【ねえ、ほんよんで!】ウサギとカメは親友同士。違いすぎるふたりだけど、本が大好きで……【絵本】【3歳 4歳 5歳】

2024年4月10日

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ねえ、ほんよんで!  レイン・マーロウ/作・絵  福本友美子/訳  徳間書店

うさぎくんはいつもじっとしていられません。とてもせっかちで、なんでも早くやりたがります。けれど、かめくんはとてものんびり。じっくりじっくりやるのです。そんなふたりだけど、本が大好きなのです……

ねえ、ほんよんで!  レイン・マーロウ/作・絵  福本友美子/訳  徳間書店

<レイン・マーロウ>
大学で美術史とイラストレーションを学んだのち、「Words about Pictures」という作品を制作。図書館で働き、子育てを始めてから、絵本という形式の魅力に目覚め、幼い子ども向けの絵本を作りはじめる。現在は、英国のハンプシャーで夫とふたりの子どもと暮らしている

<福本友美子>
慶応義塾大学卒業後、公共図書館勤務を経て、児童書の研究、評論、翻訳などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 原題はHurry up and slow down.イギリスでの初版は2008年、日本での初版は2009年です。

 うさぎくんとかめくんは、大の仲良し。
 いつも一緒に遊びますが、ふたりのペースはずいぶん違います。

 うさぎくんは、ちっともじっとしていられず、とてもせっかちです。
 かめくんは、いつものんびり、マイペース。

 一緒に遊ぶときは、かめくんをせかしてばかりのうさぎくん。

 ところが、本を読むときは逆なのです。

 ふたりは本が大好きで、うさぎくんはかめくんに本を読んでもらうのがすきなのですが、本を読むときだけはかめくんのスピードが速すぎて、うさぎくんはついてゆけないのでした……

 ……と、いう、とってもかわいい絵本です。

 うさぎとかめは、親友同士でもあり、親子のようでもあり、きょうだいのようでもあります。
 おちつきのないうさぎくんに、ゆっくりゆっくり、本を読んであげるかめくんの姿にはほのかな母性も感じさせます。
 日本では、小さな子どもは子どもらしく、運動場でドッジボールやかけっこをして遊ぶことが健全とされ、室内で本を読む子はあまり「子どもらしい」とされないところがあります。

 しかし、幼児期にどれだけ本を読んでいるいるかで、成長してからの読書量が決まってきます。

 大人になってから、仕事や日常生活で「文章を読む」ことは子ども時代の想像以上に必要となります。

 仕事の調べ物だけでなく、携帯電話やクレジットカードの契約書、電子機器の説明書などなど……長々とした文章を読んで理解しないといけない局面が多いのです。

 いきなりそれらに対応するのはかなり困難なので、やはり子どものころから「文章を読む」ことに抵抗感がない環境にあるほうが、大人になったときにずっと生きやすいはず。

 元気で落ち着きのないうさぎくんは、とても子どもらしい子どもです。
 一方、かめくんのような子は、一般社会では「かわいげがない」と言われがち。

 けれど、この違いすぎるふたりが、かめくんが読み聞かせをしてうさぎくんが聞くという形で、本を楽しみ、わかりあうことができるのです。

 ちがうものどうしがわかりあうこと、遊ぶ楽しさ、本を読むことのすばらしさなどを描いた絵本です。
 絵は少しディフォルメされていて可愛らしく、表情豊かで、植物や虫などはリアルで自然への愛情を感じます。

 字はすべてひらがなとカタカナ。五十音が読めれば一人で読むことができますが、これはぜひ、読み聞かせで。

 本が好きなお子さまへ、またはお子さまに本好きになってほしい保護者の方、また、大人の和み絵本としてもおすすめです。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 ネガティブな要素はありません。
 本を読むのが大好きになってしまう絵本です。読後はカモミールのお茶でひとやすみ。

 

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