【はりねずみのルーチカ】はりねずみと仲間たちのほのぼの動物ファンタジー。シリーズ第２巻。【カギのおとしもの】【小学校中学年以上】
ある日、ルーチカの家の前に小さなカギが落ちていました。カギには葉っぱで作られたカードがついていたのですが、あいにくカードは虫に食べられていて……（はりねずみのルーチカ カギのおとしもの かんのゆうこ/作 北見葉胡/絵 講談社）
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ ほのぼの☆☆☆☆☆ 友情☆☆☆☆☆
はりねずみのルーチカ カギのおとしもの かんのゆうこ/作 北見葉胡/絵 講談社
＜かんのゆうこ＞
1968年、東京生まれ、東京女学館短期大学文科卒業。主な絵本に「ふゆねこ」などの四季ねこシリーズ、「カノン」、「星うさぎと月のふね」「マルーシカと12の月」(以上、講談社)「碧空のかけら~チベットの子どもからのおくりもの」(エイト社)など多数。「星うさぎと月のふね」はプラネタリウム番組化され、各地で上映されている。
＜北見葉胡＞
1957年、神奈川県生まれ。武蔵野美術短期大学卒業。主な絵本に「カノン」(講談社)「そらの木」(岩崎書店)「リトル・レトロ・ラム」(理論社)「小学生になる日」(新日本出版社)「絵本・グリム童話シリーズ」(岩崎書店)など。「タマリンとポチロー」(講談社)で、2005年ボローニャ国際絵本原画展入選。「ルウとリンデン 旅とおるすばん」(講談社)で、2009年ボローニャ国際児童図書賞(ラガッツィ賞)受賞。
心優しいはりねずみとフェリエの森の仲間たちのストーリー「はりねずみのルーチカ カギのおとしもの」は、2013年10月初版です。
このシリーズはどの巻も一応一話完結でどこから読んでもわかるように書いてありますが、ルーチカとフェリエの森の仲間たちの基本設定を理解するためにはまずは第１巻「はりねずみのルーチカ」からお読みになったほうがわかりやすいでしょう。
「はりねずみのルーチカ」のレビューはこちら↓
https://www.mmanorhouse.com/2021/11/17/post-8687/ 今回のお話は三篇の短編。
表題作「カギのおとしもの」のストーリーは……
ルーチカがお出かけしようとすると家の前に小さなカギが落ちているのに気づきます。
カギには葉っぱで作ったメッセージカードがくくりつけてありましたが、あいにく葉っぱは虫に食べられていて何が書いてあったのかがわかりません。
「お ください」としか読めなくなっている葉っぱのメッセージカード。
本当はなんて書いてあったのでしょう。
はりねずみのルーチカはもぐらのソル、妖精のノッコ、笛吹きのトゥーリ、てんとうむしのニコたちとカギの謎を解こうとします。そして……
と、いうのがあらすじ。
その他、もぐらのソルが不思議な実を食べてしまう「レペテの実とふしぎなたね」、フェリエの森のみんなでお月さまの素敵な伝説を劇にする「うれしかったお月さま」が収録されています。
「うれしかったお月さま」は、ちょっぴり「幸福の王子」のようなテイストがあるのですが、ほのぼのとしたハッピーエンド。フェリエの森のみんなのあたたかい絆も感じられます。
おなかがすいている動物に出会ったらすぐに食べさせてあげられるようにいつも頭にりんごを乗せているルーチカ。みんなに食べてもらうためにコケモモのジャムを作るのが大好きなルーチカ。
「誰かを笑顔にしたい」と言う気持ちがいつもこの物語の底には流れています。
文章は平易で読みやすく、漢字も少なめで簡単な漢字以外には振り仮名が振ってあります。小学校中学年から。読み聞かせなら低学年から大丈夫。賢い子ならひとり読みもできるでしょう。
ボリュームの割には短編集ですので、すいすいと読めてしまいそうです。
すべての見開きに北見葉胡先生のほんわかしたやさしい挿絵が入っており、フェリエの森のみんなのあたたかい気持ちが伝わってきます。ルクルとクプルの作ったお菓子はなんとも美味しそう。
秋にぴったりのストーリー三本が収録された「はりねずみのルーチカ カギのおとしもの」。
お天気がよくない秋の日は、おうちで読書がおすすめです。
マグカップにお気に入りの飲み物をなみなみと注いで、ひざかけを掛けたら秋の読書タイム。
ほっこりしたい午後にぜひどうぞ！
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はいっさいありません。ほのぼのとした心あたたまるメルヘンファンタジーです。「ムーミン」や「ぼのぼの」、「こそあどの森」など、動物や妖精が登場する不思議ファンタジーがお好きならおすすめです。
ルクルとクプルの作るお菓子がとにかくおいしそう。
読後はモンブランとあったか紅茶でティータイムを。
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