ/絵 長野徹/訳 小峰書店
ええと、またしても、市場にない本のご紹介です。古本か、図書館でお探しください。
現在、図書館は全面休止、閲覧休止で貸し出しのみ(図書カードは作れる)、開館、の三種の形態があるようです。良かったら、探してみてください。(2020年3月3日現在)
ていうか、ひなまつりにこんな童話かよ、自分!
世間が重苦しいので、こういうのいいかなと思って選んでみましたが……抱腹絶倒のバカファンタジーです。
これは、イタリアからやってきたファンタジー児童文学なんですけど、もうなんだか、やるなイタリア、としかいえないと言うか、どうしたらこういう発想できるかなという天才的な話でございます!
ラビーニアは貧しいマッチ売りの少女。世間はクリスマスだと言うのに、親も身内もいない、住むところや寝るところ、食べるものもありません。
このまま死んでしまうかな、と朦朧としているところに、タクシーから青いドレスを着た不思議な女性が降りてきて、彼女に話しかけるのです。
この女性、自称妖精。そして、ラビーニアに不思議な指輪をくれるんですね。
それは、「あらゆるものをウンチに変える魔法の指輪」。
「指輪はもう、あなたの指からはずれないの。なくそうったてなくせないわ」妖精はいいました。「でもいいこと。その指輪は、あなたが考えているほどつまらないものじゃないわよ。それどころか、その反対よ!頭を使ってごらんなさい。そうすれば、この指輪の力でどれほどのことができるかわかるわ。ただ、ちょっとばかり知恵を働かせればいいの」(引用)
おいおい、善意なのかよ!
まあ、例に漏れず、妖精の善意なんてこんなもんですね。さて、ここからラビーニアの大冒険が始まります。
これ、作者のビッツォルノさんが「小さなおともだち」のために作った即興話なんだそうです。子供って、なんでかわからないですけど、ウンチとか好きですよね。
だからって、こりゃ思い切った話を創ったなあという感じです。
振り切れてます。
ただ、あの時期の幼児がウンコ、ウンコと言うのは、いい大人がクソとかクズとか言うのとは違って、幼児期の情操上非常に重要なストレス解消らしいので、この童話はストレスが多い状態のお子様には癒しになるかもしれません。(読み聞かせをする親御さんには別のストレスがあるかもしれませんが…)
けっこうムチャクチャな話で、でも、一応ハッピーエンドなので、安心してお読みください。
文章は平易で読みやすく、テンポよく、話はスピーディですいすいと読めます。お子様が自分で読むなら小学校中学年以上ですが、読み聞かせなら幼稚園くらいから大丈夫でしょう。この方はイタリアでは大人気作家で(そりゃそうでしょう)、日本でも他にも何冊か出版されています。
幼児には大人よりずっと大きな心理的効果がある本なので、ぜひ、重版か電子化希望です!
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
レビューをお読みいただければおわかりの通り、繊細な方にはおすすめできません。でも、「いや、前もってわかっていれば大丈夫よ」と言う方になら、おすすめです。
教訓的なところはありますが、あえて教訓は拾わないで笑ってください。
面白いことは確かです。
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