【読書と子育て】読書と学力の相関関係。成績の上がる「本の読み方」は?

2024年2月17日

広告

「本の読み方」で学力は決まる

成績がクラスでビリから数えたほうが速かった学生が、一念発起して夏休みに大量の本を読んだら、夏休み明けにトップクラスに!なんて伝説を、今までに何度か聞いたことがあります。本当かしら?って半信半疑でしたが、最近読んだ複数の本から、「どうやら本当らしい」と思うようになりました。

今回は、確かなエビデンスに裏づけされた、この本のレビューです。

「本の読み方」で学力は決まる -最新脳科学でついに出た結論- 松崎 泰/著  榊 浩平/著  川島 隆太/監修 

<松崎泰> 東北大学大学院教育学研究科修了。同大学加齢医学研究所助教。博士(教育学)。 
<榊浩平> 東北大学大学院医学系研究科博士課程在学。日本学術振興会特別研究員。

東北大学加齢医学研究所の研究チームの研究結果をもとに、読書と学力について書かれた本。

仙台市内の小学校中学校で、平成22年から、約7万人のデータを取り、 読書週間と学力の関係について調査した研究結果から書かれた本です。 しっかりとしたエビデンスがあり、信頼できると感じました。

さて、そんなデータから導き出された、小学生の最適な読書時間がこちらです。

小学生の読書時間は、30分から1時間が最適。

それ以上の読書時間の子供はだんだん 学力が下がっていくデータもあることから、二時間以上子供が本を読むためには、他の二学習時間や睡眠時間が犠牲になってしまうのだと思われます。

どうあっても、人の一日は24時間しかありません。わたしも小学生の頃、好きな本を読んでいて徹夜してしまったことがあります。子供の集中力はすごいので、夢中になると身体を休める大切な時間を犠牲にしてしまうことがあるんですね。

ハッピーエンドの童話は子供をポジティブにする

そうそう、興味深いコラムがあったんですよ!
小さな頃から、ハッピーエンドのストーリーをたくさん読んできた子供はポジティブになるというデータがあるそうです!(ただし、元ストーリーの展開を知らないで読む場合に限る)

これ、地味にすごいことだと思うのです。感受性が鋭くて傷つきやすいお子さんでも、ハッピーエンドの童話をたくさん読ませることで、前向きな性格に育てることができるってことが科学的に証明されてるってことじゃないでしょうか。

ハッピーエンドの童話だけでなく、勧善懲悪の日曜朝のアニメや特撮もきっと同様の効果が期待できますね!ヒーローが子どもの心を育てるのは、本当だったのですね。

ファンタジーや推理小説は、脳の様々な部分を使うので、脳を発達させる。

これもうれしいですね~!
昔から「くだらない」「現実逃避」などと言われてきた、SFやファンタジー、推理小説などの読書に、脳にたいへん有益な効果があるというのは喜ばしいことです。 これからも、どんどん読んでいきたい!以前の記事でも、ライトノベルを読んでいるうちに成績が上がった学生の話を書きましたが、古い大人が馬鹿にしている小説ジャンルには、どうやら侮れない効果があるようですよ。

紙の本と電子の本、どちらがいい?

紙の本はかさばり、保管しておくためには部屋に大きな本棚が必要になります。それに対して、電子書籍は手軽に大量の書籍を端末に保存できるという点ではすばらしい。でも、 スマホなどの端末で読書していると、そこにメールやSNSで呼び出されて中断されたり、マルチタスク状態になってしまう。

マルチタスクと言うのは、どうやら子供の脳にはかなり負担がかかるらしいのです。それだけでなく、せっかく読書に集中していたのに中断されてしまうのはもったいない。

このような弊害から遠ざけるためには、いまのところは紙の本のほうがいいのかもしれません。

たくさん本を読む子供は脳神経が発達していくので読解力以外の能力が あがる。

本を読んで得られる効果は、「読解力」だけではないようです。想像力、予測力、推理力、発想力など、様々な脳の能力が向上していくようです。

そのためには、図鑑や参考書のような本だけでなく、物語や絵本、漫画も有益なようです。漫画が有益!これはうれしい研究結果ですね。とくに、漫画のオリジナリティあふれる擬音には、さまざまな有益な効果があるようです。(荒木先生、ありがとう……!)

また、親子で行う「読み聞かせ」では、親子ともども脳が鍛えられ、子供の脳は発達し、親の育児ストレスが低下するというデータが出ています。 大人が子供に読み聞かせをしてあげることで、大人の脳の認知能力も、向上するようです。

さまざまな興味深い研究結果が書かれているので、ぜひ、実際に読んでみてくださいね。ファンタジーや漫画を読んでいて、ご両親に文句を言われたりする学生さんは、この本をそっとリビングのテーブルの上に置いておくのもオススメです。

これって、親だけでなく、祖父母が孫に読み聞かせをするのも効果があるんじゃないでしょうか。世代を超えたコミュニケーションができるだけでなく、それぞれの脳に有益な効果があるとしたら。

読み聞かせには、たくさんの可能性がありそうですね。

 

読み聞かせに興味のある方はこの記事もどうぞ

おすすめ児童文学ベストセレクション

お気に入り登録をしてくださればうれしいです。また遊びに来てくださいね。
応援してくださると励みになります。

にほんブログ村 本ブログへ

広告