【ロウソクの科学】理科をもっと好きになる!ファラデーの「ロウソクの科学」をわかりやすく解説。【世界一の先生が教える超おもしろい理科】【小学校中学年以上】
ふたごのきょうだい、陽菜と大翔は引っ越してきたばかり。まだ友だちもいないので、夏休みの自由研究で大弱りです。そんなとき、道で拾った英語で書かれた本にはさまれていた不思議なチラシ。「ロウソク理科研究所」と書かれたその場所に行くと、「原出先生」と言う、不思議な人に会いました……
この本のイメージ ロウソクの科学☆☆☆☆☆ 理科を身近に☆☆☆☆☆ ファラデーの妖精☆☆☆☆☆
ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科 ファラデー/原作 平野累次・冒険企画局/文 上地優歩/絵 角川つばさ文庫
<ファラデー>
マイケル・ファラデー(英: Michael Faraday、1791年9月22日 ~1867年8月25日)は、イギリスの化学者・物理学者。
直流電流を流した電気伝導体の周囲の磁場を研究し、物理学における電磁場の基礎理論を確立。それを後にジェームズ・クラーク・マクスウェルが発展させた。同様に電磁誘導の法則、反磁性、電気分解の法則などを発見。磁性が光線に影響を与えること、2つの現象が根底で関連していることを明らかにした。電磁気を利用して回転する装置(電動機)を発明し、その後の電動機技術の基礎を築いた。それだけでなく電気を使ったテクノロジー全般が彼の業績から発展したものである。(Wikipediaより)
<平野累次>
愛知生まれ。冒険企画局所属の作家兼ゲームデザイナー。主な著作は「超次元カードバトルRPG カードランカー」「駆け出しアイドルRPG ビギニングアイドル チャレンジガールズ」(ともに新紀元社刊)『ぼくの教室はふしぎ列車』(KADOKAWA)など。おしゃべりをしながらサイコロを振るゲーム、テーブルトークRPGの開発をしている。
<上地優歩>
三重県出身の漫画家・イラストレーター。雑誌やWEBでの作品執筆のほか、学習漫画や挿絵イラストなど幅広い分野で活動中。小学生のとき給食を食べるのがクラスで一番速かった。
このブログでは、定期的に、子供が勉強が楽しくなるような本のご紹介をしています。
激動の時代、様々なことを学んでいたほうが後の人生のためになるはずなのですが、学校の勉強と自分の将来がつながらず、苦しい思いをしている子も多いのではないでしょうか。
「意味がわからないことを我慢して頑張る」のにも限界があります。「知らないことを知ること」「わからないことがわかること」が楽しくなれば、努力も楽しくなります。
「辛いことを我慢する」のではなく、「努力を楽しむ」ことができれば、設定した目標を達成できなくても、楽しかった日々が残るはず……
理想論ではありますが、そんなふうな子ども時代になればと、「勉強が楽しくなる」本を、定期的にご紹介しています。
今回は、時々登場する、科学大好き自然大好きプログラマーの熱烈プレゼンでこちらの本をご紹介。
角川つばさ文庫の「ロウソクの科学」です。初版は2017年。
これは、「ロウソクの科学」を今の子どもたちにわかりやすく解説した児童書。「ロウソクの科学」とは、イギリスの科学者マイケル・ファラデーが、1860年のクリスマス・レクチャーとして英国王立研究所で当時の子どもたちに連続講演した6回分の内容を、ウィリアム・クルックスが編集したものです。原題はThe Chemical History of a Candle.
ファラデー博士は、子どもたちに「科学」や「学問」を、もっと身近に、楽しんでもらいたいという願いから、科学的なものの考え方とらえかたを、身近なロウソクを題材にして子どもたちに教えました。
その「ロウソクの科学」を、ファラデーの妖精のような不思議な不思議な原出先生が、現代の子どもたち陽菜と大翔に教えてくれる、と言うストーリーです。
さて、ここから先はわたしが説明するよりも、くだんのプログラマーに登場していただきましょう。では、どうぞ!
たった一本のロウソクを燃やすことで、子供たちの科学する心に火を灯そうというのです。
ロウソクはどうやって作られるのか、なぜ燃えるのか、炎はなぜあんな形をしているのか。というごくごく素朴な疑問からはじまり、熱や光、燃焼とは? 空気とは? 水とは? そして元素や電気といった、自分たちを取り巻く世界や自分たち(人体のしくみ)についてまで、科学的に考える方法を、子供たちの前で実際に実験をしながら丁寧にわかりやすく説明をしてくれたのです。
あんまりすばらしく、わかりやすい内容なので、その講演内容はそのまま『ロウソクの科学』という本になり、科学の入門書としてその後も世界中で読まれてきました。
ただし、最初に書いたようになにしろ160年前(日本ではまだ江戸時代のおわりごろですよ)の実験なので、今ではちょっとわかりにくくなってしまった部分もあります。
そこで本書です。
こちらはファラデー先生ご本人ではなく、ファラデー先生のファンだという原出(はらで)先生が登場。
夏休みの自由研究に困っている子どもたちに『ロウソクの科学』を題材にして、興味をひくエピソードとともに現代風にアレンジした実験を行っていくストーリーになっています。
タイトルのとおり、ちゃんと『ロウソクの科学』していて、原書そのままに初心者向けの内容ながらけっこう高度な実験にまで話はすすみ、ちゃんと『超おもしろい』内容になっています。
ちなみに、原書の「ロウソクの科学」を本の形にまとめたウィリアム・クルックスさんと言う人は、その序文で『(この本の)読者の中から幾人かは、その生涯を科学の追求にささげるだろう』と書いています。
実際、2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野彰先生もこの『ロウソクの科学』を読み感激して科学の道に進んだそうですし、
2000年のノーベル化学賞受賞の白川英樹先生は『ロウソクの科学』の写真入り解説本の監修者もされています。
その前にもきっとこの本で科学する心に火がついて、科学者になった人たちは沢山いたはずです。
序文の最後には、本を読んで科学する心に着火した(はず)の子供たちにむけて
『科学のともし火は燃えあがらねばならぬ。 炎よ行け。』
とエールが送られています。
この本「ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科 」を読んだら、主人公たちと同じように楽しく科学する心に火がついて、燃え上って、未来のノーベル賞が取れちゃうかも。
そんな未来の科学者もしかしたら? いいえ、きっと生まれてくることになると思います。
ありがとうございました!
国語、算数、理科、社会、美術、体育、語学、子どもの頃は出会うものがすべて新鮮。そして、それらのなかで、何かが好奇心を刺激してくれるかもしれません。学問との幸せな出会い、関わりがあれば、子どもの学校生活はぐんと楽しくなります。
「勉強は辛いことを我慢して頑張ること」ではなく、「知らないことを知るのは楽しいこと」。
そんなふうに、「学び」とかかわりあうことが出来たら、人生はもっともっと楽しくなるかもしれません。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。ファラデーの妖精のような原出先生が、子どもたちに科学を判りやすく教えてくれるという、ストーリー仕立ての知育本です。
理科が好きでたまらないお子さまにも、いまいち学校の理科がつまらないお子さまにもおすすめです。
読後はキャンドルをつけておやつタイムも楽しいかも!
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