【おかあさんだいすきだよ】母への愛情があふれる、かわいい絵本。母の日に。【3歳 4歳 5歳】
ぼくね おかあさん だいすき。 おかあさんは「はやくおきなさい!またねぼうでしょ」っていうけれど・・・やさしく「おはよう」っていいながら ぎゅうって だっこしてくれたら ぼくね もっとおかあさんのことだいすきだよ・・・
この本のイメージ 親への愛☆☆☆☆☆ 子への愛☆☆☆☆☆ 自己肯定感☆☆☆☆☆
おかあさんだいすきだよ みやにしたつや/作・絵 金の星社
<宮西達也>
1956年、静岡県生まれ。日本大学芸術学部美術学科卒業。作品に、「おまえうまそうだな」(けんぶち絵本の里大賞)「おれはティラノサウルスだ」「あいしてくれてありがとう」(けんぶち絵本の里大賞・びばからす賞)「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」「パパはウルトラセブン」(ともにけんぶち絵本の里大賞)「うんこ」(けんぶち絵本の里大賞・びばからす賞)「大きな絵本 にゃーご」(第38回造本装幀コンクール展読書推進運動協議会賞)「ちゅーちゅー」(けんぶち絵本の里大賞)「きょうはなんてうんがいいんだろう」(講談社出版文化賞・絵本賞)「ふしぎなキャンディーやさん」(日本絵本賞・読者賞)など多数ある。
今年の5月14日は母の日。
なので、母と子にちなんだ絵本をご紹介しています。
本日ご紹介するのは、「ティラノサウルスシリーズ」のみやにしたつや先生の絵本。初版は2014年。
これは、小さな男の子からおかあさんへのメッセージ絵本のかたちをとっています。
「ぼくおかあさんだいすき」からはじまって、
「おかあさんは『はやくおきなさい! またねぼうでしょ』っていうけれど・・・やさしく『おはよう』っていいながら ぎゅうって だっこしてくれたら ぼくね もっとおかあさんのことだいすきだよ・・・」(引用)
こんなふうに、「おこらないでくれたら」「ほめてくれたら」と言う小さな子どもの想いが綴られています。
一見、がんばっているおかあさんにダメだしをしている本のようにも見えますが、わたしはそうは受け取りませんでした。
この絵本には最初から最後までおとうさんは登場しないので、もしかしたらなんらかの事情でおとうさんはいないのかもしれません。 そうすると、おかあさんは毎日きりきり舞ですから、余裕もなくがみがみ怒ってしまうかも。
それでも、男の子はおかあさんが大好きで「でももうちょっとやさしくしてくれたらいいのになあ・・・」と思っているところがかわいい。
これは、親子だけでなくコミュニケーションの本でもあります。
相手に「こうしてほしい」と思ったとき、「~しなさいよ!」と怒ってもなかなか上手くいかないけれど、「こうしてくれるとうれしいなあ」と言うと耳を傾けてくれたりもする。
子どものほうもそうで、ただ手足をじたばたさせて泣き叫んでも親は言うことを聞いてくれないけれど、ちゃんと話をしたら聞いてくれるのかも。
子育て中のおかあさんがこの絵本を読んだら、もしかしたら余裕のないときは傷ついてしまうこともあるかも。
だから、ただいま格闘中の方にはむしろ向かない絵本かもしれません。
おそらくは、親子喧嘩の翌日に親子で一緒にこれを読んでなかなおりできたら……と言う意図があるように思うのですが、そうできれば素晴らしいけど、そう簡単にそうもならないこともあるかもしれません。
けれど、子どもが少し大きくなってから「あのときはごめんね」という意味でお誕生日にプレゼントしてもいいし、我が子の成人祝いにプレゼントするのもいい本だな、と感じました。
成人した子どもが「あなたの愛は伝わってましたよ」と言う意味で、お母さんにプレゼントしてもいいかもしれませんね。
また、もしも、なんらかの事情で苦しい子ども時代を送った方には、自分の心の中にいる子ども時代の自分を慰め、心の中のイマジナリーな母親との和解に役立つかもしれません。
「ほんとうは、あのとき、こう言ってほしかったんだ・・・」との想いが、歯を食いしばっていた小さな自分を癒してくれるかも。
絵本には、そのような効果があるのです。
万人におすすめできるタイプの絵本ではないのですが、必要な人に届けば大きな癒しになるのではないかと思いました。
わかっていても、うまくやるのは難しい。人間ならば、それは誰しも同じことです。
けれど、底に流れる想いは純粋なはず。
求めている人のところへ届きますように。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
現在必死で育児をされているお母さまには、心に刺さりすぎてしまうものがあるかもしれません。繊細な方は落ち着いた頃にお読みになることをおすすめします。
母と子のお話ではありますが、コミュニケーションの本でもあります。
成長したお子さまのお誕生日祝いや成人祝い、就職祝いのプレゼントに添えると気持ちが伝わるかもしれません。
最近のコメント