【モカと幸せのコーヒー】哀しいときには、とっておきのコーヒーを。コーヒー好きのあなたにおすすめのあったか絵本【子どもから大人まで】

2024年4月6日

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モカと幸せのコーヒー 刀根里衣/作 NHK出版

ぼくは心も体もつかれきっていた。いつのまにか、いすに座ったまま眠ってしまっていた。ふと目が覚めると、不思議な鳥の形のカップと、小さなうさぎがコーヒーをいれてくれたんだ…… コーヒーがだいすきになる、心温まるファンタジー。

この本のイメージ コーヒー☆☆☆☆☆ ファンタジー☆☆☆☆☆ 癒し☆☆☆☆☆

モカと幸せのコーヒー 刀根里衣/作 NHK出版

<刀根里衣>
1984年、福井県生まれ。2007年、京都精華大学デザイン学部 ビジュアルコミュニケーション学科卒業。2010年、制作した絵本のサンプルが、ボローニャ児童書ブックフェアの会場でイタリア人編集者の目にとまり、翌年、絵本作家としてデビュー。それを機にイタリアに渡り、ミラノを拠点に創作活動を行っている。本書は、2012年にボローニャ国際絵本原画展に入選した「まほうつかいうさぎと100のコーヒー」を絵本化した作品である。2013年には同原画展において国際イラストレーション賞を受賞。幻想的、かつ繊細な筆致が高く評価され、メディア等でも話題となる。

 2016年4月初版。バレンタインシーズンにこのサイトでご紹介した「モカとつくるホットチョコレート」に登場する小さなうさぎの姿をした妖精、モカが初登場する絵本です。

「モカと幸せのコーヒー」は、知る人ぞ知る絵本で、コーヒーにこだわったおしゃれなカフェの本棚やマガジンラックにそっと飾ってあるのをよく見かけます。

 わたしはコーヒーと紅茶なら紅茶のほうが好きなのですが、そんなわたしでもこの絵本を読むと「コーヒー飲みたい!」と言う気持ちが湧きあがって来るコーヒー愛にあふれた絵本なのです。

 お話は……

 「ぼく」は心も体も疲れきっていました。
 いつのまにか椅子に座ったまま眠ってしまっていた「ぼく」。
 が、目を醒ますとそこには不思議な世界が広がっていました。

 鳥の形をしたかわいいカップたちと、コーヒー豆、小さなうさぎの姿をした不思議な生き物。

 「やあ、モカだよ」。

 このほっぺたの赤いうさぎ、どこかで見たような……

 疲れた「ぼく」のために、モカはいろんなコーヒーを次々と淹れてくれます。

 カプチーノ、エスプレッソ、マロッキーノ、カフェマキアート、アメリカン、コーヒーシェイク、ウィンナーコーヒー、大麦コーヒー、カフェラテ……

 ……と、いうのがあらすじ。

 この絵本を最後まで読むとモカの正体がわかります。
 ストーリーは「ぼく」が大人なこともあって、少しだけ大人っぽいつくりです。
 漢字交じりですが、すべての漢字には振り仮名が振ってあり、文章は読みやすいので、小さなお子さまでも50音が読めればコツコツ全部読むことができます。様々なバリエーションコーヒーが登場し、どれもかわいくておいしそうなので、一緒に読み聞かせをしても楽しそう。

 しかし、これはぜひ、大人の和み本に。

 日常のあれこれで疲れた心にモカの魔法がすべりこんできます。
 ほろ苦いコーヒーに好きなだけお砂糖をいれて、かわいいカップに注いで、ミルクやクリームをいれて……

 モカがつくってくれるコーヒーは、目にも楽しくて、そしておいしそう。

 そうですね、本当に疲れきったときは、思い切り泣いてあったかい飲み物を飲んで眠ってしまいましょう。モカのつぶらな瞳を見ていると、凝り固まっていた心がほぐれて「まあ、いいかな」と言う気持ちになってきます。

 心がしんどいとき、へとへとになったとき、部屋をあたたかくしてお気に入りの部屋着で、ゆっくりページをめくりたい絵本です。

 読み終わったらお気に入りのコーヒーを淹れて、ほっと一息。

 インスタントコーヒーでもいいんです。でも、そんなときは、少し温めたミルクをミルクフォーマーであわ立ててのっけてみましょう。ミルクフォーマーは100円ショップでも売っているし、あわ立てたミルクをのせたインスタントコーヒーは手軽なわりに驚くほど気持ちが浮き立ちます。(わたしはできませんが、世の中にはこの100均クリーマーでラテアートを作れるつわものがいるらしい)

 濃い目のコーヒーとバニラアイスクリームもいいですね。

 モカのつぶらな瞳を見ながら、温かいできたてのコーヒーをゆっくりゆっくり飲めば、懐かしい、大切な思い出を思い出すかもしれません。

 素敵なコーヒータイムを!

 ※この本には電子書籍もあります。

繊細な方へ(HSPのためのブックガイド)

 心が疲れたとき、辛いとき、哀しいときにこそおすすめの絵本です。HSPHSCのほうがずっと多くのメッセージを受け取ることができるでしょう。
 コーヒー好きの方へのお見舞いやプレゼントにも。子どもから大人まで癒される、コーヒーが飲みたくなる絵本です。

 

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