【歴史探偵アン&リック】歴史の謎を解くバディ誕生! きっと歴史が好きになる、わくわくの第1巻。【里見家の宝をさがせ!】【小学校中学年以上】

2024年4月6日

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歴史探偵アン&リック 里見家の宝をさがせ!  小森香折/作 染谷みのる/絵 偕成社

わたし、花畑杏珠。ひょんなことからママが古いお屋敷を相続したのがきっかけで、母娘ふたりで千葉にひっこしてきたの。ところが相続した波佐間屋敷には、謎がいっぱい。秘密の家宝あるみたい……

この本のイメージ 歴史ミステリー☆☆☆☆☆ 凸凹バディ☆☆☆☆☆ 宝探し☆☆☆☆☆

歴史探偵アン&リック 里見家の宝をさがせ!  小森香折/作 染谷みのる/絵 偕成社

<小森香折>
東京都に生まれる。「ニコルの塔」でちゅうでん児童文学賞大賞、新美南吉児童文学賞を受賞。作品に「歴史探偵アン&リック」シリーズ、「夢とき師ファナ」「時知らずの庭」「ウパーラは眠る」など、翻訳に「リスベート・ツヴェルガーの聖書物語」などがある。

<染谷みのる>
奈良県に生まれる。イラストレーター、漫画家。書籍の装画や挿絵、雑誌での漫画執筆を中心に活動

 わたしの幼い頃は、夜八時から週に二回か三回おきまりの時代劇を、そして夕方の四時から毎日テレビで時代劇の再放送をしていて、それを見るのがたいていの家の娯楽でした。夜の本放送の時代劇を大人たちが楽しみ、夕方の再放送は小さな子どもと老人が一緒に楽しむと言う感じです。

 内容は史実どおりではなく、荒唐無稽なものばかり。お奉行さまや将軍さまが一般人のふりをして市中で大立ち回りを繰り広げたり、大名のお姫さまが正体を隠して正義の味方になったり。
 よくよく考えたらありえないお話なのですが、うまく演出していて「どうせラスト5分で解決するんでしょ」と思いながらも夢中で見ていたものでした。

 日本の近代化にともない、ロケ地の不足から時代劇はめっきり減ってしまいましたが、最近は特殊メイクやCG技術が進化してきたので、再び時代劇の時代がやってくるかもしれません。頭を剃らなくても剃髪すがたや月代がつくれるようになり、髪型の自由度も上がりました。

 わたしが大好きな「魔界転生」や「里見八犬伝」のような歴史とフィクションが入り混じったファンタジーも、今の技術を使えば、よりダイナミックで幻想的な作品に仕上がりそうです。

 また、「~家の埋蔵金」とか「~は実は生きていた!」系の歴史ミステリーも大好物。
 本当の話も架空の話も、そして本当か創作かわからないお話も、ロマンがあります。今「史実」とされていることでも後世の創作だったと判明することもあるので、歴史はミステリーとロマンの宝庫です。

 学校で年号だけを暗記しているだけだとまったく楽しくない「歴史」ですが、たくさんのキャラクターが登場する「群像物語」だと思うと、ぐぐっと面白くなってきます。学生時代にこの楽しさに気づいていたら、修学旅行ももっと面白かったでしょうねえ……。

 そんなわたしが、ビビッと来たのがこれ。
 「青の読み手」の小森香折先生の「歴史探偵アン&リック」シリーズ。
 ファッション大好きのアンと歴史大好きのリックが歴史にまつわる謎を解明し現代の事件を解決する新感覚のミステリーです。第1巻の「里見家の宝をさがせ!」は、2014年初版。

 第1巻のお話は……

 ひょんなことから遠縁の古いお屋敷を相続することになった花畑母娘。
 花畑杏珠は、母の紗和とともに千葉県市川市の波佐間屋敷に引っ越してきました。

 しかし、このお屋敷には相続の条件として三つの家訓があります。

 ひとつ。菊を植えるべからず。
 ふたつ。日光に行くべからず。
 みっつ。家宝を売るべからず。

 「家宝」って何?

 誰に聞いても知らないといいます。
 そんなとき、杏珠は同じクラスの石松陸と出会います。
 陸は、歴史に詳しくて、すっごく頭が良いみたい……

 波佐間屋敷のもとの持ち主、千鶴子さんと親しかった陸。
 杏珠と陸は、タッグを組んで波佐間家の家宝の謎の解明に乗り出します……

 ……と、いうのがあらすじ。

 「南総里見八犬伝」(この話は創作)で知られる里見家の滅亡の謎を解きながら、史実とフィクションの入り混じったミステリーを杏珠と陸のコンビが解いてゆくストーリー。

 今回は、二人の出会いと、アン&リックコンビ誕生のエピソードが描かれます。
 家宝を狙う悪者もいて、彼らを撃退し宝を探し出すのが今回のミッション。

 人のいい花畑母娘は悪人への警戒心がなく、どんどん騙されてゆくのを手出しできずにいる陸のもどかしさと読者のじりじりした気持ちが重なります。そうそう、こう言うときが一番イライラするんですよね。

 でも、終盤は陸が大活躍。すっきり気持ちのいいラストです。

 楽天的で好奇心いっぱいの杏珠とリサーチ能力推理力抜群の陸は、いまはまだぶつかってばかりだけど、いいコンビになりそう。

 文章は読みやすく、一章ごとに杏珠と陸の一人称が交互に入る形で進行します。難しい漢字には振り仮名がふってあるので、小学校中学年から。並行して歴史も調べるとさらに楽しくなりそう。

 おしゃれは大好きだけど歴史のことはぜんぜんわからない杏珠が陸に教えてもらうという形をとっているので、とっつきやすく、難しげに感じられる歴史にすんなり興味がもてるように書かれています。

 このシリーズはあと3巻あるようで、毎回、歴史の謎と秘宝を追うお話のよう。楽しみです。

 かわいくて、楽しくて、謎がいっぱい冒険いっぱいの「歴史探偵アン&リック」。
 時代劇や大河ドラマが大好きなご家庭なら、おすすめです!
 冬のおうち時間にぜびどうぞ!

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。学校の授業だけではとっつきにくい歴史の面白さに気づかせてくれる冒険小説です。正反対のアンとリックがぶつかりながら仲良くなってゆくお話なので、男の子でも女の子でも楽しめると思います。
 読後は琥珀糖とお茶でひと休み。

 

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