【こわくなったらやってみて!】絵本と一緒に気分を整えよう。暗い夜でももうへっちゃら【ガストンのきぶんをととのえるえほん】【3歳 4歳 5歳】
ガストンはちいさなユニコーン。時々ガストンは幸せ。でも、時々幸せではなくなる。怒ったり悲しくなったり、ときどき怖くなることもある。こういうのを気分と言うんだ……
この本のイメージ 気分の整え方☆☆☆☆☆ 怖いとき☆☆☆☆☆ 呼吸法☆☆☆☆☆
こわくなったらやってみて! オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ/文・絵 垣内磯子/訳 主婦の友社
<オーレリー・シアン・ショウ・シーヌ>
パリ第3大学で児童心理学に主眼をおいた情報とコミュニケーションに関する修士号を取得。10年間アニメ制作に携わったのち、児童書の作家としてガストンシリーズでデビュー。ソフロロジーによるセラピーのメソッドを学び、教育機関などでワークショップなども行っている。
<垣内磯子>
東京都出身。早稲田大学仏文科卒業。詩人としてデビューし、絵本・童話作家、翻訳家として活躍。早大小野梓賞、サンリオ詩とメルヘン賞などを受賞。詩集に「春の通信簿」、絵本に「よるのとこやさん」など多数。
フランスからやってきた、小さな子どものためのメンタルコントロール絵本、「ガストンのきぶんをととのえるえほん」シリーズ、「こわくなったらやってみて!」です。フランスでの初版は2018年。原題はLes emotions de Gaston – J’ai peur.
主人公はユニコーンのガストン。小さなユニコーンの子どもです。
ガストンの魔法のたてがみは、普段は虹色ですが、その時の気分によって、いろんな色に変わります。
幸せだと黄色、焼きもちだとピンク、怒ると赤、罪悪感はオレンジ、はずかしいと紫、こわいと緑、拗ねると青緑、悲しいと青……と言うように。
ガストンは暗闇が怖く、暗闇で一人で眠ることができません。夜が近づくと、ぐずぐずと行動をのろくして、なんとか寝る時間を遅らせようとします。遅らせても、結局怖い夜が来るのですが……
そんなとき、いい方法があるのです。それは、息の仕方で、空気の鎧を作ること……
この絵本では、自分の心をコントロールする方法を小さな子どもにもわかるように描いています。
呼吸を整えながら、自分の周囲に「勇気の鎧」をつくる方法です。
絵本「ぼくはにんげん」でも巻末に瞑想のやり方が書いてありました。海外では東洋の座禅や瞑想が最近精神安定の手段として取り入れられており、近年はポピュラーになってきています。
ところが呼吸法や瞑想、ヨガと言うのは、残念ながら日本ではあまりいいイメージがありません。と言うのも、かつてそういうメソッドやノウハウをよからぬ団体が利用することがあったから。
また、今でも、呼吸法や瞑想を教えてくれるサークルや組織に問題がある組織がまったくないとは言い切れないので、そこが難しいところ。しかし、呼吸を整えたり瞑想をしたりイメージングすること自体には一定の効果があるので、一人で家の中で行うのには有効だと思います。
小さな子どもが、夜なかなか眠ることが出来ないのは、様々な原因があります。
気分が高揚していて、神経が高ぶったままなのだ眠れない場合もあるでしょうし、昼間に昼寝をしすぎた日もあるでしょう。しかし、このガストンのように、なんらかの理由で「夜が怖い」と言う場合もあります。
暗闇は小さな子どもにとって本能的に得体の知れない恐怖を呼び起こすものですが、「夜が怖い」のはそれだけではないかもしれません。
日本は天変地異の多い国で定期的に大きな災害が起こります。大人と違って小さな子どもの心は繊細です。大人より心に恐怖が残りやすく、夜になると様々な記憶が蘇ってくることがあるのです。
そのような場合にこのイメージ呼吸法は役に立つでしょう。絵本を読みながら親子でやってみると、安らぐだけでなく楽しさも生まれるかもしれません。大人もやってみると案外効果があります。
こういった効果は一定のリズムの呼吸と想像力がもたらすものなので、特別なグループに属したり師匠についたりする必要はなく、絵本を読みながら家の中で簡単にできます。一人で行うだけでなく家族と一緒にできれば、親子で楽しい時間を過ごせますし、なによりお金もかかりません。
今は、時代の流れが激流過ぎて、現代の小さな子どもたちは平成時代よりはるかに様々な「生きる力」が必要になりました。
でも、時には怖くなっても、悲しくなっても、しょんぼりしてもいいと思います。もちろん、大人も。
なにがあっても動じない人になるのではなく、たとえ落ち込むことやつらいことがあっても「どんな気持ちになっても自分で回復できるようになる」なら、そんなふうになれたら素敵ですね。
単純だけれど、役立つ絵本です。
様々なバージョンが出版されていますが、すべてのネガティブな感情の原点は恐怖だと思ったので、この「こわくなったらやってみて!」を選びました。
夜が怖くてなかなか眠ってくれない繊細なお子さまに、また、そんなお子さまを心配して自分も眠れなくなっちゃう保護者の方におすすめです。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
暗闇や夜を怖がる小さなお子さま、とくにHSCにおすすめの絵本です。
イメージの力を使うので、物語やアニメーション、空想の世界がお好きなお子さまに。また、ストレスでご自身も不眠症気味の保護者の方にも。読み聞かせしながら、一緒に試してみるといいかもしれません。
瞑想やイメージングが手軽に一人で自宅で出来るようになります。誰かに教えてもらう必要もなく、自分の家で手軽に出来るのはうれしいですね。
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