【都会のトム&ソーヤ】究極のゲームを目指す創也と内人。ついにゲーム制作にとりかかる。シリーズ第7弾。【怪人は夢に舞う<理論編>】【小学校高学年以上】
2024年3月18日
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ついにリアル・ロールプレイングゲームの制作にとりかかった創也と内人。しかし、彼らの前に謎のピエロが立ちはだかる。はたしてピエロの正体は? どうやら正体不明の組織「頭脳集団(プランナ)」とかかわりがあるらしい……
この本のイメージ ゲーム制作開始☆☆☆☆☆ ピエロの挑戦状☆☆☆☆☆ 謎の美女登場☆☆☆☆☆
都会のトム&ソーヤ 7 怪人は夢に舞う<理論編> はやみねかおる/作 にしけいこ/絵 講談社
<はやみね かおる>
日本の男性小説家(1964年4月16日~ )。三重県伊勢市出身。代表作は「都会のトム&ソーヤ」「怪盗クイーンシリーズ」「名探偵夢水清志朗シリーズ」など
はやみねかおる先生のヤングアダルト(ライトノベル)小説、「都会(まち)のトム&ソーヤ」シリーズ第7弾。初版は2009年。
主人公は自称「ふつうの中学生」内藤内人。しかし、実は、異常なサバイバル能力のある中学生。彼にサバイバルを仕込んだのはおばあちゃん。この名前も出てこない謎だらけの「おばあちゃんの豆知識」が、常に内人を助けます。
幼い内人に大自然の厳しさを教え、サバイバル特訓をほどこしたらしいおばあちゃんは、たぶん「冒険野郎マクガイバー」(古いよ)
これは、究極のゲームをつくりたい御曹司竜王創也が、親友の内藤内人とともに冒険を繰り広げる物語です。
6巻くらいまではどの巻から読んでも面白く読めるのですが、このあたりからだんだん大きな流れに入ってきます。1巻から順番に読んだほうがわかりやすいので、まずは1巻をお読みください。
1巻のレビューはこちら↓
今回のお話では、ついに本格的に創也がゲーム制作に乗り出し、それにともない「頭脳集団(プランナ)」も動き出します。これは、創也たち「南北磁石」と「栗井栄太」「頭脳集団」の三つ巴の戦いになりました。
ゲストキャラクターは、大人気ラジオパーソナリティー「山遊亭楽小」と、謎の美少女中学三年生の浦沢ユラ。
創也たちは、ゲームのPRに楽小のラジオ番組「らくしょうワイド」にコマーシャルを打ちますが、これがとんでもない方向に転がってゆく……というのがあらすじ。
もう10年少し前の小説ですが、まだその頃はラジオにもテレビにもすごく力があったんですね。今なら、これ、ユーチューブの生配信かなと思いますが、ラジオであることがミソな演出もあって、この時代がベストだったような気もします。
しかし、新キャラ、ユラさんがなかなか強くてキャラも濃く、今後も活躍しそうなので楽しみです。内人の打たれ強さも健在。そして、最強なのに、何が起きたかさいごまでわかっていない卓也さんもあいかわらずかわいい。
さて、今回のお話では、ついに謎につつまれた「頭脳集団(プランナ)」の秘密がほんの少しだけ垣間見えることになりました。そして、謎の美少女、浦沢ユラさん。彼女の活躍で「頭脳集団」はなかなか恐ろしい組織だと判明してきます。
今回明らかになった謎は、
どうやら「頭脳集団(プランナ)」の未来を予測する能力者「時見」が、将来創也たちがつくるゲームが「頭脳集団」の脅威になると予測し、彼らのゲーム制作を妨害し、社会的信用を落とし、抹殺するべきと判断した。ようです。(これもある人物の推測ではありますが)
そのため、妨害要員として、ある人物が差し向けられたのです。
創也と内人の夢そのものが組織の敵だとすると、これは長い戦いになりそうです。はたして、創也たちは究極のゲームをつくれるのか。そして、「頭脳集団(プランナ)」の正体は?
と言うわけで、さらにエキサイティングな展開になりそうです。
文章はリズミカルで軽快。ちょいちょいレトロな小ネタが挿入されます。今回は「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」。
読みやすい文章なので、小学校高学年から。賢い子なら中学年でも大丈夫。もちろん、大人も楽しめます。
最近映画化されたばかり、根強いファンの多いロングセラーシリーズです。
特殊能力のある個性的なキャラクターが数多く登場して入り乱れる作品が好きならおすすめ。「ジョジョ」や「CLAMP学園探偵団」「有閑倶楽部」などのファンなら、はまると思います。
昔はゲームと言うと大人が眉をひそめるような時代でしたが、今はだんだん市民権を得てきました。「ゲームクリエイター」や、「ゲームをつくりたい」少年たちがこんなにポジティブな形で描かれているのは珍しく、単純にうれしいですね。
はたして、「南北磁石」こと創也と内人のつくるゲームは、どんなゲームになるのでしょうか。
この「怪人は夢に舞う」は<理論編>と<実践編>にわかれています。次は<実践編>。なるべく早く読みますので、少しお待ちくださいね。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。軽快で明るい、新感覚の冒険小説です。
ラジオを使った「仕掛け」が少し古い気がしますが、これって2009年。読んで感じるほどには、そんなに昔じゃないんですよ……。この文明の進歩の速さ。文化の変化の早さ。それを感じるのも楽しいと思います。
読後は、ダージリンティーでひとやすみ。
この本の続きはこちら
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