【わかくさのおかで】のうさぎ一家の春のピクニック。ラビッタちゃんシリーズ絵本の2冊目【4歳 5歳 6歳】
ラビッタちゃんは、山でくらす、うさぎの女の子です。雪がとけて春がきて、今日は楽しいピクニック。ラッタ、ラッタ、ラビッタ、ラッタ。ラビッタちゃんと妹のピョコラッタちゃんは大喜びです。
この本のイメージ 家族愛☆☆☆☆☆ うさぎかわいい☆☆☆☆☆ 美しい絵☆☆☆☆☆
わかくさのおかで かじりみな子/作 偕成社
<かじりみな子>
1976年、兵庫県姫路市生まれ。武蔵野美術大学油絵学科卒業。学生時代はサイクリング部に所属し、自転車三昧の日々をおくる。卒業後「あとさき塾」にて絵本作りを学び、娘の成長をきっかけに本格的に創作をはじめる。さし絵に「ドリーム・アドベンチャー~ピラミッドの迷宮へ~」がある。絵本は本作がはじめて。現在、東京都小平市にて夫と二人の娘とともに、山あり谷ありの毎日をおくっている。
このブログでは、定期的に、親子愛や家族愛にあふれた絵本のご紹介をしています。
なぜなら、幼い頃の家族との関係は、成長した後の自己肯定感に大きく影響するから。
「自分がまだまだ幼く頼りなかった頃に、無条件に守られ愛された記憶」は、大人になったときに確かな自信になってその人を支えます。
自己肯定感を、わかりやすい言葉で言い換えれば、「根拠の無い自信」のこと。「なぜだかわからないけれど、自分は大丈夫、たぶん大丈夫なんだ」、と思える気持ちのことです。
自己肯定感の高い人は、「たとえ自分が未熟で間違っていても、自分は大丈夫なんだ」と思えるので、自分の欠点を素直に認めることができます。ですから、欠点や過ちを認めようとしない自己中心主義や自己愛とは、似て非なるものなのです。
自己肯定感が高い人は、困難に打ち勝つ力が強く、幸福感を感じやすいといわれています。
その、自己肯定感の土台になるのが、幼少期に「無条件に肯定された」記憶なのです。
とはいえ、現代社会の子育ては、毎日が戦いでもあります。忙しい親が仕事をしながら家事育児をこなし、食事を作り、後片付けをし、お風呂にいれて着替えさせ、そして、送り迎えをする……
それだけでへとへとになってしまうことも確か。そこで「ちゃんと肯定してあげてるだろうか」とか、「安心感を与えてあげているだろうか」と悩み始めたら、心の穴にはまってしまうこともあるかもしれません。
そんなとき、力になってくれるのが絵本です。
適切な言葉かけをしてあげられなくても、絵本が小さなお子さまの心に、あたたかい家族愛を伝えてくれます。気の効いた言葉を口に出せなくても、絵本を読んであげることはできます。
絵本は、子育ての力強いサポーターです。
この「ラビッタちゃん」のシリーズは、うさぎの女の子ラビッタちゃんの一家の幸せストーリー。ラビッタちゃんはパパとママの愛をいっぱい注がれて、すくすくと成長しています。妹のピョコラッタちゃんとも仲良し。
今日は、家族みんなで丘にピクニックにおでかけです。
ママが作ってくれたおべんとうが最高においしそう。こけもものジュースと、たんぽぽの葉っぱにベリージャムをのせたにんじんサンドイッチ、いちごを乗せてかりかりに焼いたライ麦パイ。
にんじんサンドイッチというのは、パンの替わりににんじんを使ったサンドイッチのこと。うさぎさんにはきっとごちそうなのね。
丘につくと、動物たちがくつろいでいます。カピバラさん一家も一足先にピクニックに来ていたようです。
みんなでお弁当を食べた後、ラビッタちゃんとピョコラッタちゃんは野原を探検に。その途中、ラビッタちゃんはピョコラッタちゃんとはぐれてしまいます。困ったラビッタちゃんは……
……と、いうのが今回のあらすじ。(大丈夫、ハッピーエンドです)
ラビッタちゃん一家だけでなく、カピバラさん一家やふくろうさん、オオカミさん、わにさんなど、動物たちがリアルなのに愛らしい。リアルとデフォルメの配分が絶妙なのです。
ラビッタちゃんたちの服は、ラップランドのサーミという人々の民族衣装なのだそうです。すごくおしゃれでかわいいですね。
ラストでは、パパにおぶってもらうラビッタちゃん。パパとママのあふれんばかりの愛が、感じられる、ほのぼの絵本です。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。繊細な書き込みが美しく、そしてラビッタちゃんのつぶらな瞳が愛らしい、動物ファンタジー絵本です。
ラビッタちゃん一家が幸せそうで、そして、おべんとうがとてもおいしそうで、読んでいるだけで心が和みます。うさぎ好きのお子さまに。大人の和み絵本に。
また、おべんとうのにんじんサンドイッチがとてもおいしそうなので、野菜が苦手なお子さまの食育に、もしかしたら効果があるかもしれません。
読後は、濃くいれたあたたかいミルクティーと、ベリーのジャムをそえたにんじんケーキでティータイムを。
最近のコメント