【カラーモンスター】あなたは今どんな気持ち?小さな子どものメンタルコントロール絵本【きもちはなにいろ?】【3歳 4歳 5歳】
このこはカラーモンスター。このこの「きもち」はとてもふくざつ。しかも、じぶんがなぜふくざつなのか、わかっていません……。小さな子どもの気持ちを整理する、新感覚の絵本です。
この本のイメージ 自分の心と向き合う☆☆☆☆☆ 心を整理する☆☆☆☆☆ メンタルコントロール☆☆☆☆☆
カラーモンスター きもちはなにいろ? アナ・レナス/作 おおともたけし/訳 永岡書店
<アナ・レナス>
スペイン・バルセロナ生まれ。UAB大学(Autonomous University of Barcelona)で、広告とPRを学んだ後、グラフィックデザインを専攻。広告代理店勤務からイラストレーターに転身。アートと感情に関する教育の場で教師、アート・セラピストとしても活動している。本作「カラーモンスター きもちは なにいろ?」は、自身が絵と文の両方を手がけた最初の絵本。
<おおともたけし>
大友 剛(おおとも たけし)
自由の森学園卒業後、アメリカ・ネバダ州立大学で音楽と教育を学ぶ。卒業後帰国し、フリースクールに勤務。また、音楽事務所で作編曲、演奏。現在「音楽とマジックと絵本」の組み合わせで活動。訳書に「ねこのピート」シリーズ(ひさかたチャイルド)、「えがないえほん」(早川書房)など。東日本大震災後、被災地に音楽とマジックを届けるプロジェクト『Music & Magic キャラバン』を立ち上げる。全国の被災地で展開中。
原題はThe Color Monster: A Story About Emotions.アメリカでの初版は2012年。全世界で累計200万部以上のロングセラー。日本での初版は2020年です。
あなたは今どんな気持ち?
大人でもあんまり考えたことがありません。
なんだかモヤモヤしていたり、イライラしていたり、そわそわしていたり……はっきりと言葉にならないような気持ちを抱えて1日過ごすことももあるはず。
「今日は調子悪いな」「なんだかスムーズに行かないな」というとき、それは気持ちが整理されていないとき。
「今日はいい気分だ」とか「今日の気分は最悪」とか、大人でもよく言う言葉ですが、気持ちや気分ってそんなに単純に「良い」「悪い」で分けられるものでしょうか?
人はすぐ、何もかも「良い、悪い」で区別したがります。でも、世の中のすべてが善悪の二色で分け切れないように、心もそんな簡単なものではありません。すべてが白と黒だけで分けられたら、そりゃあ簡単で便利かもしれないけれど、そうでないから世界は面白いのです。
「カラーモンスター」は小さなお子さまのメンタルコントロールのための絵本です。
この絵本では小さなお子さまの心をカラフルな色で表現しています。どの感情が「良い」、どの感情が「悪い」と決め付けるのではなく、心に色をつけることで新しい視点を与えてくれるのです。
黄色はお星さまのように嬉しい気持ち。
青色は雨の日のような哀しい気持ち。
赤は炎のような怒りの気持ち。
黒は不安で怖い気持ち。
緑は葉っぱのような、穏やかな気持ち。
こんなふうに複雑にこんぐらがった「心」を色分けしてゆくのです。
自分ではどうすることもできないモヤモヤやイライラを抱えるのは子どもも同じこと。
小さな子どものほうが、自分の気持ちをもてあましてしまうのです。
けれど、そういう子には豊かな感受性があります。
哀しいことや傷つくこと、怒ることが必ずしも「悪い」ことではありません。他人の痛みに哀しんだり、誰かのために怒ったり、負けず嫌いで闘志を燃やすことが人生を豊かにすることはあります。
と同時に、喜びや楽しみが場合によっては必ずしも「良い」感情でない場合もあります。
「良い、悪い」の白黒二色で分けないだけで、こんなに世界はカラフルで美しくなる……!
カラーモンスターは自分の心と世界を美しくしてくれる、多角的な視点をくれる絵本です。
小さな子どもの視点はまだまだ自分の周囲の狭い範囲でおさまりがち。でも、この絵本が多くの子どもたちに愛されている事実こそが、子どもの心はそんなに狭苦しいものじゃないことを教えてくれています。
字はすべてひらがななので、50音が読めればお子さまひとりでコツコツ読むことが出来ますが、これはぜひ、読み聞かせに。
小さな心が「良い悪い」の白黒の世界からカラフルな世界へと心が羽ばたいて、たくさんの素敵なものを発見できますように。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。小さなお子さまの心を整理し心のセルフコントロールができるようになる絵本です。感受性のするどいHSCのお子さまにとくにおすすめです。
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