【科学でナゾとき!】身近な理科の知識で事件を解決!知育要素もある、ワクワク謎解きストーリー【わらう人体模型事件】【小学校高学年以上】

2024年3月20日

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科学でナゾとき! わらう人体模型事件   あさだりん/作 佐藤おどり/絵 偕成社

パーフェクトな児童会長、彰吾には、誰にも知られたくない秘密があった。それは、変人の理科教師、キリン先生が父親だってことだ。でも、このキリン先生、ふつうの先生じゃないようで……

この本のイメージ 身近な科学☆☆☆☆☆ ミステリー☆☆☆☆ スクールライフ☆☆☆☆☆

科学でナゾとき! わらう人体模型事件   あさだりん/作 佐藤おどり/絵 偕成社

<あさだりん>
1970年東京都生まこうれ。早稲田大学第一文学部卒。現在は長野県松本市在住。日本児童文学者協会会員・信州児童文学会会員。作品に「まっしょうめん!」シリーズがある。

<佐藤おどり>
イラストレーター。書籍・参考書などの装画や挿絵で活躍中。

 初読です。初版は2020年8月。

 このブログでは、わたしが自分で読みたい本だけでなく、自分が子どもの頃こういう本があれば楽しかっただろうな、と感じる本もご紹介しています。

 その中のひとつが「学校の勉強が楽しくなりそうな本」

 子どもって、1日の時間のほとんどを学校とその勉強で過ごします。だから、もし、学校での人間関係がうまくいかず、勉強がつまらないと、人生が味気ないものになりがちです。

 学校の勉強を、「しなければならないつまらないことを耐える練習」とみなす人もいますが、わたしはそうは思いません。それだと、その後の人生が辛抱と忍耐だらけになってしまいます。そんな人生、辛すぎるじゃないですか。

 でも、学校の勉強が楽しければ、小学校での生活は全部が遊びのようなもの。もし、子供同士の人間関係でつらいことがあっても、少なくとも勉強が楽しければ、授業は楽しいし、学校に行けなくなっても自宅学習で楽しく過ごせます。

 では、勉強を楽しむためにはどうしたらいいのだろう?

 そんな疑問に答えてくれそうな本に出会ったら、即、ご紹介することにしています。角川つばさ文庫の「時間割男子」もかなりおすすめですが、これは、乙女ゲーム的要素が強く、わりと女の子向けの内容です。男の子向けのものはないだろうか、と探していたときに出会ったのがこれ。

 小学校の理科の知識で、身近な不思議を解決する「科学でナゾとき!」シリーズです。

 ストーリーは……

 主人公、鈴木彰吾は自他共に認めるパーフェクトな児童会長。でも、誰にも知られたくない秘密がありました。それは、誰がみても変人にしか見えない、理科教師キリン先生が父親だと言うこと。

 常にかっこよくありたい彰吾は、ドジでかっこわるいお父さんが恥ずかしくて仕方がありません。しかし、このお父さん、身近な謎を理科の知識で解決する天才なのです。

 彰吾たちの学園生活は、謎とトラブルでいっぱい。

 そんな「子どもたちの大事件」をキリン先生の知恵と、彰吾たちの行動力で解決してゆきます……

 ……と、言うのがあらすじ。

 短い物語のオムニバスで、収録されている物語は、

  ・わらう人体模型事件
  ・太陽は何色? 事件
  ・消えたリップクリーム事件
  ・人魚姫のなみだ事件
 
 の四本です。

 主人公鈴木彰吾のお父さんは、自宅の自分の部屋にも実験室があるような、実験大好きの理科教師。お母さんは、理系なことにはとんと興味のないハンドメイド作家です。

 彰吾君は、成績優秀、スポーツもそこそこでき、顔もいい。学校での友達や先生からの信頼も篤い人気者です。だからなのかもしれませんが、ドジで奇人変人のお父さんと親子だなんて、どうしても言えない。

 けれど、このお父さん、さすがは科学を愛しているだけあって、身近な疑問を科学の知識でさくっと解決してくれる心強い人でもあります。彰吾は、ついつい困ったときにはお父さんの力を借りてしまうのでした。

 科学的知識を使った謎解きがわかりやすく、「そういうことなのか!」と言うおどろきが、学校での理科の授業への興味をそそるように出来ています。

 理系の学問は、もともと、人間の不便さを解消するために生まれているので、身近な困りごとを理科の知識で解決する、と言うのはまさしく、知識の正しい使い方。

 子どものころは、「なんのために勉強するのだろう」と言う疑問を抱えてしまうこともありますが、こんなふうに身近な困りごとを自分の知識で解決できるようになれば、勉強も楽しくなるかもしれません。

 お父さんの「キリン先生」が、科学知識の深さだけでなく、ドジっ子みたいなかわいさもあり、しかし人間関係の洞察もすぐれていて、素敵なお父さんです。

 なんで彰吾はこのお父さんを恥ずかしく思うんでしょうかねえ。それだけが解せない。

 わたしは、どちらかと言うと、彰吾くんタイプよりお父さんタイプのほうがかっこいいと思ってしまう人なので、彰吾くんが自分のお父さんを恥ずかしく思うたびに、このスカしたクソガ……げふんげふん、もとい、お上品なお坊ちゃまは、わかってらっしゃらないわねえ、と思ってしまいます。(いや、彰吾くんはイマドキのいい子です←フォロー)

 かっこいいと言うのは、スタイルとか容姿とかではなくて、何かに熱中している姿のことですよね。

 わたし自身は、誰かが自分の好きなことについて熱弁をふるっているのを(まっっったくわからない分野でちんぷんかんぷんでも)聞くのが楽しい人なので、もしかしたら一般的ではないのかもしれません。若い頃「それ、何が楽しいの?」と言われたこともありますが……だって、そう言うときって、人は目がキラキラして幸せそうじゃないですか?

 また、研究や調査と言った、「知識欲」が「楽しいこと」な人の場合、無理して外出しなくても、自宅の自室ですごす時間は、楽しく豊かなものになります。それって、すごくお得です。彰吾のお父さんも、おうち時間がかなり充実している人のよう。

 わたしもそうなのですが、なかなか外出がままならないこのご時勢でも、インドア人間は室内に楽しいことがたくさんあるので、大勢で集まる機会がなくなってもそんなに困りません。

 いまこそ、インドア人間の底力を見せるときですよ。

 新しい生活スタイルに移行しそうなこの時代、「読書」はいままでよりずっと注目されるようになりました。当サイトも、お子さまのおうち時間が充実するような本をどんどんご紹介してゆくつもりです。

 主人公の彰吾が小学五年から六年という年齢なので、小学校高学年向けですが、賢い子なら、中学年からでも読めそう。学校で教わる理科が、ぐんと身近に、そして楽しく感じられるような物語です。

 理科が大好きなお子さまにも、そして理科がイマイチ好きになれないお子さまにも、楽しく読める新感覚のミステリー。キャラクターが生き生きとしていて、等身大の学園ストーリーとしても純粋に面白いので、親子で読むのもおすすめですよ。

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。気持ちのすれ違いはあれど、登場人物はいい人、いい子ばかりです。学校で教わる理科の知識が、日常生活でこんなふうに役に立つのか、と驚かされる、新感覚の学園ミステリーです。

 

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