【クレヨン王国】12色の国を旅しよう!かわいくって楽しい日本生まれのカラフルファンタジー。【小学校中学年以上】

2024年2月13日

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クレヨン王国の十二か月 福永令三/作 椎名優/絵 講談社青い鳥文庫

大晦日の夜、ユカちゃんは枕もとのクレヨンたちがカメレオンと深刻な会議をしているのを聞いてしまいます。それは、クレヨン王国のゴールデン国王が失踪してしまったという大事件だったのです…

この本のイメージ カラフル☆☆☆☆☆ かわいい☆☆☆☆☆ ちょっぴり教訓☆☆☆☆

クレヨン王国の十二か月 福永令三/作 椎名優/絵 講談社青い鳥文庫

 初読です。
アニメにもなった日本生まれのメルヘンファンタジー「クレヨン王国」です。

 アニメでは王女だったシルバーは、原作では王妃です。

 大晦日の夜に、ユカちゃんは枕もとの12色のクレヨンたちがこっそりカメレオンと会議をしているのに気がつきます。カメレオンはクレヨン王国の総理大臣で、クレヨンたちは大臣だったのです。

 クレヨン王国は存亡の危機に立たされていました。ゴールデン国王様がシルバー王妃に愛想を尽かして失踪してしまったのです。一年以内に王様を連れ戻さないと、王様を失った王国はすべての色を失い、滅亡してしまいます。
王様は、シルバー王妃の12の悪いくせを改めるまで戻らない、固い決意でした。

 その12の悪いくせとは、1つ、ちらかしぐせ、2つ、おねぼう、3つ、うそつき、4つ、じまんや、5つ、ほしがりぐせ、6つ、偏食、7つ、いじっぱり、8つ、げらげらわらいのすぐおこり、9つ、けちんぼ、10つ、ひとのせいにする、11つ、うたがいぐせ、12つ、おけしょう3時間。

 おお、たいへん!わたしもかなり身に覚えがありますぞ。(わたしのお化粧が長いのは、おしゃれだからではなく下手くそだからですが!)
しかし、世界滅亡と引き換えに王妃様の悪いくせを治そうとなさる国王様も、ずいぶん思い切ったことをされました。無謀なのか信頼なのか、行動力があるのか無責任なのか、微妙です。


 でも、メルヘンにそんな現実的なツッコミをいれても夢がありません。ここは、流れを切らず乗っていきましょう!

 美しく愛嬌はあるけれど、たくさんの難ありのシルバー王妃様は、行動力と愛だけはたっぷりあるので、当然、王様を連れ戻しに旅立つ決意をします。けれど、世間知らずの王妃様が旅をするためには、お供が必要です。そこで、立ち聞きしていたユカちゃんが大抜擢。

 ユカちゃんとシルバー王妃は、ふたりで12色の国を旅することになりました。

 ひとつひとつの国を移動するさいに、ふたりはそれぞれの国の色のドレスを着ていないと入国できないので、トランクには12色のドレスが詰め込まれています。ひとつの章が終わり、次の章に入るときにはふたりがお着替えする設定がかわいらしい。

 シルバー王妃は姿が美しい以外は欠点だらけで、ユカちゃんはかなりいい子の設定です。12の国を通過するたびに、シルバー王妃がこの欠点をひとつひとつ克服していく成長物語になっていて、教訓的側面があります。(しかし、こんなにまでして無くした欠点を取り戻していく続編もあるようです。完璧すぎると個性が無いということで。人生って難しいですね……)

 文章は平易で読みやすく、ひらがなと漢字のバランスがよく、漢字にはふりがながついています。
かしこいお子様なら小学校低学年から、12の章に分かれているので、読み聞かせにも最適です。

 また、著者の福永先生が自然が大好きなので、珍しい生き物や植物が登場するのも魅力です。読んだ後、インターネットで検索して「こういう生き物だったのか」と知るのも楽しいものです。

 最後は、シルバー王妃が成長してすてきなお姉さまになり、ゴールデン国王もお戻りになり、王国は救われました。(ただの夫婦喧嘩だった気もするのですが!)
ユカちゃんの心にも素敵な思い出が残り、そして、世界を見渡すと、いつもよりたくさんの色が美しく感じられるようになったのでした。

 これを読んだ後、夜明けの空を見ると、なんだかわくわくしてきます。朝のさわやかな空気が、楽しさも連れてきます。クレヨンって素敵だな、色って素敵だなとしみじみ感じるお話です。

 

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 基本的にはネガティブな要素はありません。色がお好きなお子様ならば楽しいと思います。何度もお着替えするお話なので、女の子におすすめです。

 読んだら絵が描きたくなるかもしれません。お話を思い出しながら、12色のクレヨンでお絵かきするのも楽しいかもしれませんね。

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