70年代、80年代にアメリカで絶大な人気を誇った児童小説!子供と魔女の楽しい大冒険!読み聞かせにもおすすめです。【小学校中学年以上】

2024年1月21日

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魔女とふしぎな指輪 魔女の本棚1 ルース・チュウ/作 日当陽子/訳 たんじあきこ/絵 フレーベル館

ウォルトとシャーロットは仲良し姉弟。ある日、大通りのガチャガチャで、不思議な指輪を当てるのです。それは、どんな指にもぴったりはまる指輪で…

この本のイメージ 楽しい☆☆☆☆☆ 不思議☆☆☆☆☆ ちょっぴり冒険☆☆☆☆

魔女とふしぎな指輪 魔女の本棚1 ルース・チュウ/作 日当陽子/訳 たんじあきこ/絵 フレーベル館

 児童小説には、大人向けの小説とはちがい、純粋に物語を楽しむだけでなく、「長い文章や物語を読む練習」としての役割があります。子供の頃に、長い文章や物語を読みこなす力を蓄えておくと、大人になったときの読解力や理解力に差がでてきます。

 けれど、トレーニング的な側面がある場合、内容が複雑だったり暗くて辛い要素があると、どうしても先に進めません。長いお話を読み始めたばかりの子供には、読書をするときに大人からは想像もつかないくらいの「がんばる力」を出さないと、まだまだお話は読めないのです。なので、子供が「長いお話に触れる初期」には、「読む」こと自体が楽しめて、面白くて先へ先へと読みたくなる、毒の少ない話が必要になります。


これは70年代、80年代にアメリカの少年少女に熱狂的に愛された児童小説らしいです。当時、「ルース・チュウを嫌いな子に会ったことがない」と言うレベルだったそう。

 姉のシャーロットと弟のウォルトがにぎやかな通りで「お楽しみチキン」と言う、たくさんの卵が入ったガチャガチャに出会います。やってみたいなとウォルトが思っていたら、都合よく硬貨が落ちていたので、回してみたら、出てきたのが小さな指輪。

 その指輪は、小さな指にも大きな指にもはまる、不思議な指輪で、はめているとだんだん、ものすごい力が宿っていると気づくのでした……。

 一言で言うと、日常に不思議な生物や不思議な出来事が流入してくる系の話です。ハリー・ポッターのような強大な敵と戦う話ではありません。この時代に絶大な人気と言うと、当時日本では、ドラえもんをはじめとして、空前の藤子不二雄ブームでしたから、日本とアメリカで似たような現象が起きていたのかもしれませんね。

 パパとママはぜんぜん気がついていないけど、子供たちの世界には魔法が満ちていて、不思議な冒険の日々を送っています、と言う世界観です。「ドラえもん」とかだと、大人もドラえもんの存在を認識しているけど、このお話では大人は魔法も魔女も指輪のことも、なにも気づいていません。

 海外の子度向けファンタジーにはよくある展開なのですが、この、「大人の知らない真実を自分たちだけが知っている」と言う、子供らしい優越感がたまらないんでしょうね。

 このお話に出てくる魔女は、実は魔女世界でいじめられっ子でした。子供たちは指輪と冒険をしながら、いじめられっ子の魔女を助け出します。

 楽しくほのぼのとした話の中にも、ちょっとしたテーマとかメッセージみたいなものはあって、「あまりにも堅苦しくルールに縛られるのではなく、楽しいことしてみようよ」、とか、「いじめコミュニティからの脱出」とか、子供たちの等身大の悩みが含まれてます。

 文章は平易で読みやすく、丁寧にルビがふってあるので、かしこい子なら小学校低学年から、読み聞かせでもそれくらいから読めると思います。
登場人物も多くないので、そんなに混乱しないでしょう。小さなお子様が、はじめて本格的な長い小説に挑戦するなら、この本はおすすめです。

 読み終わったとき、「ああ、楽しかったな」とシンプルに思える児童小説です。堅苦しい教訓やテーマはないので、長い文章や小説を読む練習には最適だと思います。小さな章に分かれているので、読み聞かせにも向いています。読書に意欲を持ち始めた小さなお子様には、ぜひ。

 「魔女の本棚」はそれぞれ、主人公が違うべつの話なのだそうなので、他の話も読むのが楽しみです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。アメリカの藤子不二雄と言う感じです。かわいくて、ほほえましい、日常ファンタジーです。繊細で敏感なお子様にも何の心配なくおすすめできます。気持ちを盛り上げるためには、ピーナッツバターとイチゴジャムのサンドイッチと、紅茶かレモネードをご用意くださいね。

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