【りすとかえるのあめのたび】雨のシーズンにぴったりの絵本。しずかでやさしい、冒険の旅【3歳 4歳 5歳】
この本のイメージ 動物ファンタジー☆☆☆☆☆ 雨の日☆☆☆☆☆ しずかな冒険☆☆☆☆☆
りすとかえるのあめのたび うえだまこと/作 BL出版
<うえだまこと>
1973年静岡県生まれ。画家。絵本や装画を多く手がける他、絵本制作、ライブペインティング、音楽など幅広く活動。「マーガレットとクリスマスのおくりもの」(あかね書房)で日本絵本賞を受賞。絵本に「スケッチブック」(ゴブリン書房)、「まじょのデイジー」(のら書店)、「ぼくはかわです」(WAVE出版)、「おやすみのあお」(佼成出版)、「りすとかえるとかぜのうた」(BL出版)、装画・挿絵に「セロ弾きゴーシュ」(あすなろ書房)、「リスのたんじょうび」(偕成社)、「時知らずの庭」「チョコレートのおみやげ」(BL出版)など多数。
雨の季節にぴったりの絵本のご紹介です。初版は2022年。
りすとかえるは友だち同士。
今日は、ふたりで旅にでかける約束をしていました。
ところが雨がふりはじめ、りすはがっかりしてしまいます。
けれど、かえるにとっては、とてもいい天気。
結局、ふたりは予定通り、しずかな雨の中、ボートで川くだりをすることにします。歌を歌いながら…
途中で霧に囲まれたり、大きな葉っぱをかさにしたり、はなればなれになったりと、思わぬこともありながら、ふたりの旅はとても楽しいものになったのでした……。
ざあざあという雨ではなくて、霧のような雨が降りしきる日。
細かな水滴が空気の振動を遮断するので、霧雨の日はおどろくほど静かです。
そんな静かな日に、りすとかえるは冒険の旅にでます。
りすにとっては、驚くようなことばかり。けれど、仲良しのかえると一緒だと、雨の旅も格別に楽しいのでした。
動物ファンタジーは、多様な人々の比喩であるとされています。
実際には、りすとかえるが仲良くなることはまずありませんが、りすのように晴れた日に木の上で木の実を食べるのが大好きな動物と、しとしと雨が大好きなかえるのように、ちがいすぎる人どうしがそれぞれの特性をこえて仲良くなるお話にはロマンがあります。
りすは、今回雨の中、かえると川くだりをすることで思いもよらなかった体験をたくさんするのでした。
同じ趣味、同じ出身地など自分と似たところがある人とは共感できることが多くて仲良くなりやすいものです。
しかし、まったく共通点のない人と友だちになるのも楽しいものです。毎日が発見の連続です。
静かな静かな雨の日の冒険物語です。
文章は平易で読みやすく、すべてはひらがなとカタカナ。見開きにだいたい10行くらい。
五十音が読めれば、ひとりでコツコツ読むことができます。絵本としては少しボリュームがあるほうなので、読み聞かせにも。
雨の日にぴったりの絵本です。
今のシーズン、お出かけできない週末の読書にぜひどうぞ。
繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)
ネガティブな要素はありません。
雨の日の、しずかな冒険の物語です。いつもは木の上で暮らしているりすが、かえるの暮らす世界を垣間見ます。
HSCのお子さまのほうがより多くのメッセージを受け取れるでしょう。
最近のコメント