【つるばら村】小さな村のパン屋さんには、不思議なお客様がやってくる?森の動物たちと、パン屋さんのほのぼのファンタジー。【小学校中学年以上】

2024年1月26日

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つるばら村のパン屋さん 茂市久美子/作 中村悦子/絵 講談社

くるみさんは、つるばら村で宅配のパン屋さんをしています。おいしいパンで、みんなを笑顔にしたいくるみさん。そんな彼女の元には、いっぷう変わったお客さんがやってくるのです。

この本のイメージ ほのぼの☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆ おいしそう☆☆☆☆

つるばら村のパン屋さん 茂市久美子/作 中村悦子/絵 講談社

 初読です。
ふんわりとした絵の表紙と、「つるばら」「パン屋」と言う言葉に惹かれて手に取りました。

 つるばら村という小さな村で、くるみさんはおばあさんの住んでいたわらぶき屋根の農家で宅配専門のパン屋をしています。

 最初の一ヶ月は好調だったのですが、だんだん注文が来なくなり、「だれでもいいからパンの注文に来てほしいな」とつぶやいたら、なんと熊が来ました。

 熊は、自分が冬眠するときに春を思い出して食べるパンを注文しに来たのです。くるみさんは、熊さんのために言われた手順でタンポポのハチミツのパンを作ってあげます。

 そんな感じで、次々とくるみさんのところには不思議な注文が舞い込んできます。そんなパン屋「三日月屋」のほのぼのとした日常が描かれています。

 六つの短編が入っており、読み聞かせにもおすすめです。
ひとつひとつのお話は、のどかで、かわいくて、思わず微笑んでしまうような話ばかり。寝る前に読んだら、幸せな夢が見られそうです。

 個人的には、うさぎの経営する「ホテル・フローラ」の話が気になります。一泊すると寝ている間にうさぎさんが「心を洗ってくれる」らしいのですが、そんなホテルがあったら、わたしも泊まってみたいですよ!

 浮世でくたびれて、あちこちしみや汚れがついてる心をざぶざぶ洗って、折り目やしわにアイロンかけてもらえたら、いいですよねえ。くるみさんは、三日月パンを納品したお礼として宿泊券をもらっていましたけど、わたしも欲しい、宿泊券。(ただし、「洗う」と言っても「脳」じゃなくて「心」ですからね!(重要))

 くるみさんの性格がまたよくて、次々と不思議なことがおきるのに動じないし、どんなお客さんが来ても注文は請けるし、ちゃんと納品するんですよ。
 どうして請けちゃうかというと、とにかくパンを作るのが好きだから。不思議な注文に「自分の店のパンに生かせないかしら」と職人気質が刺激されてしまうからなんです。
心の中で、ちょっぴりぶつくさ言うときがあるのもご愛嬌。それでも、何があっても最後は「まっいいか」で受け入れられるおおらかさがある人です。

 そして、「まっいいか」で終わった後には、ちゃんと人間のお客さんが増えているんですよ。いやあ、見習いたい姿勢です。

シリーズ全巻セットもあります

 お話に登場するパンも、どれもこれおいしそう。タンポポのハチミツのパンや、ドングリのパン、三日月パン(たぶんクロワッサン)、つるばらのジャムのパンなど……

 「食べ物をつくる喜び」「食べる喜び」「食べてもらう喜び」にあふれている本です。

 今(2020年3月現在)は、お子様が家にいる時間が長いですから、親子で読書をしたあとは、家で一緒にパンつくりを楽しむのいいかもしれません。
熊さんのパンのように、パンをこねるとき、ねかせるとき、焼くときに好きな音楽を流しながら。

つるばら村のお話はシリーズになっているようです。今後も読んだらご紹介いたします。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。ほのぼのファンタジーです。お読みになる時は、もちろん、お好きなパンをご用意されるとよいでしょう。マグカップにたっぷりとミルクティーをいれて。ミルクティーにはハチミツや、生姜をいれるのがおすすめです。

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