【ゆうだちのともだち】雨の日に読みたい、ほのぼの絵本。子リスたちの物語。【絵本】【0歳から100歳まで】

2024年3月17日

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ゆうだちのともだち いわむらかずお/作 至光社

暑い日、ぱろとぴことぽろは、外で遊んでいましたが、小鳥たちが「雨がやってくるぞ」と逃げてゆきます。いっぽう、かえるたちは大喜び。3匹は、雨宿りに、小さな穴を見つけますが、そこにはねずみのきょうだいの先客がいて…… 

この本のイメージ 雨☆☆☆☆☆ 雨宿り☆☆☆☆☆ ともだち☆☆☆☆☆

ゆうだちのともだち いわむらかずお/作 至光社

<いわむら かずお>
日本の絵本作家。「14ひきのシリーズ」(童心社)や「こりすのシリーズ」(至光社)は国内だけでなく、フランス、ドイツ、台湾などでもロングセラーとなり、世界の子どもたちに親しまれている。
「14ひきのあさごはん」で絵本にっぽん賞、「14ひきのやまいも」などで小学館絵画賞、「ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ」(偕成社)でサンケイ児童出版文化賞、「かんがえるカエルくん」(福音館書店)で講談社出版文化賞絵本賞受賞。2014年にフランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。1998 年4月栃木県馬頭町に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館。絵本・自然・子どもをテーマに活動を始めた。

 子りすの三きょうだいの絵本、「ゆうだちのともだち」です。
 暑い日、外で遊んでいた、ぱろとぴことぽろは、夕立ちがやってくることに気がつき、あわてて森のおうちに帰ろうとしますが、間に合いそうもありません。

 雨宿りによさそうな穴を見つけて入ると、そこには先客がいました。ねずみのきょうだいです。一緒に雨宿りしていると、こんどはうさぎがやってきます。

 そして、やがて雨が上がります。

 雨が上がったら、とってもいいお天気。一緒に雨宿りした仲間たちは、みんなみんな友達です。

 ……と、言うお話。

 稲光がかなりリアルで、ちょっと怖いので、もしかしたら怖がるお子様がいるかもしれません。その場合は、少し大きくなってから、読ませてあげるといいかも。

 絵がほのぼのとしてかわいらしく、困ったときや怖いときに、他人と支えあうこと、困っている人を助けること、仲良くすることなどが描かれているので、情操教育にすばらしい絵本だと思います。

 小さな子向けの絵本って、「こうしないととひどい目にあうよ」系の道徳絵本も多いのですが、わたしはやはり、「こうするといいことがあるよ」系の絵本を選んでしまいます。

 「こうしないととひどい目にあうよ」系のお話だと、たとえば、夕立のときに雨宿りに入れてあげること入れてあげない子がいて、入れてあげる子はラストに得をするけど、入れてあげない子は損をする、みたいなふうになるわけです。

 「こうしないとひどい目にあうよ」系の話も「こうするといいことがあるよ」系の話も、どちらにも、教育効果はあって子どもには必要だと思うのですが、わたしは、自分の経験では「こうするといいよ」系のコンテンツのほうが、大人になったときに結局よく覚えているし、「こうしないといけないよ」系のコンテンツは「怖かった」ことばかりが記憶に残ってしまい、ちゃんと腑に落ちていない気がするのです。(個人の感想ですが……)

 この物語の好きなところは、「怖いもの」は夕立や雷などの大自然で、それに対して子りすたちが、ねずみやうさぎたちと「怖い」を共有し、一緒に乗り切るところです。

 そして、最後は楽しく遊ぶ。
 空は晴れて、そして新しい友達は増えていて、幸せなラストです。

 このラストとの対比のために、稲光のシーンは、かなり怖く描かれています。
 しかし、小さな子どもに、この世で最も怖いのは、人間の力では対処できない大自然の力なのだ、ということが、さりげなく伝わるのもいいなあ、と思うのです。

 大きな大きな問題が襲ってきたとき、身を伏せてやりすごさなければならないときもあります。でも、そんなとき、みんなで一緒に支えあえば、怖さも少なくなるし、友情も深まります。

 いわむら先生の細密で、かわいらしい、あたたかみのある絵は、細かいところも詳細に描かれており、小さな虫や蝶、小鳥など、自然への愛に満ちています。

 「0歳から100歳のすべてのこどもたちへおくる」と書かれているので、大人のなごみ絵本としてもおすすめ。雨の季節には、ぜひ、おうちで読み聞かせしてあげてくださいね。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 HSCのお子様の場合、もしかしたら稲光のシーンをこわがってしまうかもしれません。どうしても読みすすめられないときは、もう少し大きくなるまで待つほうがいいかも。ラストの仲良く遊んでいるシーンを見れば安心するなら、ラストまで一気に読んでしまったほうがいいかもしれません。
 けれども、HSPやHSCのお子様のほうが多くのことを読み取ると思います。

 「困ったときはお互い様」「困難を一緒に乗り越えると親友になる」と言う、人生においてわりと大切なことを教えてくれる絵本です。稲光のページを読めるなら、かなりおすすめです。

 

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