【マーガレット・ハミルトン】アポロ計画をささえたプログラマーの物語。女の子と働く女性におすすめの、元気の出る絵本です。読み聞かせにも!

2024年1月29日

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月とアポロとマーガレット ディーン・ロビンズ/文 鳥飼玖美子/訳 ルーシー・ナイズリー/絵 評論社

マーガレットは、どんなことにでも疑問をもつ女の子でした。虫とか、野球とか、夜空の星とか。そして、答えも自分で見つけるのでした。

この本のイメージ 女性の可能性☆☆☆☆☆ 知らなかった☆☆☆☆ 励まされる☆☆☆☆

月とアポロとマーガレット ディーン・ロビンズ/文 鳥飼玖美子/訳 ルーシー・ナイズリー/絵 評論社

 素敵な絵本のご紹介です。

 マーガレットは、なんにでも疑問をもつ女の子。そして、なんにでも興味を持つ女の子。虫にも、野球にも、星空にも。

だから、なんでもやってみよう、なんでも勉強しようと、頑張る女の子です。

 女の子のお医者さんや科学者、女の子の野球選手もいないなあ、なりたいものになれる女の子が少ないな。じゃあ、自分はなりたいものになれるようになんでも勉強しよう。読書も美術も音楽も、算数も。とくにマーガレットは算数が大好きでした。

 哲学者で詩人のお父さんは、マーガレットに宇宙の素晴らしさを教えます。彼女は、宇宙に強い興味を持つようになりました。

そして、マーガレットはコンピューターに出会います。
まだまだ、巨大で、パンチカードで入力していた頃のコンピューターです。

けれども、それは、マーガレットの知りたいことにどんどん答えてくれる魔法のマシンでした。

 やがて、マーガレットは月に人間を運ぶ「アポロ計画」を知り、NASAに就職します。
そして、月に向けてロケットを飛ばすためのソフトウェアを開発するメインプログラマーとなるのです。

 アポロ8号で月を10周させ、アポロ9号でふたつの宇宙船をつなげ、アポロ10号で月の表面から10マイルまで近づかせました。

 そしてついに、アポロ11号は、彼女の支えで月面に着陸するのです。

 マーガレット・ハミルトンのエピソードは、漫画「宇宙兄弟」のHPにも詳しく書かれています。

 彼女がぶつかった最大の壁が「宇宙飛行士」だというのも皮肉です。でも、ソフトウェアエンジニアと、現場の職人さんがぶつかるのは今でもよくあること。そこで、マーガレットは折れずに(折れたふりをして)必要な準備を「こんなこともあろうかと」全部やってしまっていたと言うのが、猛烈にカッコイイのです。

 じっさい、ソフトウェア開発と言うものは、「不測の事態をいくつ予期するか」が肝みたいなところがあり、そして、たいてい、人間は「予期できない」ものなのです。もっと言うと、この「不測の事態」は、たいてい人為的ミスで起きるのですが、ありていに言うとたいてい人間は失敗するのです。

 「人は失敗する」ことを前提としてソフトウェア開発は行われます。
しかし、そこで現場の宇宙飛行士たちが「俺たちが失敗するとでも言うのか。馬鹿にするな!」と怒り出すのは、すごくよくわかる構図です。(とくに相手が女性ならなおさら)

 現実の仕事場でも、あらゆるミスを想定して開発しようとするタイプの開発者と、「俺は失敗しない」と言うタイプの開発者は激しくぶつかります。そして、隣でカスタマーサポート係は、黙ったまま沈痛な面持ちで「いや、失敗する……人は失敗するのよ…」と思うわけなのです。(猛烈あるある)

 とくに、ロケットはいったん打ち上げたら戻ってこられないわけですから、「ちょっと治して」と言われても治すことができません。だから、打ち上げ前に、「想定できうる限りのすべてのトラブル」について、対処しておく必要があります。
これを考えただけでも、マーガレットのすごさを感じます。

 アポロ11号の月面着陸は、マーガレット抜きでは語ることができません。でも、この偉業は、宇宙マニアの方々以外には、あまり知られていないようです。

 マーガレットの人生は、深く調べるとたくさんの障害があり、報われないこともあったようです。
けれど、この絵本の裏表紙裏の、彼女の写真の数々を見ると、「きっと、彼女はそんなことどうでもよかったんだな」と感じられます。
マーガレットの写真は、どれも笑顔いっぱいです。
とくに、自分の書いたプログラムコードの紙を背の高さまで積み上げた写真の、笑顔の幸せそうなこと!

 彼女は、自分の好きなことにせいいっぱい打ち込んで、やり遂げたんですね。
疲れたときに、元気が出る本です。働く女性や、小さな女の子におすすめの絵本です。もちろん、読み聞かせしてあげてください。コンピュータープログラミングに興味がある小さなお子様には、「世界でさいしょのプログラマー、エイダ・ラブレスのものがたり」の絵本もおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はいっさいありません。元気がでる、素敵な絵本です。母娘で一緒に読むのにおすすめです。お子様が算数が好きなら、ぜひ、プレゼントしてあげてください。また、算数が苦手なお子様にも「算数ができるとこんなことができるようになるよ」と言う意味で、おすすめです。

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