【ぐりとぐら】遠足に出たぐりとぐら。不思議な糸をたどってみたら……国民的のねずみの楽しい絵本【ぐりとぐらのえんそく】【3歳 4歳 5歳 6歳】
のねずみのぐりとぐらは、おべんとうをもって遠足にでかけました。ふたりで林を抜けて野原にむかいます。 いくら リュックが おもくても くたばらないぞ ぐりとぐら えんそくの たのしみは リュックのなかの おべんとう……
この本のイメージ 身体を動かそう☆☆☆☆☆ 意外な友だち☆☆☆☆☆ おべんとうおいしいね☆☆☆☆☆
ぐりとぐらのえんそく 中川 李枝子/さく 山脇 百合子/え 福音館書店
<中川 李枝子> 日本の児童文学作家、作詞家。夫は画家の中川宗弥。
絵本界のロングセラー、国民的人気のねずみの、ぐりとぐらの絵本です。
今回のお話は「遠足」。
ぐりとぐらは、リュックにおべんとうをつめて、林を抜けて野原に遠足に行きます。
楽しみなのは、おべんとう。
でも、目的地についても、ちょっと時間が早く、まだおなかがすいていません。
それで、ふたりで体操をします。それでもまだ時間が余っているので、ふたりで走ってみます。
走っているあいだに、不思議な毛糸をみつけました。毛糸を巻きながらたどってゆくと、そこはくまさんの家。くまさんの毛糸のチョッキがほどけていたのです。
毛糸をとどけてくまさんとなかよくなったぐりとぐらは、くまさんと一緒にのはらを走ります。
リュックのところへ戻ってきたら、ちょうどお昼の時間。
ぐりとぐらとくまさんは、なかよくおべんとうを食べました。めでたしめでたし。
……というのがあらすじ。
今の時期にぴったりな絵本だと感じたのでご紹介。
おでかけできない「巣ごもり」期間が続いていますが、かといって、まったく運動しないのも考えものです。
この絵本のなかでぐりとぐらは、ラジオ体操のような体操をしたり、野原をおいかけっこしたりしています。くまさんと出会ってからは、くまさんと一緒にマラソンをします。
そして、一緒におべんとうを食べるのです。
外出できない状態が続きますが、自宅で「ピクニックごっこ」してみてはいかがでしょう。
床にレジャーシートを敷き、アウトドア食器やお弁当箱におにぎりやサンドイッチを盛り付けて、水筒や紙コップにお茶やジュースをいれて食事してみては。食卓のテーブルクロスをレジャーシートにしてみるのもいいかもしれません。
そうそう、サンドイッチの作り方は「こまったさんのサンドイッチ」に書いてあります。
食卓にハーブや野の花を飾ると雰囲気がでるかも。
おなかをすかせるために、ぐりとぐらみたいに体操するといいかもしれませんし、お部屋を目的地に見立てて、近所をマラソンしたり、ウォーキングしてみるのもおすすめ。
この「ぐりとぐらのえんそく」は、そんな「おうち遠足」の気分を盛り上げてくれる絵本なのです。
ぐりとぐらの絵本は、とにかく食べるシーンがおいしそう。そして、食べるときは、いつも「ともだちといっしょ」なのです。誰かと一緒に食べるごはんは、ひとりで食べるよりおいしい。そして、ぐりとぐらは、いつもどっさりつくるのです。
難しい時代になりましたが、絵本の世界はいつも、すがすがしい風をとどけてくれます。ぐりとぐらと一緒に体操をして、少し走って、そしておべんとうを食べたら、頭の中のごちゃごちゃしたことは、すっきり流れて行きそうです。
「いくら リュックが おもくても くたばらないぞ ぐりとぐら」と言うフレーズが、あまりにもインパクトがあって、忘れられません。「へこたれないぞ」じゃないんだ……。かわいくて、ほのぼのとしたお話なのに、なんだかこういうところに、のねずみのふてぶてしさ、たくましさがほの見えます。
考えてみれば、ぐりとぐらは、とってもちっちゃなのねずみなのに、いつもいつも自分より大きなものや、自分より大きな生き物に出会っても、一度もびっくりしたり、物怖じしたりしないのです。
大きな大きな卵だって、カステラにしちゃうしね。
物怖じせず、しぶとく、たくましく。そして、なんにでも面白がり、なんでも楽しみ、なんでもおいしく食べる。
シンプルなお話ですが、とても大切なことが書かれているように感じます。
ひらがなだけで書かれているので、読みやすい絵本です。もちろん、読み聞かせにも最適。くまさんのおうちがとってもかわいいし、おべんとう食べてる様子はとてもおいしそう。
もちろん、大人の和み本としても。春の季節にぴったりの絵本です。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はまったくありません。かわいらしい絵本です。あたたかみのある素朴な絵で、大人の和み絵本としてもおすすめです。
お話の中で、ぐりとぐらが体操したり、走ったりするので、読み終わったらお部屋の中で体操するのもいいですね。
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