【バレンタイン企画】【にんきもののひけつ】バレンタインにチョコをもらうには?男の子の知りたい秘密の物語【小学校低学年以上】

2021年2月11日

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にんきもののひけつ 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

このあいだのバレンタインデー。おなじクラスのこまつくんは、おんなのこたちから チョコを27こもらっていた。ぼくは、たったのいっこ。このさは どうしてなんだろう。ぼくは ちょうさを かいしした……

この本のイメージ バレンタイン☆☆☆☆☆ ほほえましい☆☆☆☆☆ 男の子って……☆☆☆☆☆

にんきもののひけつ 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

<森絵都 もり えと>
1968年東京生まれの日本の作家。
91年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞受賞。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞も受賞。『宇宙のみなしご』で第32回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。本作で第20回路傍の石文学賞他、受賞多数。

にんきもののひけつ 森絵都/文 武田美穂/絵 童心社

 バレンタインをテーマにした、かわいい本を発見。小さな息子さんへのバレンタインプレゼントに、最適だと思います!

 あらすじは単純で、

 クラスの人気者こまつくんは、バレンタインデーに色とりどりのチョコレートを女の子たちからたくさんもらっていました。
 その数、なんと27個。

 それにひきかえ、主人公のけいたくんは、同じクラスのかなえちゃんから1個。しかも、コンビニのチョコだったのがご不満のようです。

 この差はどうしてなんだろう、どうしてこまつくんは人気者なんだろう。けいたくんは知りたくなりました。

 女の子に聞くと「顔がいいから」「頭がいいから」「スポーツができるから」(そしていばらない)

 ところが、けいたくんはそれでは納得できません。顔がよくて頭がよくてスポーツができるから人気者だなんて、そんなのぜんぜんものたりない!絶対、みんなが知らない、もっとすごい秘密があるはずなんだ!

 けいたくんは、調査を始めます。ようするに、こまつくんをこっそり観察するのです。
 けれど、こまつくんに変わったところはありません。宇宙人と友達なわけではないし、大怪獣と戦ったりもしないし、死にそうなおばあさんを助けたりもしません。

 まったく納得できないけいたくんは、ついに、こまつくんに直接声をかけます。
 「ぼく どうしても しりたいことがあるんだ。 こまつくんの にんきものの ひけつ」

 必死に話しかけるけいたくんに、こまつくんは……

 と言うお話です。

 この先は読んでいただいたほうがいいと思うんですけど、こまつくん、いい子なんです。さすがは人気者という感じです。

 作者は女性なのですが、主人公のけいたくんの、小さな男の子あるあるな感じが本当にかわいい。
 たしかに、男の子にとって、顔が良くて成績がよくてスポーツができるくらいでモテモテなんて、どうしても納得できないのでしょう。宇宙人と交信したり、怪獣やっつけたり、おばあさんの命を救ったりしてくれないと!

 それが、男の子にとっては「かっこいい」の基準なんでしょうね。それなのに、こまつくんは、いたって「ふつう」じゃないか、と思うわけです。

 で、その納得行かない気持ちを、なんとこまつくんにぶつけてしまう。でも、そのぶつけかたもかわいくて、嫉妬していじわるしてる感じではなくて、こんなにみんなに人気があるこまつくんなんだから、ヒーローみたいにすごい何かを持っていてよ! みたいな懇願なのです。

 この、支離滅裂な懇願に、こまつくんは見事にこたえます。ここが、本当にすばらしい。こまつくんいい子だな、そりゃ愛されるわ。

 そして、けいたくんとこまつくんは大の仲良しになります。

 短いお話なのですが、小さな男の子と小さな女の子の価値観の違いや、気持ちのすれ違いなどがコミカルだけど、瑞々しく描かれており、わたしみたいなオバハンが読むとキラキラして見えてきます。

 妙に現実的で実際的な女の子たちの考え方に対して、男の子のけいたくんの価値観はこの年ごろの男の子らしくぶっとんでいます。

 でも、物語を最後まで読むと、人気者のこまつくんは、女の子にたくさんチョコレートをもらうより、この、どこまでも男の子らしいぶっとんだ けいたくんと一緒にゲームをしたり、ミニ四駆で遊んだりするほうがずっと楽しそうなことがわかるのです。(こまつくんは多くを語りませんが)

 人気者の秘訣が知りたくて、こまつくんに猛突進してしまうけいたくんの純粋さ、そして、それを穏やかに微笑んで受け止める、こまつくんの包容力に、ほっこりします。
 かなえちゃんが、けいたくんにチョコあげたい気持ちも、こまつくんが女子にモテモテなのも、すっごくわかります。

 字は大きく読みやすく、全部ひらがななので、絵本を卒業したばかりのお子さまにおすすめ。イラスト風の挿絵がふんだんに入っており、どれも表情豊かです。

 かわいいし、ぶっとんでるし、悪い人はひとりも出てこないし、ただただほのぼのするお話です。バレンタインにチョコレートをたくさんもらう男の子の気持ちにも、もらえない男の子の気持ちにも寄り添っていて、それなのに、ゆかいで楽しいのです。
 小さな息子さんやお孫さんにチョコと一緒にプレゼントするのに最適です。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。バレンタインにもらうチョコレートの数の差を題材にして、ここまでハートフルでかわいらしいお話を書けてしまうことに脱帽です。
 小さな男の子へのバレンタインプレゼントに最適です。親子で読むと、大人の心も癒されます。ぜひ、読み聞かせしてあげてくださいね。

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