【こまったさん】寒い日はシチューをつくろう! おうち時間は、楽しくクッキング【小学校低学年以上】

2024年3月20日

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こまったさんのシチュー 寺村輝夫/作 岡本颯子/絵 あかね書房

こまったさんは、お花屋さんの若奥様。ある日、お客さまから電話でチューリップの花束の注文が入りました。ところが、手をかざしていたストーブから真っ白な雪が飛び出して、あたり一面、雪景色。こまったさんは……

この本のイメージ シチューの作り方☆☆☆☆☆ いつのまにか異世界☆☆☆☆☆ バースデーパーティー☆☆☆☆☆

こまったさんのシチュー 寺村輝夫/作 岡本颯子/絵 あかね書房

<寺村 輝夫>
1928年東京生まれ。早稲田大学卒業。『ぼくは王さま』で第15回毎日出版文化賞受賞。1984年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により第17回巌谷小波文芸賞を受賞。2006年没。

 お話を読みながら、お料理への興味を育てる、クッキングファンタジー「こまったさん」のシリーズです。初版は1990年。

 こまったさんのシリーズは、現実がいきなり白昼夢のようなファンタジーワールドになり、いつしか現実に戻ってくるという、不条理ファンタジーです。

 今回のお話も、チューリップの花束を注文したお客様をお店で待っているうちに、一面が銀世界になってしまい、お店にやってきた不思議なアフリカの少年を追って行くうちに不思議なキッチンでお料理をふるまわれます。

 アフリカのシチュー、カランガだそう。(どうやら、映画の「呪術回戦」に登場したようです。見ていないので、御覧になった方は教えていただけるとありがたいです)

 その後、スキーで雪山を滑ると、不思議な池に沈没し、そこはラム肉のホワイトシチューだったというわけのわからなさ。

 今回のお話では、アフリカのシチュー、カランガと、ラム肉のホワイトシチューのレシピが、例によって歌になって紹介されます。そう、「こまったさん」の世界では、レシピは歌うものなのです。

 「こまったさん」や「わかったさん」を知らない人が前知識もなしにこの世界に触れると、あまりも不条理ぶりに驚くはず。だいたい、いきなりレシピを歌い出したときも、ふつうの人なら「なぜ歌う?」と固まってしまいますよ。

 でも、そんな固いことを考えていたら、この世界にはついてゆけません。そこは、深く考えないでお話の波に乗ってゆくのが「こまったさんワールド」なのです。

 こまったさん自身も、「こまったわ」と言いながら、めまぐるしく展開する不思議ワールドについていっているのですから、なんだかんだと言ってメンタルが強いのかもしれません。まあ、若いのに、駅前の一等地で店をきりもりできるくらいですからねえ。

 と、いうわけで、お話を楽しみながら、歌いながら、シチューを作ってみましょう。

 シチューは、作者の寺村先生の得意料理だったようです。作る楽しさと考える面白さ、そして食べる喜びが詰まったのが料理。失敗して「こまったわ」と言いながらも、なんとかリカバリしたり、リメイクしたりして、それも、お料理の醍醐味なのかもしれません。

 おうち時間、こまったさんと一緒に、不思議な物語を楽しみ、そしてお料理を楽しみましょう。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。カラフルで楽しい、クッキングファンタジーです。「どうしてそうなるの」と言う、説明のつかないナンセンスファンタジーなのですが、物語としても面白く、そして、お料理のレシピとしても役立ちます。
 読み終わると、シチューがつくりたくなります。

 寒い日は、親子でクッキング。そして、鍋いっぱいのシチューでほっこりしてくださいね。

 

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