【ルルとララ】チーズケーキをつくってみよう!甘くてふわっ、つるんの天使のケーキ【小学校低学年以上】
にわか雨から逃れて走っていたルルとララは、不思議な矢を持った天使に出会います。彼は、誰かの願いをかなえるために、魔法の薬がついた矢を射るのが仕事。でも、はずしてばかりで、魔法の薬はあとわずか。彼が助けたかったのは……
この本のイメージ ファンタジー☆☆☆☆☆ レシピ☆☆☆☆☆ レアチーズケーキ☆☆☆☆☆
ルルとララの天使のケーキ あんびるやすこ/作 岩崎書店
<あんびるやすこ> 群馬県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒業。テレビアニメーションの美術設定を担当。作品に「だっこちゃんどこ?」「まじょのまほうやさん」「こじまのもり」シリーズなど。
あんびるやすこ先生のクッキングファンタジー「ルルとララ」シリーズ。今回のテーマはチーズケーキです。初版は2017年。
かえでの森にかこまれたメープル通りに小さなお菓子屋さんがあります。店長は、小学生のルルとララ。
まだまだつくれるお菓子が少ないルルとララですが、いっしょうけんめい作ったお菓子で、お客様たちの悩みを解決します。
かわいくて、楽しいクッキングファンタジーです。
ストーリーは……
にわか雨の日、ルルとララは偶然、天使と出会います。天使は、願い事をかなえる魔法の薬をぬった弓矢で、願いをかなえるために天界から降りてきたのでした。
天使が射る予定だったのはモモンガのポーラ。
ポーラの願いは、遠くまで飛ぶことです。けれど、ポーラはこわがりなので高いところに登れないのです。
ポーラはいつも川を渡って遊びに来てくれる、うさぎのメイと大の仲良しでした。ところが、最近、メイがやってこないのです。
ポーラは自分から川を飛び越えて会いに行こうと思っていたのですが、高い木が怖くて飛べなかったのでした。
「願いの叶うケーキ」を作って欲しいというポーラの依頼をうけたルルとララですが、天使からもらった「願いをかなえる薬」はとてもすっぱくて、この薬を使ったお菓子が思いつきません。
そこへ、おとなりのシュガーおばさんが訪ねてきて、「チーズケーキをつくってみたら」とアドバイス。
ルルとララは、レモン汁に似た味のする魔法の薬を使って、レアチーズケーキを作ります……
……と、言うのがあらすじ。
今回のテーマは、「勇気は大切な誰かのために出す」です。
怖がりのポーラは、高い木に登ることが出来ず、モモンガなのに遠くまで飛ぶことが出来ませんでした。ところが、大好きなうさぎのメイが病気だと知った時、天使の薬の力なんて必要なしに川を越えて飛ぶ勇気が出たのです。
あんびる先生のストーリーは、悪人がいないやさしい世界で、主人公がちょっぴり成長するのが魅力。
そして、ルルとララのレシピのすごいところは、毎回、とことん火を使わない。電子レンジと冷蔵庫だけで作れてしまうのです! これはすごい。それでもおいしそうだし、バリエーションが豊富なので、感動してしまいます。
今回のレアーズケーキも本格的。砕いたビスケットで土台を作り、クリームチーズ、生クリーム、レモン、砂糖、ゼラチンでチーズケーキをつくります。
自作の型でかわいいハート型のケーキを作ったり、デコレーションやソースを工夫したり。願いごとが叶うように、心をこめてつくれば、天使の薬がなくても、幸せ気分になるかもしれません。
挿絵のルルとララのファッションがいつも可愛いのも、このシリーズの魅力。今回は、ブルーとピンクのギンガムチェックのエプロンドレスに天使の羽がついています。
世の中がざわざわして、心もざわざわして、どうしようもないときは、おうちの中でできることをして、心をしずめましょう。
そんなときは、「何かをつくる」のは、おすすめです。簡単なお料理は、作っているあいだに気持ちを落ち着け、出来上がって食べるときには、ほっこり幸せな気分になります。
最近は、男の子もお料理をしますから、真っ白なレアチーズケーキをホワイトデーのプレゼントにするのもいいですね。
レアチーズケーキは、ちょっとした工夫で、お店で売っているようなケーキが作れるので、わくわくします。
週末は、親子でレアチーズケーキ作りを楽しんでみてはいかがでしょう。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。明るく楽しいクッキングファンタジーです。小さな子どもにもつくれるようにレシピが工夫されており、大人の時短レシピとしても、役立ちます。
白くておいしいケーキなので、男の子からお母さまへの、ホワイトデーのプレゼントにもおすすめ。今年のホワイトデーの前日は日曜日なので、親子でレアチーズケーキを作るのも楽しそうですね。
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